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【コラム】交流戦通算勝利単独トップに期待がかかる和田毅。松坂世代最後の星が輝き続けるわけ|プロ野球

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20210421_NPB_HAWKS_WADA (C)時事通信


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交流戦最多勝投手

今年も「交流戦」の時期がやってきた。2005年の導入以来、ソフトバンクは12球団ダントツの強さを発揮している。過去16度(2020年シーズンのみ不開催)のうち優勝8回を誇る。昨季は全体11位と苦しんだものの、通算成績は219勝135敗18分。勝率.619は2位・ロッテの.538を大きく引き離す。

ソフトバンクが数々の栄光を刻んできたこの交流戦の中で、最も多くの勝ち星を挙げてきた投手。

それは和田毅だ。

通算26勝は球界全体で歴代1位タイ。12年から4シーズンは米球界でプレーしており交流戦登板がなかったにもかかわらずこの成績だ。ちなみに、トップで並んでいるのはかつての僚友であり最大のライバルでもあった杉内俊哉(現巨人三軍投手コーチ)と、1学年上で同じ左腕の石川雅規(ヤクルト)の2人だ。

これからの3週間でランキングがどのように動くのか、今季交流戦の見どころの1つになる。

松坂世代最後の星

そんな和田に通算記録の数字を訊ねるといつも「長くやっていますから」と笑って返される。今シーズンでちょうどプロ20年目を迎えた。現在41歳だ。

昨季限りで、同学年で盟友の松坂大輔氏が引退した。

松坂氏からは引退会見の場で「(和田)毅には、まだまだ投げたかった僕の分も投げ続けていってほしいなと思います。できるだけ長くやってほしい」と熱いメッセージを託された。それを受けた和田も「大輔から受けたバトンは本当に重たいですが、松坂世代みんなの思いが詰まっていると思うので、託されたものに恥じない姿でいられるよう、燃え尽きるまで頑張りたいと思っています」と改めて自らを奮い立たせていた。

NPBに総勢93人も入団した「松坂世代」で、和田が現役選手最後の1人となった。それでもなお、第一線で輝きを放つ。

さわやかなルックスも相まって、いつまでも若々しく映る。ただ、和田本人にそう振っても「そんなことないですよ。確実にトシはとっていますから」と、やはりいつも笑い飛ばされてしまう。だが、お世辞のつもりではない。

今なお、真っすぐで空振りを奪える。

カウントなどから推察するに、おそらく打者はストレートを待っているだろう場面だとしても、和田は真っ向勝負してバットに当てることを許さない。

球速は40代になっても145、6キロを計測する。

ただただ驚くばかりだ。なぜなら、和田はもともと「遅い真っすぐを速く見せるのに長けた投手」と言われていたからだ。島根・浜田高では甲子園に2度出場した実績を持つが、ストレートは120キロ台だった。早稲田大に進学して伝統ある東京六大学野球リーグで歴代最多となる476奪三振を記録したが、その当時も130キロ台中盤しか出なかった。

そのスピードはダイエーホークスに入団してからも、しばらく変わらなかった。1年目から189イニングを投げて14勝で新人王に輝いた時も、プロ入りから5年連続で2桁勝利をマークしてあっという間にチームの柱となっていった頃も、やはりストレートは130キロ台だった。

十代の頃よりも、二十代の頃よりもはるかに速い球を投げているのが現在の和田なのだ。

石川雅規から学んだベテランの投球術

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だが、その一方で近年の和田は変化球にも強いこだわりを見せている。昨年のキャンプでは後輩の笠谷俊介から教わったナックルカーブの習得に励んだし、今年のキャンプでもカットボールの練習を入念に繰り返した。

「18年に左肩を痛めた後からは特に、カットボールを練習しているんです。だけど曲がらないというか、イメージするようなボールにならない。だから僕の中で『持ち球です』と言える球種ではないんです。そう言いながら試合で使っていたけど、今年はちゃんと自分のモノにしたいと思っている。年齢も上がってきているし、変化球の種類がたくさんあった方が良いので」

特に今年に関しては、自身よりも1学年上の同じサウスポーから刺激を受けていた。それが交流戦最多勝レースのくだりでも登場した石川だ。

「昨年の日本シリーズの雅さんの投球を見て、自分には足りないものが沢山あると思い知らされました」

石川は昨年の日本シリーズ第4戦に先発すると、6回3安打1失点と好投して勝利投手となった。

「雅さんのピッチングは僕にとって参考になるものだらけでした。大きく曲げたり小さく動かしたり。緩急も、奥行きも、すべてを使われていた。自分に必要なのはああいう投球だなと思いました」

かねてより和田は直球勝負にこだわり、だからこそストレートを磨き続けてきた。しかし、何かの歯車が狂ったときに他に武器のない状況では戦えなくなってしまう。常に先を見据えて準備を怠らない。和田はそんな姿勢も随分前から見せていた。だからこそ、今もなお第一線で輝き続けられるのだろう。

ペナントレースが始まると、開幕5試合目だった3月30日のロッテ戦(ZOZOマリン)で今季最初の先発マウンドに立った。41歳になってもソフトバンク強力先発陣の中で開幕ローテを勝ち取ったのだ。

なかなか勝ち星に恵まれずにいたが、今季5度目の先発だった5月22日のロッテ戦(PayPayドーム)で今季1勝目を飾った。「ドームが暑くて、予想以上に汗をかいてしまった」と三、四回頃に足がつってしまったそうだが、六回2アウトまでノーヒットノーラン(1与四球のみ)の快投だった。そこから連打で1点を失い交代。「イニングを完了させないと」と悔しがったが、リリーフ投手陣がチームのリードを守り抜いてくれた。

「ちゃんとバトンタッチできるように。次回への課題ですね」

その“次回”は交流戦のマウンドになるだろう。次の1勝は日米通算150勝の区切りの白星になる。

「今年、150勝というのは1つの目標にしていますから」

しかし、和田のいうそれは、NPB通算での数字だ。メジャー通算5勝だから、今季7勝目で日本通算150勝に届くことになる。

「もっと、もっとチームに貢献していきたいです」

ちなみに、ソフトバンクは交流戦最終カードでヤクルトと対戦する。和田対石川のベテラン左腕対決がうまく実現すれば、それもまた大注目の一戦となりそうだ。

文・ 田尻耕太郎

1978年生まれ、熊本市出身。法政大学卒。ホークス球団誌の編集を経て、2004年夏にフリーに。一貫して「タカ番」スタイルの現場主義を大切に取材活動を続けており、2021年にちょうど20年目のシーズンを迎えた。「Number」など雑誌・ウェブ媒体への執筆のほか、ラジオ出演やデイリースポーツ特約記者も務める。

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