日本代表MF鎌田大地らを加えた昨季、FAカップ優勝を達成して新シーズンのEL出場権を獲得したパレス。しかし、共同オーナーであるジョン・テクストル氏がリヨン(フランス)を所有する「イーグル・フットボール・グループ」のオーナーを務めていることが問題に。リヨンも来季のEL出場権を獲得したが、UEFAの規則では同一大会に同一オーナーが所有するクラブの参加を認められていない。そして同一オーナーが所有する2クラブが同じ大会の出場権を得た場合、国内リーグで上位の成績を収めたクラブが優先的に出場権を得るため、リーグ・アンを6位で終えたリヨンが出場権を獲得することになっていた。
その後リヨンが財務規則違反によって降格処分を下されたものの、この処分が撤回に。テクストル氏はリヨンの会長職を辞任するなど両クラブの出場へ向けて様々な対策を行っていたが、UEFAはパレスのEL出場権を剥奪。カンファレンスリーグへ回ることとなっている。これを不服としたパレス側はスポーツ仲裁裁判所(CAS)に訴えを起こしていたが、出場可否が11日に明らかになるようだ。
イギリス『スカイスポーツ』のチーフ記者カーヴェ・ソルヘコル氏によると、パレスのスティーブ・パリッシュ会長は、8日にCASの3人の審判員が出席した10時間に及ぶ審問に参加。そして11日、CASが判断を下すことになるという。控訴に勝利すればELに出場、敗訴になればカンファレンスリーグに回ることになり、ELにはノッティンガム・フォレストが出場する。
また同氏は、カンファレンスリーグに回ることになれば最大2000万ポンド(約40億円)の損失を被ることになり、パレス側が欧州裁判所に損害賠償を求める可能性があるとも指摘。さらに、3月1日の期限までに保有するパレス株を預け入れなかったテクストル氏に対しても損害賠償を請求する可能性があると伝えている。
10日のコミュニティ・シールドではリヴァプールを撃破し、タイトルを獲得したパレス。しかし仮にELに出場できない場合、ソルヘコル氏はエベレチ・エゼやマルク・グエイら主力選手を引き留めるのが難しいとも予想。またその一方で、この判断でようやくどちらの大会に出場するかが決定するため、移籍市場でも活発に動けるようになると分析している。