ファイナルに駒を進めたのは、チャンピオンシップでシーホース三河と千葉ジェッツを撃破した宇都宮ブレックス、島根スサノオマジックと三遠ネオフェニックスを破った琉球ゴールデンキングスだ。
宇都宮は3年ぶりのファイナル進出。レギュラーシーズンを48勝12敗の最高勝率で終え、チャンピオンシップでも盤石の強さを見せている。先週末、千葉Jとのセミファイナルは第3戦までもつれたが、試合が進むごとに相手のバスケを研究し、攻め手を潰していくディフェンスが機能した。
エースのD.J・ニュービルは、大量得点を奪うこともダブルチームを引き付けてのチャンスメークもでき、相手の出方次第で使い分けられる。ギャビン・エドワーズもグラント・ジェレットも機動力があり、堅守からのトランジションが強力な武器となっている。日本人選手では比江島慎、遠藤祐亮、鵤誠司、竹内公輔といった主力が前回優勝の3年前から顔触れも役割も変わっていない。この継続性がチームに盤石の安定感をもたらしている。
長いシーズンを戦い抜いて、どの選手もケガや疲労を抱えてはいるだろうが、チーム全体のコンディションは良好だ。ベテランが多いチームではあっても、小川敦也と高島紳司の台頭もあり、どの選手が出ても力が落ちない強みがある。千葉Jとのセミファイナルでも、高島は外国籍選手のドライブをフィジカルで止める力強さを見せ、小川は第3戦の勝負どころで富樫勇樹を完璧に抑え込む殊勲の働きを見せた。
レギュラーシーズンの60試合を通して作り上げたチームの一体感、ディフェンスを基調とする盤石の安定感が宇都宮にはある。また、ヘッドコーチのケビン・ブラスウェルがシーズン途中に心臓疾患で亡くなるという辛い出来事も乗り越えてきた。ここまで練り上げてきたチームバスケに、全員で困難を乗り越えたことでの精神的な強さを加えた宇都宮は、自信を持ってファイナルに臨む。
【動画はこちら】頂点に立つのは宇都宮ブレックスか、琉球ゴールデンキングスか!?琉球はこれで3シーズン連続のファイナル進出。初進出となった3年前に宇都宮に敗れているが、翌2023年に初優勝を果たしている。今シーズンは46勝14敗で西地区優勝、長らく目標としてきた天皇杯でも初優勝を飾ったが、チャンピオンシップでは苦しい戦いを強いられている。
レギュラーシーズン終盤にポイントガードの岸本隆一が左第5中足骨骨折で戦線離脱し、ロングレンジからでも沈める3ポイントシュート、大舞台の勝負どころで決めきる勝負強さを欠くことになった。プレーメークはもともと大きな比重を負っていないだけに他のガード陣でカバーし、あとはその得点力をどう埋めるかが問題とされたが、プレッシャーのかかる状況でも落ち着いてオフェンスを組み立てられる岸本がいないマイナスは予想以上に大きかった。
もう一つ懸念すべきは、三遠との第1戦で足首を捻挫したケヴェ・アルマの状態だ。第2戦と第3戦は欠場し、松葉杖でチームを応援した彼がファイナル欠場となれば、ビッグマンのローテーションは苦しいことになりそうだ。
島根、三遠とのチャンピオンシップ5試合での平均得点は85.8と、得点が取れていないわけではない。それでも、試合のペースをコントロールして、自分たちの望む試合展開に持っていけないところに岸本不在の影響は色濃く出ている。そんな状況でもファイナルまで勝ち上がれたのは、岸本離脱の危機にチームとしての結束をさらに強め、全員でカバーする意識を前面に押し出した結果だ。
岸本の代役として、脇真大が試合を重ねるごとに急成長を見せている。脇はシューティングガード登録だが、ドライブでゴール下をこじ開けられる力強さが持ち味のフォワードタイプの選手。それでもハンドラー役を任され、思い切りの良いプレーを見せている。
岸本ほどの安定感は望めないにせよ、脇が攻撃の起点を担うことで他の選手は攻めやすくなる。特にエースを担うヴィック・ローは今がまさに絶好調で、彼に良い形でボールが渡ることが、琉球が宇都宮の堅守を打ち砕くカギになりそうだ。
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【動画はこちら】頂点に立つのは宇都宮ブレックスか、琉球ゴールデンキングスか!?