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今こそ見せろ、源田のチカラ【西武｜源田壮亮】
2025年のプロ野球シーズンがいよいよ開幕。DAZNでは「#オレをみろ」を今季のテーマに掲げ、選手一人ひとりに注目した動画「1分ストーリーズ」を用意した。プロ野球を描き続ける11球団それぞれの“推し”ライターが、各チームにおける今シーズン注目選手を「オレをみろ」のテーマでコラム計50本以上執筆。その世界観を音と映像で表現する。ナレーションには元MOROHAのアフロ氏を起用。選手たちをより深く知るためのエピソードを、かつてない世界観で体感できる試みとなる。DAZN Newsではその元になったコラムを3月17日から順次公開する。2025年シーズン、誰を推すか準備はできているか？ 迷っても、迷わなくても「オレをみろ」。
石毛宏典、松井稼頭央、中島裕之と「ライオンズ」には、球界を代表する名遊撃手の系譜が脈々と続いてきた。
一度は途切れかけたその伝統をつなぎ止めたのが、2016年にドラフト3位で入団した源田壮亮だった。
【動画はこちら】#オレをみろ「たまらん遊撃手」【西武｜源田壮亮】
入団1年目の春季キャンプ。石毛と共にライオンズ黄金時代の二遊間を固めていた名二塁手・辻発彦監督の徹底指導を受け、新人遊撃手としては1981年の石毛以来となる開幕スタメンを勝ち取った。
シーズン最後まで遊撃のポジションを守り続け、プロ野球史上初となる新人遊撃手によるフルイニング出場を達成。見事、パ・リーグ新人王に輝いた。
見るものを「たまらん」と唸らせる高い守備力で、入団２年目から去年まで、7年連続でゴールデングラブ賞を受賞。攻撃面でも当時圧倒的な破壊力を誇った山賊打線の2番打者として、攻守両面でチームを牽引し、18、19年にはリーグ連覇に大きく貢献している。さらに侍ジャパンにも常に名を連ねるなど、名実共に球界を代表する名遊撃手となった。
そんな源田でも、昨シーズンはもがき苦しむライオンズを救えなかった。連敗が続いていた６月11日の広島戦。ホームの歓声を受け、最後の最後まで勝利への執念を見せた一塁へのヘッドスライディング。アウトになった後、その場でしばらく動けない源田の姿は今でも目に焼き付いている。それくらい悔しい思いを背負って戦ってきた1年だった。
悔しく苦しいシーズンを乗り越えて、西口文也新監督と共に、新たなチーム造りを目指す今シーズン。その先頭には源田が立っているものだと誰もが思っていたはずだ。しかし、自らの行いによって、これまで積み重ねてきた信頼とキャリアに泥を塗り、約束されていたレギュラーの座を自ら返上することを申し出た。
新チームの始動となった2月1日の春季キャンプ初日、あいにくの雨の中でも、選手の姿をひと目見ようと多くのファンが宮崎・南郷スタジアムに訪れていた。そんな人たちのために行われた即席のサイン会で、源田は多くのファンの思いを直接聞いた。その声のほとんどが彼を激励するものだった。
「本当にありがたいです」
失ったものはそう簡単には戻らない。やはりそれでも、野球で生きてきた男にとっては、野球で取り戻すしかないのだ。
自身とチームの再建に向けて、一からの出直しを誓う今シーズン。再びみんなを笑顔にするため、源田のチカラ、今こそ見せる時だ。
文＝岩国誠
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