FIBA女子バスケアジアカップを戦う女子日本代表は、2勝1敗でグループ2位となり、7月18日の準決勝進出決定戦でニュージーランドと対戦する。勝てば翌19日の準々決勝で中国と対戦となるが、グループ首位通過を逃したことで強豪との連戦を強いられる。
【動画はこちら】グループフェーズをプレイバック! 本橋菜子が語る勝利へのカギとは!?日本代表はグループフェイズ初戦でレバノン代表に72-68、続いてフィリピン代表に85-82と連勝し、グループ最終戦のオーストラリア戦を67-79で落としている。最初の2試合もスコアが表す通りで快勝とはならず、オーストラリア戦は51-42とリードして前半を終えたものの、後半は16得点とオフェンスが沈黙して敗れた。
日本代表は東京オリンピックで銀メダル獲得と歴史的な躍進を果たしたが、その後は苦戦を強いられている。2023年のアジアカップでは決勝で敗れて連覇が5で途切れ、パリオリンピックでは3戦全敗。新指揮官コーリー・ゲインズを迎えた最初の国際大会となる今回のアジアカップではタイトル奪還が至上命題なのだが、強さを見せ付けるべきグループフェイズで不完全燃焼の試合が続いた。
DAZNのオーストラリア戦の配信で解説を務めた、日本代表のポイントガード、本橋菜子は「日本のやりたいバスケ、コーリーさんの目指すバスケが完成していない。まだまだ成長段階だとすごく感じる」と話す。
今回、特に苦戦を強いられているのはオフェンスで、チームの連携が確立できていないことでチャンスを作れず、得点が伸びない。オーストラリア戦は第3クォーターと第4クォーターでそれぞれ8得点。どの選手をコートに送り出してもオフェンスの停滞を打ち破れなかった。
ゲインズがヘッドコーチに就任した日本代表のオフェンスは『フリーランス』がコンセプト。町田瑠唯、宮崎早織、山本麻衣、本橋と経験あるポイントガードが揃って不在となった今回、誰か特定の選手が司令塔としてゲームを組み立てるのではなく、チームでパスを回しつつ誰もが攻めの起点となれるオフェンスを目指し、ガードはもちろんウイングの選手もハンドラー役を務めている。
その日本のオフェンスについて、本橋はこう語る。
「良いバスケができている時は、コーリーさんの言うペース、スペース、タイミングで全員が流れるように動いてアタックできます。その動きの中で、タイミングを合わせてボールを受けたり、1対1を狙えるシーンがもう少し増えれば。ポジションレスはどこでも起点になれる強さはありますが、バスケIQが一人ひとりに求められて、それをチームとして意思統一してプレーすることがすごく大事です」
コートに出ている5人でボールをシェアし、人もボールも常に動かしながら相手の隙があれば見逃さずに突いていく。その起点をどこからでも作れるのが日本代表の新たな強みになるはずだが、アタックした時に攻めきれないと次の一手で連携したプレーが出ない。アタックする選手の動きに合わせて、他の選手は外でポジションを取りパスを待ったり、別のスペースに飛び込んだりするのだが、その呼吸が合わないために攻めは単発の個人技に終わってしまい、無理をしてパスを出せばターンオーバーになる。
合宿とテストマッチを重ねる中で向上は見られるのだが、アジアカップ本番になるとミスを恐れて積極性を失う傾向にあり、それが日本の持ち味である速い展開に持ち込めない要因にもなっている。
髙田真希 (C)FIBA
わずか8日間の大会期間中に、個人の課題を修正しつつチームとしてのケミストリーをどこまで高められるか。新しいバスケに取り組んでいる分、大会序盤に噛み合わないのは仕方ない部分もあるが、ここから急ピッチで完成度を高めなければ、アジア王座の奪還はかなわない。
積極的に攻める姿勢なくしてオフェンスが噛み合うことはあり得ない。負けられないノックアウトラウンドだからこそ、個々の選手が積極性を取り戻し、日本代表らしい速い展開を作り出す必要がある。その上で連携ミスが出るのは仕方ないこと。日本代表の目指すフリーランスな攻めからいくつか良いプレーが出れば、相手は受け身に回らざるを得ない。そこまで強気で、そして集中して攻め続けられるかがカギとなる。
そこで求められるのは強い精神力。その意味では、2016年のリオ大会からオリンピック3大会に出場して日本代表を支え続ける髙田真希がチームの中心となってリーダーシップを発揮することに期待したい。
髙田はゲインズのスタイルを「ルールもありつつ臨機応変に対応しなければならない」と評価し、「自分たちから仕掛けていくところが楽しい」と語っている。
「新体制で注目されているからこそ、期待に応えたい」との髙田の言葉通りに、生みの苦しみを乗り越えて新しいバスケを機能させて、決勝トーナメントを勝ち上がってもらいたい。
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7/18(金)
7-8位決定戦
準決勝進出決定戦
7/19(土)
5-6位決定戦
準決勝
7/20(日)
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