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レオンとPK心理戦、痛手を負ってもモドリッチをストップ…GK鈴木彩艶のミラン戦を伊解説陣や伊紙はどう見た?「才能と将来のある2人は再戦することになるだろう」 |パルマ vs ミラン| セリエA

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GK鈴木彩艶が所属するパルマは9日、強豪ミランとホームで対戦。一時はラファエウ・レオンのPKなどで2点のリードを奪われたが、前半アディショナルタイムにアドリアン・ベルナベのスーパーゴールで1点を返すと、62分にエンリコ・デルプラートの得点で同点に追いつき、2-2と引き分けて貴重な勝ち点をもぎとった。

伊解説陣が見たパルマ対ミラン戦

そんなパルマの一戦について『DAZN(ダゾーン)イタリア』の中継で解説を務めた元イタリア代表MFのアントニオ・ディ・ジェンナーロ氏はこのように分析している。

「ミランはピサやクレモネーゼを相手にポイントを失っており、(マッシミリアーノ)アッレグリは試合前から警戒していた。だが今夜もそのようになってしまった。2-0でリードし、試合をマネージメントするべきだったにもかかわらず、守備の不注意からベルナベにゴールを奪われ、試合が再び分からなくなった」

「パルマは30分間にわたって果敢に攻撃し、2-2にふさわしかったと言える。さらに交代を生かして3-2とするチャンスもあった。ミランは(クリスティアン)プリシッチや(アレクシス)サーレマーケルスが決定機で決めておかなかったのだから引き分けは当然だ」

今年9月から『ダゾーン・イタリア』の解説陣に加わったディ・ジェンナーロ氏は、パルマの守護神である鈴木のプレーにもコメントしている。ミランが12分、サーレマーケルスの左足ミドルで先制点を挙げたシーンでは、鈴木の反応がやや遅れていたと指摘した一方で、ゴールを決めたミランMFを称えた。

「パルマはスペースを与えてしまい、そこへ(ルカ)モドリッチやレオンに飛び込まれて攻撃を仕掛けられた。それからのサーレマーケルスだった。あまり話題にならない選手だが、ものすごいものがある。スズキは少し遅れていたように見えたね。スズキにはもう少しできたことがあったかもしれないが、ゴールが素晴らしかった」

彩艶とレオンのPK対決

パルマは21分、アブドゥライ・ンジャイがエリア内に侵入したサーレマーケルスを倒してPKを献上。これをレオンに沈められた。実況を務めたダリオ・マストロヤンニ記者が「スズキは方向を当てたが届かなかった」と伝えると、ディ・ジェンナーロ氏が「ボールが強力すぎるうえ、ゴールポストのすぐそばだった。飛び込むべき方向は理解していたが、ボールは明らかに強く、止められないものだった」と解説した。

さらにマストロヤンニ記者は、レオンのPKが第7節のフィオレンティーナ戦と似通っていたことを指摘。「フィオレンティーナ戦の(ダビド)デ・ヘアに対するPKのように、(助走で)ブレーキをかけてから蹴り、同じ方向を選んだ。あの時よりもキックがうまく、ボールはポストから指1つの位置に吸い込まれた」と説明した。

イタリア紙『La Gazzetta dello Sport』は、鈴木とレオンのPK対決の一幕をさらに深堀りしている。同紙は鈴木がレオンに対し、自身の右サイドに蹴るように指を差して要求していたことを指摘している。

「アッレグリが『蹴るのはラファかエンクンク』と叫んだ後、レオンがボールを抱えた。そこでスズキが心理戦を仕掛けた」と振り返った。「口の動きからは読めないが『ここへ蹴って』という意味は明確だった。そしてレオンが挑戦を受け入れた」としている。

2025-11-08-milan-rafael-leao-parma-zion-suzuki(C)Getty images

またこのPKについて「完璧なPKだった」と両者を称賛。「スズキは方向を当て、レオンはポストに近いギリギリの唯一のスペースへ蹴った。2人とも最高に素晴らしかった」と賛辞を送っている。

ただ、レオンがPKを決めた後で「ゴールセレブレーションへ走り出さず、エリア内に残ってスズキを見つめた」ため、「マッテオ・ガッビアがフィオレンティーナ戦でユニフォームを脱いで警告を受けるのを阻止した時のように、いち早く気付いてレオンに近寄ってハグし、スズキとの間に入って空気を冷ました」と分析している。

同紙はレオンがその後も「ピッチ中央に戻りながらスズキに何か言葉をかけた」ことを伝えており、「そのメッセージが『君の挑戦は通用しない』というものであることは明らかだ」と主張。「才能と将来のあるあの2人は再戦することになるだろう」とつづり、今後の対決に期待を寄せた。

左手負傷のままモドリッチを止めた

鈴木は82分、エリア内に侵入したサーレマーケルスと接触した際に左手を踏まれて負傷。のちのパルマの発表により左手中指と舟状骨の骨折であることが明らかとなったが、鈴木はそのままプレーを続け、イタリアの解説陣も異変に気付くことなく試合は進行した。

2025-11-08-milan-parma-zion-suzuki-saelemaekers(C)Getty images

こうしてパルマGKは90分、ルカ・モドリッチのミドルシュートをブロックしてボールをキャッチし、チームの勝ち点獲得に貢献している。マストロヤンニ記者は「スズキは一瞬、ボールを失いかけたが押さえた」と伝えている。

ディ・ジェンナーロ氏は「モドリッチのシュートは強力ではなかったが、GKの前で弾んだため2回で押さえることができた。スズキは、このシュートをブロックするのに技術的に完璧とは言えなかったが、効果的だった」との見解を示している。

一方でイタリア紙『Tuttosport』は、鈴木のメディカルリポートを伝えた際にこのシーンをについて振り返り、「選手(鈴木)はピッチに残ってモドリッチに対して素晴らしいセーブも見せた」とパルマGKを称えている。

なおパルマは代表ウィーク明けの日本時間11月23日20:30、パオロ・ザネッティ率いる19位ヴェローナと敵地で対戦する予定となっている。

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