2025年、2年連続Bクラスに終わった広島だが、ドラフト1位の佐々木泰内野手をはじめ、若手が成長の兆しを見せた1年となった。1軍経験の少ない選手がチャンスを得た一方、煽りを受けた選手もいる。リーグ制覇には若手とベテランの融合が欠かせないだけに、実力者たちの復活に期待がかかる。
世代交代の波による影響を最も受けたのは秋山翔吾外野手だろう。広島加入3年目の2024年は、リーグ3位の158安打を放ち、打率.289、4本塁打、30打点をマーク。ゴールデン・グラブ賞を受賞するなど、攻守で存在感を放った。しかし2025年はNPB13年間で自己ワーストの38安打。西武時代の2015年にシーズン216安打のプロ野球記録を打ち立てたヒットメーカーにとって苦悩の1年となった。
日米通算2000安打まで、残り168本で2026年シーズンを迎えるが、外野手争いは熾烈を極める。2025年にチームトップの本塁打と打点を記録したサンドロ・ファビアン外野手、プロ8年目でキャリアハイを残した中村奨成外野手、同じくプロ入り最多の123試合に出場した末包昇大外野手がレギュラー候補筆頭にあげられており、出場機会が限られることも考えられる。2026年4月に38歳を迎える秋山にとって大事な1年となる。
15年目のシーズンに挑む菊池涼介内野手にとっても正念場の1年となる。2025年は正二塁手として113試合に出場し健在ぶりを示したが、12年連続で達成していたシーズン100安打は途絶え、2026年3月には36歳を迎える。球団史上初のリーグ3連覇を経験し、優勝の歓喜を知る存在だけに、ライバルとなる若手の前に、これまで同様に“高い壁”として立ちはだかることができるか。
もう1人、プロ20年目のシーズンを迎える会沢翼捕手の復活を期待するファンの声も多い。精神的支柱としてチームを支えてきた会沢が奮起する姿は、若手選手だけだけではなく、同学年の秋山にも影響を与えるはずだ。(Full-Count編集部)