サッカーや野球などのスポーツと同様に、F1でも新型コロナウイルスが猛威をふるった。今季は開幕戦のオーストラリアGPがスタート直前で中止になると、その後の感染拡大に伴い、日本GPを含む多くのグランプリが開催中止に追いやられた。
長い中断期間を経て、主にヨーロッパ中心で13戦までのスケジュールが発表される運びに。11月1日決勝予定のエミリア・ロマーニャGPまで4カ月間で13戦をこなす過密日程になっている。
最終的に中東ラウンドを含めた17戦まで発表され、2020年のF1カレンダーは12月までの全17戦で完結する見通しとなった。
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F1第11戦アイフェルGP 概要
2020年の第11戦アイフェルGPという名称で、舞台は歴史のあるニュルブルクリンク。ドイツ北西部ラインラント=プファルツ州、アイフェル地方にあることから、アイフェルがグランプリ名に冠されている。
ニュルブルクリンクは1927年に全長20.832kmのコースとして作られた。後に1984年、全長5.1kmのGPコースが設けられ、前述のロングコースは“北コース”と呼ばれるように。こちらは自動車メーカーがテストコースとして利用することもあり「スポーツカー開発の聖地」とも呼ばれ、世界中のモータースポーツファンにとって憧れのサーキットとして著名。
かつては北コースでF1グランプリが行われていたが、フォーミュラカーが走るうえでバンプな路面は危険極まりなく、ロングコースの特性からマーシャルの配置も困難であり、危険性を指摘する声が絶えなかった。
その決定打となったのが1976年のドイツGPだ。ドライバーのボイコット活動によってレース開催の危機となったが、結果的に投票でレースは実施されることに。その決勝では前年のチャンピオン、ニキ・ラウダが高速コーナーでクラッシュし、炎に包まれる事態に。ラウダは顔の大半がただれ、肺も焼けるという生命の危機に陥ったが、なんとか一命を取り留めた。
この年の開催を最後にニュルブルクリンクの北コースではF1レースが開催されなくなった。GPコースが運用されるようになった1984年から、再びニュルブルクリンクでF1レースが実施されている。
その後もドイツGPのほか、ヨーロッパGP、ルクセンブルクGPなどの名称でGPコースがF1のカレンダーに加えられていたが、2013年を最後にF1レース開催から遠ざかっていた。
2020年は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、通常のカレンダー消化が不可能な状況に。ドイツ国内でのレース開催を想定して調整が進められ、2019年にF1が開催されたホッケンハイムとともにニュルブルクリンクも候補地となっていた。先にホッケンハイムが開催断念となり、ニュルブルクリンクの7年ぶりF1開催が決まった。
ロシアGPまでの戦い
7年ぶりにドイツのニュルブルクリンクで開催されるF1第11戦アイフェルGP。世界の自動車メーカーが開発を行うスポーツカーの聖地で行われるレースでは、どんな展開が待っているのだろうか。
第10戦ロシアGPでは、ここまでルイス・ハミルトンの後塵を拝していたバルテリ・ボッタスが開幕戦以来の勝利を挙げた。さらにファステストラップポイントも加算したため、ランキングで首位に立つハミルトンとの差を55から44に縮めることができた。
これにより残り7戦で大逆転の可能性も見えてきたため、これまで以上にボッタスの気合は十分だろう。
一方、チームメイトのハミルトンも次戦に懸ける思いは強いはずだ。ロシアGPではポールポジションからレースをスタートしたものの、10秒のタイムペナルティを受け最終的に3位でフィニッシュ。
直近3戦で2度もペナルティが原因で勝利を逃しているだけに、鬱憤を晴らしたいところだ。さらにはミハエル・シューマッハが持つF1最多勝利記録にあと1勝で並ぶため、次戦は何としても勝利を手にしたい。
第4期ホンダが2021年撤退表明
先日、2021年限りでのF1参戦終了を発表し、世界を驚かせたホンダ。2050年までのカーボンニュートラル実現に向け経営資源を集中させるための判断ということだが、日本のモータースポーツファンにとっては寂しい限りだ。
レッドブルとアルファタウリとの共闘で、F1というモータースポーツの最高峰において確かな地位を確立していただけに惜しむ声は多い。しかし参戦終了が決定したとはいえ、今シーズンそして来シーズンの戦いは残されている。最後まで全力で駆け抜けるホンダの雄姿に期待したい。
