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数少ない“国内組”高橋はなが女子アジアカップへの意気込み語る「強みは『魂を見せるプレー』。球際でバチバチやり合いたい」|AFC女子アジアカップ

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3月1日、AFC女子アジアカップ2026がオーストラリアで幕を開けた。この大会はDAZNが全試合をライブ配信し、日本は3月4日14:00に初戦のチャイニーズ・タイペイ戦を迎える。

2月12日に発表された26名のメンバーリストには、ヨーロッパやアメリカの錚々たるクラブの名がずらりと並んでいる。国内組は、わずかに4名。その一人である三菱重工浦和レッズレディースの高橋はなが、DAZNの取材に応じてくれた。

自身2度目の出場となるこの大会に向け、彼女は今、どんな思いを抱いているのか。

文=松原 渓


■中堅世代として迎える現在地 

「魂」で勝負する――。

高橋はなが、アジアカップへ向けて繰り返したキーワードだ。AFC女子アジアカップは、次のFIFA女子ワールドカップ出場権が懸かる大会でもある。なでしこジャパンの主力の大半を海外組が占める中、数少ない国内組として臨む意味は小さくない。

代表に呼ばれた喜びは、何度経験しても変わらない。ただ今回は、そこに安堵が少し混じった。高橋は「素直にうれしかったですし、少し安心した気持ちもありました」と振り返る。ニルス・ニールセン監督体制でキャンプに呼ばれる機会が続き、メンバーも大きくは変化していない。その中で、自分に求められる役割は、以前よりも明確になってきた。

「ピッチ内外で盛り上げていけたらなと、常々思っています。若い選手たちも上の選手たちと話しやすい関係性ですし、仲のいいチームなので『つなぎ役をしなければ』という気負いはないですが、私らしく、常に明るい雰囲気を作っていけたらと思います」

若手でもベテランでもない26歳。中堅として臨む今大会で、代表で必要とされるために何が重要か。高橋が真っ先に挙げたのは“メンタル”だった。熊谷紗希や長谷川唯ら、代表を長く支えてきた選手たちと一緒に過ごす中で、世界で戦うための「心の基準」を学んできた。さらに、三菱重工浦和レッズレディースでも、2011年のワールドカップ優勝メンバーである安藤梢ら先輩の言葉を通じて、その基準を確かめてきたという。 

「世界で戦う上で何が大切かを考えた時に、世界での経験値もそうですが、特にメンタルの部分は学ぶことが多くあります。チームでは安藤梢選手から話を聞くのが大好きで、そういう経験をたくさん聞かせてもらって、戦う気持ちや心の持ち方がすごく大切なんだということを日々学んでいます」 

■アジアの難しさと、勝ち抜くための準備

日本はFIFAランキング8位とアジア最上位を維持しているが、トーナメントは理屈どおりに進まない。年代別代表、EAFF E-1サッカー選手権、前回のアジアカップ、そして、クラブで臨んだAFC女子チャンピオンズリーグ(AWCL)。経験を重ねるほど、高橋にとって「簡単には勝てない試合が続く」実感が濃くなっていった。

「ワールドカップの出場権が懸かっている大会の重要性は理解しています。ただ、アジアならではの難しさは対戦するたびに感じます」

難しさの背景にある要素の一つが「環境」だ。アウェーの雰囲気、相手サポーター、コンディション調整。加えて相手の特徴も、読みやすい時ばかりではない。

「サッカースタイルが似ている時もあるし、逆に特徴がつかみにくいチームもある。ランキングに差があっても、僅差で勝つような試合は今までにもありました」

出場枠が拡大したとはいえ、油断が入り込む余地はない。初出場だった前回大会(2022年)は、先発1試合、途中出場2試合で結果は3位。あれから4年が経ち、今回は主力として一段と強い責任感を持って臨む。一方で、プレー面では成長の手応えもある。 

「出場権を取るために、どの国も死に物狂いで戦ってくると思います。だからこそ隙を見せればやられてしまうと思うし、そこに対する緊張感や責任はすごく感じています。前回大会では自分自身が切羽詰まっていた感じもありましたが、選手としての幅はこの4年間で広がったと思うし、視野は広がっていると思います」

ニールセン監督体制で初めて迎える大きな公式戦。トーナメントを勝ち上がる鍵として、高橋はチームワークを挙げた。約1カ月に及ぶ長期戦では、生活の小さな揺れがパフォーマンスに直結するからだ。 

「いろんなことが起こる中で、日々の生活がメンタルの波に左右されてサッカーに影響する可能性もあります。コンディションが整わなかったり、ケガ人が出てしまう可能性もある。本当に何が起こるかわからないので、日々の準備、コンディション調整も重要になります」 

■国内組の矜持。ポジションを超えて示す強み

takahashi hana(C)Getty Images

代表では本職のセンターバックだけでなく、サイドバックやFWとしても起用されてきた。「好きなのはFW」と笑うが、実際に“やりやすい”のはセンターバックだと即答する。クラブで積み上げてきた感覚があるからだ。ただし、どのポジションで起用されても自身の武器は揺るがない。 

「私自身の強みは『魂を見せるプレー』です。アジアの舞台でも魂のこもったプレーを見せていきたいと思いますし、空中戦は好きなので、球際の戦いはバチバチやり合いたいですね」

球際で引かない姿勢は、国内組としての意地にも通じる。海外組が多いチームで、国内リーグを代表する自分が“通じない”と感じたら、それまで積み上げてきたものが揺らぐ。だからこそ練習から強度を落とさず、遠慮はしない。谷川萌々子が、「はなさんは球際でチームを引っ張ってくれる存在」と話すように、その強みは“国内仕様”にはとどまらない。代表という高い基準の中で、さらに磨かれている。

メンバー表を見ればビッグクラブが並び、その実力も間近に見てきた。それでも、その中で力を示すのが自分の役割だと高橋は言い切る。 

「みんなビッグクラブに所属しているので、所属チームを見て『うわあ……』と圧倒されるのは事実です。でも、国内でプレーしながらこれだけやれる、というのを見せられるのは私たちWEリーガーしかいない。WEリーグと浦和の代表として責任を持ってプレーして、国内から代表を目指す道があるということを、サッカー少女たちにも見せていきたいです」 

優勝から逆算すれば、W杯出場権を取った先の準決勝以降が大きな壁になると高橋は考える。開催国オーストラリアとの対戦は、優勝へ向かう上で避けて通れない可能性が高い。ただ、強敵との勝負について語る高橋の口ぶりは前向きだ。

「オーストラリアのメンバーを見れば世界的な選手がそろっていますし、国際的に力をつけてきているチームなので、すごく楽しい試合になるんじゃないかなと思います。韓国や中国には体格の大きい選手がそろうイメージもあり、育成年代から対戦してきた選手が多いので負けたくないですね」

日本で積み上げた強度に、先輩たちから受け継いだ「世界で戦うための心の基準」を重ね、アジアの頂点を目指す戦いが始まる。  

 

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