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スペイン代表黄金世代の終焉と転落…そして生まれたラミン・ヤマルという救世主【LEGACY】

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2026年までのワールドカップの歴史を振り返る、GOALの特集記事およびポッドキャスト・シリーズ【LEGACY】。毎週、サッカー界を代表する強豪国が形作られてきた物語とレガシーに迫る。今回はスペイン編。黄金世代から2014年ワールドカップでの急落、そして現在へと続く物語を紐解いていく。

2010年、スペイン代表は間違いなく世界の頂点にいた。EURO連覇とワールドカップ優勝を成し遂げたラ・ロハは世界中のフットボールファンの憧れとなり、未だにその影響は色濃く息づいている。

だが、期待された2014年ブラジル大会はまさかの惨敗に終わった。歴史的にスペイン代表は「何かが欠けている」とされ、ワールドカップで結果を残せたのはあの黄金世代のみ。アルフレド・ディ・ステファノ、パコ・ヘント、リカルド・サモラ、ラウール・ゴンサレス、フェルナンド・イエロといったレジェンドもジュール・リメ杯を掲げられなかった。その伝統は、あの南アフリカの優勝だけでは変わらなかったのかもしれない。

世界一の黄金世代

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スペインの快進撃はEURO2008から始まった。ルイス・アラゴネス監督率いるチームは決勝でドイツを破り、44年ぶりの欧州制覇を達成。 イケル・カシージャス、カルレス・プジョル、セルヒオ・ラモス、アンドレス・イニエスタ、チャビ・エルナンデス、ダビド・ビジャ、フェルナンド・トーレスら黄金世代は、自信を深めて南アフリカに向かうことになる。

そして2010年大会、初戦でスイスに敗れたが、パラグアイやドイツを下して決勝戦に進出。あの伝説的なイニエスタの延長戦ゴールにより、初の世界一に輝いた。当時のラ・ロハは文字通り世界の頂点に君臨し、続くEURO2012では連覇を達成している。

だが意外にも、これが黄金世代の終わりの始まりだった。ポーランド・ウクライナ大会でのEURO連覇後、ラ・ロハは衰退の一途を辿っていく。

下り坂

「上り坂があれば下り坂もある」。よく言われる言葉だが、スペインの転落は予想より早く訪れた。2013年コンフェデレーションズカップ決勝、スペインはネイマールが躍動するブラジル代表に完敗した。

しかしそれでも、スペインが翌年のワールドカップでグループステージ敗退に終わると予想した人はほとんどいなかったはずだ。初戦でオランダに完敗、第2戦でもチリに敗れ、わずか2試合でノックアウトステージ進出の望みが絶たれている。

この早期敗退はチームに大きな打撃を与え、数人のレジェンドが代表引退を決断。残された重圧は次の世代に引き継がれることになる。しかし、課題は山積みだった。カシージャスの後継者を見つけられるのか?プジョルの魂を誰が受け継ぐのか?イニエスタ&チャビの頭脳を持つ選手は再び現れるのか?と――。

苦難の時期

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当時クラブレベルでは、スペイン勢の躍進は著しかった。バルセロナとレアル・マドリーがそれぞれチャンピオンズリーグ優勝を達成し、セビージャはヨーロッパリーグで圧倒的な強さを示した。

しかし、代表チームは2014年ワールドカップの惨敗を引きずり、2018年大会、2022年大会はラウンド16止まり。ペップ・バルサの終焉と時期を同じくしてラ・ロハの影響力は減少し、トロフィーが遠ざかる日々が続いた。再び世界の頂点に立つには、特別な何かが必要だった。世界のフットボールに強烈なインパクトを与える選手を――。

そして、その「Xファクター」は、導かれるようにイニエスタ、チャビ、プジョルが育ったラ・マシアから現れた。

救世主

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2023年4月29日は、スペイン人にとって忘れられない日になるだろう。スペイン黄金期を象徴する一人であり、当時バルセロナ指揮官だったチャビが、ラミン・ヤマルにトップチームデビューのチャンスを与えた日だ。

15歳と9カ月でトップチーム初の出場機会を得たヤマルは、恐れず相手DFに挑み、左足に吸い付くようなボールコントロールで観客を魅了。見ていた誰もがあのリオネル・メッシの姿を思い浮かべただろう。困難な時期を過ごしていたバルセロナ、そしてラ・ロハにとって救世主の誕生だった。

プロデビューから約1年後、ヤマルはEURO2024でスペインの復活を牽引。決勝でイングランド代表撃破を成し遂げ、あの黄金世代以来の主要大会優勝を達成したのである。

まだ20歳にもならない若者に、国の期待を背負わせるべきなのだろうか? 答えは「ノー」かもしれない。それでもヤマルは、ピッチ上で圧倒的なパフォーマンスを示し、その重圧に耐え、さらに上を目指せることを証明している。

時期尚早ではあるが、17歳のペレが1958年ワールドカップでブラジル代表を優勝に導いた姿がヤマルと重なるのだ。彼には間違いなくその資質がある。

燃え盛る野心

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EURO2008以前のスペイン代表は惜敗続きだった。しかし、あの黄金世代が世界の認識を変えた。今では、どの大会でも主役となり優勝候補として戦うことを期待している。

ラ・ロハの視線は今、北米に向けられている。史上初の三カ国共催で行われるワールドカップ、彼らの使命は変わらない。優勝だ。それは簡単か? ノー。では、もう実現できないのか? それもノーだ。ヤマル率いる新世代は、それができることをあのEUROで証明している。

ライバルは多い。最後のワールドカップを戦うメッシ率いる王者アルゼンチン、クリスティアーノ・ロナウドのポルトガル、3大会連続決勝進出を狙うフランス、カルロ・アンチェロッティ率いるブラジル、トーマス・トゥヘル新監督の下で覚醒するイングランド……どれも強敵ばかりだ。さらに、カタールで躍進したモロッコ、前回大会でスペインとドイツを破った日本、欧州予選で躍動したノルウェーにもチャンスがあるだろう。

鍵を握るのは、もちろんヤマルの左足だ。ペレやエンバペのように、10代で世界の頂点に立つ最後のチャンス。燃え盛る野心をすべて発揮するには最高の舞台である。この大会でトロフィーに導くことができれば、自他ともに認める世界最高の選手という地位を確固たるものにできるだろう。