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【コラム】夏の選択は正解。マンチェスター・シティの完成度は高まるばかりだ | 粕谷秀樹のNOT忖度 | プレミアリーグ

読了時間 6分
20210821_Premier League_Manchester City (C)Getty Images

超攻撃的な立ち位置で相手を粉砕

この夏、マンチェスター・シティは1億ポンド(約150億円)の巨額でMFジャック・グリーリッシュを補強したにもかかわらず、メディアに消極的と批判された。ハリー・ケインやクリスティアーノ・ロナウドの獲得に二の足を踏み、人材難のアンカーと左サイドバックにも手をつけなかったからだ。

しかし、ふたを開けてみるとメディアの心配は杞憂に終わった。各選手の創意工夫により、不安視されたポジションは完全にカバーできている。

開幕戦こそトッテナムに0-1で敗れたものの、その後は完璧なプランでチェルシーを破り(6節|1-0)、ルベン・ディアスやカイル・ウォーカーといった主力DFを温存したバーンリー戦(8節|2-0)でも、あっさり勝利を収めている。

また、リヴァプール戦(7節|2-2)では30~40年後まで語り継がれる素晴らしい内容のパフォーマンスを披露。その力を、成熟度を、改めて見せつけた。

今シーズンのシティはあくまでも4バックがベースだが、ポゼッション時は両サイドバックが一列上がり、なおかつふたりの中盤インサイドが前がかりになる2-3-2-3。いや、2-3-1-4、2-3-5といって差し支えない並びもある。超攻撃的な立ち位置だ。

彼らの攻撃力を恐れ、ときに5バック、またあるときは6バックも辞さない相手守備陣を粉砕するためのプランと考えられる。攻撃にかける人数が多い分、パスルートが増え、しかもワンタッチでつないでいくため、プレミアリーグの猛者たちも対応できない。

シティのレベルは、昨シーズンを上回る勢いだ。

序盤戦のMVPはB・シウヴァ

よくよく考えてみれば、シティの好調は珍事でもサプライズでもない。

補強をためらったとはいえ、有能なタレントを数多く擁し、旬を迎えた主力もいるのだから、経済的に無理をして新戦力を加える必要はなかった。ケインが必ずしもフィットするとは限らない。プレスを怠るC・ロナウドは、ペップ・グアルディオラ監督のタイプではない。

したがって、ビッグネームよりも手駒を重視した夏の選択は正解だ。とくに、MFベルナルド・シウヴァが光り輝いている。

巧みなドリブルで3~4人を一気にかわし、ラストパス、あるいはフィニッシュ。リヴァプール戦ではフィルジル・ファン・ダイクとジョーダン・ヘンダーソンを手玉に取ってみせた。

「試合出場数が激減したため移籍を決意。ACミランと合意間近」なる情報が昨シーズンに流れたが、十中八九デマだ。財政的に苦しいミランが、B・シウヴァの週給(15万ポンド・約2250万円)を支払えるはずがない。

シティに残留したB・シウヴァは活き活きとしており、泥臭い仕事も厭わない。序盤戦のMVPは、“山椒は小粒でもぴりりと辛い” を地で行くテクニカルなMFだ。

2021-10-16-Bernardo Silva-Manchester City

数少ない不安がスターリング

プレミアリーグ9節終了現在で6勝2分1敗、チェルシー、リヴァプールに次いで3位につけている。3節を終えたチャンピオンズリーグ(CL)では2位。パリ・サンジェルマン(PSG)に敗れた一戦は、プレミアのスケジュールを優先したメンバー構成だっただけに、グアルディオラ監督も「試合内容には満足している」と語っていた。

だからこそ、コンディションには細心の注意を払う必要がある。ましてプレミアリーグは12月に入ると過密日程になり、CLを含めると1ヶ月で8試合をこなさなくてはならない。

  • 12月1日:アストンヴィラ(アウェー)
  • 12月4日:ワトフォード(アウェー)
  • 12月7日:ライプツィヒ(アウェー)
  • 12月11日:ウォルヴァーハンプトン(ホーム)
  • 12月14日:リーズ(ホーム)
  • 12月19日:ニューカッスル(アウェー)
  • 12月26日:レスター(ホーム)
  • 12月29日:ブレントフォード(アウェー)

1日のアストンヴィラ戦から中二日ごとにワトフォード、ライプツィヒと戦う。3戦ともアウェー。キツい。また11月24日にCLのPSG戦、28日にウェストハム戦が予定されている。ともにホームだが厳しい相手だ。

リヴァプールやチェルシーとの対戦はないものの、PSG戦からの10試合をどのようにクリアするかが、今シーズンのシティを少なからず左右するに違いない。

そして数少ない不安のひとつに、ラヒーム・スターリングが挙げられる。昨シーズン後半に定位置をMFフィル・フォーデンに奪われ、今シーズンはグリーリッシュの加入により優先順位がさらに低くなった。

「試合に出られないのなら移籍も辞さない」

スターリングの周囲から、不穏な声が聞こえてきた。グアルディオラ監督が、最も嫌うパターンである。常日頃から「ポジションは自分でつかみ取るもの」と公言しているだけに、スターリングの発言が事実ならば、それは裏切りだ。

コミュニケーション能力にすぐれたグアルディオラ監督であれば、スターリングとマンツーマンで面談し、なんらかの解決策を見いだすだろう。ただ、現時点でシティのプランに適しているのは、フォーデンであり、グリーリッシュだ。

この現実に目をそむけ、スターリングが我を通したとしよう。イングランド代表のレギュラーFWが去っても、致命的なダメージには至らない。

シティの完成度は、日増しに高まるばかりだ。

文・ 粕谷秀樹

1994年、日本スポーツ企画出版社刊の『ワールドサッカーダイジェスト』編集長に就任。その後、同社の編集局次長を務め、01年に独立。以降、プレミアリーグやチャンピオンズリーグ、情報番組、さらに月平均15本のコラムでも、エッジの利いた発信を続ける。東京・下北沢生まれ。

配信情報

プレミアリーグ第10
マンチェスター・シティ対クリスタルパレス

  • 配信: DAZN
  • 配信開始:日本時間10月30日(土)23:00
  • 解説:佐藤寿人 実況:河村太朗
  • 会場:エティハド・スタジアム

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