前戦ロシアGPでは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが2位で表彰台を獲得。さらにホンダ製のパワーユニットを搭載した全車の入賞は、2019年のモナコGP以来となる好結果だった。参戦終了発表から初めて迎えるグランプリでは、“世界のホンダここにあり”という走りを見せてもらいたい。
山間部にあるため急激な天候変化も起きやすいニュルブルクリンク。過去にも幾度となく波乱が起きている難関コースでのレースは全く予測のつかないものだ。“世界一過酷なサーキット”という一面も併せ持つニュルでの一戦で、最後に笑うのは誰か。様々な思いが渦巻くレースの行方を見届けよう。
レース開催日程・DAZN配信予定
第11戦 アイフェルGP / ニュルブルクリンク
配信予定 | 配信内容 | 実況・解説 |
---|---|---|
2020年10月9日(金) 18:00 | フリー走行 1回目 | 解説:小倉茂徳 実況:サッシャ |
2020年10月9日(金) 22:00 | フリー走行 2回目 | 解説:田中健一 実況:サッシャ |
2020年10月10日(土) 19:00 | フリー走行 3回目 | 解説:小倉茂徳 田中健一 |
2020年10月10日(土) 22:00 | 予選 | 解説:中野信治 実況:サッシャ |
2020年10月11日(日) 21:10 | 決勝 F1ゾーン:決勝 | 解説:中野信治 実況:サッシャ |
その他レース日程
サーキット(ニュルブルクリンク)
DRS区間でもあるホームストレートはそこまで長くないが、下り坂でもありターン1の飛び込みではブレーキング合戦となる。そこからターン2~ターン3までのコース幅が広く、ライン取り次第ではサイドバイサイドになることも。
ダンロップヘアピンと称されるターン7もオーバーテイクポイントで、ここからは上り坂に転じる。ターン11を抜けてDRS区間となり、ターン13&14のNGKシケインも順位の入れ替わりが多い注目ポイント。そしてターン15を抜け、ホームストレートへと帰還する。
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チーム・ドライバー
日程・番組表
レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
---|---|---|---|
第1戦 | オーストリアGP | 7月3日(金) ~ 4日(土) | 7月5日(日) |
第2戦 | シュタイアーマルクGP | 7月10日(金) ~11日(土) | 7月12日(日) |
第3戦 | ハンガリーGP | 7月17日(金) ~18日(土) | 7月19日(日) |
第4戦 | イギリスGP | 7月31日(金) ~ 8月1日(土) | 8月2日(日) |
第5戦 | 70周年記念GP | 8月7日(金) ~ 8日(土) | 8月9日(日) |
第6戦 | スペインGP | 8月14日(金) ~15日(土) | 8月16日(日) |
第7戦 | ベルギーGP | 8月28日(金) ~29日(土) | 8月30日(日) |
第8戦 | イタリアGP | 9月4日(金) ~ 5日(土) | 9月6日(日) |
第9戦 | トスカーナ・フェラーリ1000GP | 9月11日(金) ~12日(土) | 9月13日(日) |
第10戦 | ロシアGP | 9月25日(金) ~ 26日(土) | 9月27日(日) |
第11戦 | アイフェルGP | 10月9日(金) ~ 10日(土) | 10月11日(日) |
第12戦 | ポルトガルGP | 10月23日(金) ~24日(土) | 10月25日(日) |
第13戦 | エミリア・ロマーニャGP | 10月31日(土) | 11月1日(日) |
第14戦 | トルコGP | 11月13日(金) ~ 14日(土) | 11月15日(日) |
第15戦 | バーレーンGP | 11月27日(金) ~ 28日(土) | 11月29日(日) |
第16戦 | サクヒールGP | 12月4日(金) ~5日(土) | 12月6日(日) |
第17戦 | アブダビGP | 12月11日(金) ~ 12日(土) | 12月13日(日) |
F1の視聴方法
DAZNではF1™️の全レースに加え、F2・F3も配信予定。またメインフィード、オンボードカメラ、ドライバーズ・トラッカー、ライブタイミングを一つの画面で見ることができるオリジナル番組「F1 ZONE」や、「F1 LAB(ラボ)」といったコンテンツを配信。さらにレース後にはハイライト映像が配信され、また2週間見逃し配信が視聴可能だ。 また、F1™️以外にもJリーグ、欧州サッカー、プロ野球など多彩なスポーツコンテンツを楽しむことができる。
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