ドジャースは2025年のワールドシリーズを制し、オフにはエドウィン・ディアス投手を補強するなど、3連覇へのチーム整備を隙なく行っている。スター選手を多く揃える“乱獲”には批判の声もあがるが、その裏で、今季は特に“低コスト”の選手が奮闘。補強と育成という2つの軸が成功しているからこそ、2年連続で世界一になれたとも言える。
ドジャースは近年多数のスターを抱え、高額な年俸を支払っている。後払いの形式によって1年の年俸総額を減らしているものの、今季のぜいたく税(超過金)は30球団最多、そして史上最高額となる1億6937万5768ドル(約264億8200万円)を支払った。
一方でそれらのスター選手に目一杯投資できるのも、“低コスト”で活躍する選手が多くいることが理由の一つともいえるだろう。今季でみれば佐々木朗希投手は、「25歳ルール」に該当したためマイナー契約からスタート。3月の開幕直前にメジャー契約に変わったが、今季はリーグ最低保証の年俸76万ドル(約1億1900万円)でプレーした。終盤からはリリーフに回り、プレーオフでは欠かせない存在となった。
米データサイト「コッツ・ベースボールコントラクツ」によると、同じく今季76万ドルでプレーしたのが、ジャック・ドレイヤー投手だ。今季3月の東京シリーズでメジャーデビューを果たした。シーズンでフル回転を見せ、67試合で3勝2敗、防御率2.95と安定した投球を披露した。
また、今季は自己最多の71試合に投げて12ホールド、防御率3.18を記録したアンソニー・バンダ投手は100万ドル(約1億5600万円)と、成績からすれば“格安”。終盤から先発ローテーションに入ったエメット・シーハン、ブルペンを支えたベン・カスパリアスとエドガルド・エンリケス、27本塁打のアンディ・パヘスはいずれも80万ドル(約1億2500万円)以下の年俸でプレーした。
大物の補強と、若手の発掘&育成という両面での成功が、強豪ドジャースを作り上げている。(Full-Count編集部)