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助っ人→外国人スカウトに転身 在籍18年…元守護神の楽天愛、そして星野氏への思い

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経験が導いた視点と補強戦略の核心

 楽天の国際スカウトを務めるダレル・ラズナー氏とデリック・ホワイト氏。長年にわたり外国人補強を支えてきた2人のうち、本稿ではラズナー氏に焦点を当てる。現役時代は精密な制球力と闘志あふれる投球で存在感を示し、2013年の球団初のリーグ制覇では17セーブを挙げる守護神として貢献した。現在はスカウトとして、再び頂点を狙うチームを支えている。2014年に現役を退きスカウトへ転身。自身の経験から、日本野球の特質を「展開の速さ」と「選手の総合力」と断じる。

「日本でのプレーは、私に野球という競技の新たな側面を教えてくれました。一言で言えば、それは “it’s a much faster game(より展開の速い野球)”です。機動力やコンタクト能力が高い選手がそろい、緻密な戦略にもとづくスピード感あふれる野球。こうした緻密で隙のない環境は、選手を“more well-rounded(より総合力の高い選手)”へと進化させてくれます。日本のコーチングスタッフは驚異的で、選手を全方位的に成長させてくれます。私自身、日本に来る前よりも、日本を離れるときの方が投手として、そして人間としてより完成された存在になれたと実感しています」

 スカウティングで重視するのは技術だけではない。「変化し、文化に適応する能力」を重視する姿勢を明確にする。

「日本の文化を快く受け入れ、学ぶ意欲があるかどうか。スマートで教養があることを重視しています。例えば、今年獲得した2人のドミニカ人投手のように、他国でのプレー経験がある選手は、新しい環境への適応という面で大きな強みを持っていると考えています」

 今季編成では先発ローテーション強化を最優先に掲げた。その方針のもと獲得した2人の右腕に対する評価は明確である。

「まずホセ・ウレーニャですが、彼は実績十分でプロフェッショナルな投手です。とにかく負けず嫌いのナイスガイで、毎日誰よりもハードに練習に取り組みます。彼を獲得した一番の理由は、その経験と『周りを助けたい』という強い意欲にあります。ピッチングの質も非常に高く、彼なら必ずチームを助けてくれる、そう確信しています」

 一方でロアンシー・コントレラス投手については将来性を評価する。

「ウレーニャに比べるとまだ若く、少し荒削りな部分もあります」としつつも、「彼もまた素晴らしい成功体験を持っていて、持っているボールの力は抜群です。ベテランのウレーニャと、若さのあるコントレラス。この2人がそろうことで、チームに非常にダイナミックな勢いが生まれるはずです」と期待を寄せた。

18年目の原動力と星野氏から受け継ぐ精神

 2009年の入団から18年目。立場は選手からスカウトへ変わったが、チームへの献身を支える根幹は変わらない。その原動力は「ロイヤリティ(忠誠心)」にある。

「ここ(楽天イーグルス)は『ファミリー』です。ファンも、スタッフも、皆が家族のように自分たちを温かく受け入れてくれました。

私は『忠実であれ』と育てられてきました。誰かが自分に忠誠心を示してくれたなら、自分もそれを全力で返し、報いたい。東北のファンの皆さんもそうでした。私たち家族をとても大切にしてくれたのです。だからこそ、デリックと私は毎日話をしています。『もっと良くなりたい、この組織が勝つのを助けたい』と。私たちの目標はただ一つ、再び東北にチャンピオンシップを持ち帰ることです」

 記憶に最も刻まれている存在として挙げたのが、2013年に共闘した星野仙一元監督である。同年、守護神として優勝に貢献した経験が現在の原点となっている。

「あの年、私たちは星野監督のもとで一丸となって戦っていました。星野監督というリーダーが私たちを導いてくれた。彼のためなら、私は勝つためにどんなことでもしたでしょう。彼は常に私たちに敬意を払い、親切に接してくれました。もちろん妥協を許さない厳しさはありましたが、常に公平でした。だからこそ、心から信頼できたのです。

私にとって星野監督は、まさに『チャンピオン』であり『競争者』の象徴です。グラウンド上の彼は凄まじい闘争心を持った『戦士』そのものでしたが、一歩外に出れば一転して『親切な紳士』でした。今季のチームには当時のように若い選手とベテランが混ざり合い、互いをサポートし合う雰囲気があり、2013年と似たような手応えを感じています。あの時、星野監督とともに追い求めた情熱を再び東北に、という想いが、今の私のスカウト活動を突き動かしているのです」

 最後にファンへの思いを語った。

「東北のファンの皆さんは、日本、そして世界で最高のファンだと私は思っています。私や私の家族にとても親切にしてくれました。2013年に優勝できたのも、ファンの皆さんのおかげです。私たちはファンの皆さんの応援から力をもらっています。スタジアムが活気にあふれ、皆さんの興奮を感じるとき、私たちは皆さんのために勝ちたいと強く思うのです。今年もぜひスタジアムに足を運んでください」(「パ・リーグ インサイト」高木隆)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)