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【コラム】日本の“ジョーカー”が口にした「後悔」とは…大一番・スペイン戦では、勇気を持った仕掛けを | サッカー日本代表

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20221127-Japan-MitomaKaoru-02 (C)Getty Images


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0-1と痛恨の敗戦を喫したコスタリカ代表戦後のミックスゾーンで、MF三笘薫は言葉を絞り出すようにして語った。

「僕のミス、球際で負けたところからだったので。あれがなければ失点もないですし、そこは申し訳なかったと思います」

三笘が言及したのは81分の失点シーンだ。FWジョエル・キャンベルが左サイドから侵入しようとした際、三笘が正面に立ち塞がった。しかし、軽い対応で侵入を許すと、その後もボールを奪えないまま、自陣深くにボールを展開されてしまう。その流れからパスミスが生まれ、痛恨の失点を喫してしまったのだ。険しい表情のまま、三笘が続ける。

「本当、次に切り替えるしかない。しっかりと気持ちを整理して、中3日なのでしっかり準備したいと思います」

4日前のドイツ代表戦に続き、この日も途中からゲームの流れを変える“ジョーカー”としての起用だった。だが、MF堂安律の同点ゴールを演出したドイツ代表戦と比べ、コスタリカ代表戦では見せ場がなかなか訪れなかった。

「もうちょっと仕掛けたかったですけど、なかなかボールが来ずに自分を出しきれない展開で、そこに後悔はあります。背後を狙ったりしましたけど、スリッピーな分だけ難しい部分もありましたし、最後のところは丁寧にいきたいということで少し足元になってしまいました。ブロックを固められた時に、どんどん動いていかないと難しいと分かっていましたけど、本番でこういうふうにやってしまったのは、ダメだなと感じました」

ようやく三笘らしい突破が見られたのは、先制されて追い込まれた残り約10分間だった。二度に渡ってドリブルでマークを振り切り、ペナルティエリアに侵入して決定的なチャンスを作った。

なぜ、あのプレーを最初から出せなかったのか。なぜ、もっと勇気を持って仕掛けられなかったのか。振り返れば振り返るほど、後悔の念が渦巻くようだった。

「相手が2人来れば周りを使おうというところと、いくところはいこうと考えていました。今日も暑かったですし、途中出場の選手がどんどん勢いを持っていく必要があるのは分かっていましたけど、そういうパワーを与えられなかった」

2試合続けてベンチスタートだが、誰かの控えというわけではない。チーム戦略上、後からピッチに入るというだけ。今の三笘はチームに最も欠かせない、重要な選手のひとりだと言っていい。

代表チームに初めて招集されたのは、約1年前。21年11月17日のオマーン代表戦で決勝ゴールをアシストすると、今年3月23日のオーストラリア代表戦ではチームをW杯出場へと導く2ゴールをマークした。6月シリーズでは2ゴール、9月シリーズでも1ゴールを奪い、代表チーム内での存在感を高めていった。

森保一監督は「薫が戦術というくらいの気持ちで、どんどん仕掛けてほしい」と期待を寄せる。そうした指揮官からの評価や自身のチーム内での立ち位置の変化を感じ取り、三笘自身も中心選手としての自覚を増してきた。

だからこそ、コスタリカ代表戦でのパフォーマンスに自分自身ががっかりしているようだった。だが、終わった試合はもう取り戻せない。三笘はスペイン代表戦に向けて自らを奮い立たせるように言った。

「スペインとの試合では後悔のない戦いをしないといけないと思います。ドイツ戦のような戦いになる可能性がありますけど、今日のような試合をして、終わった後に全員に後悔が残るような試合には絶対にしない。アグレッシブにいくかどうかは分からないですけど、本当にもう1回しっかりと準備して、自分たちの全てを出したいと思います」

スタメンか、それとも引き続きジョーカー起用か、現時点では分からない。だが、やるべきことははっきりしている。頭の中をクリアにして、自分らしいプレーでスペイン代表の守備陣を切り裂くだけだ。

文・飯尾篤史

1975年生まれ。東京都出身。明治大学を卒業後、週刊サッカーダイジェストを経て2012年からフリーランスに。10年、14年、18年W杯、16年リオ五輪などを現地で取材。著書に『黄金の1年 一流Jリーガー19人が明かす分岐点』、『残心 中村憲剛の挑戦と挫折の1700日』などがある。

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