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東北の小6逸材が“豪快アーチ” 新打法で開花…スイング軌道を変えた元プロ監督の助言

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楽天Jr.の正捕手・七戸陽向がバットで勝利に貢献

 元プロ野球選手の監督のアドバイスを受け、打撃が確固たる武器になった。NPB12球団などが小学生のジュニアチームを結成して日本一の座を争う「NPBジュニアトーナメント KONAMI CUP 2025」に出場した東北楽天ゴールデンイーグルスジュニアは、初日の26日に行われた四国アイランドリーグplusジュニア戦(横浜スタジアム)で大量得点し、9-4と快勝した。打撃力が課題だったチームだが、口火を切ったのは正捕手・七戸陽向(しちのへ・ひな)選手(6年=青森・野内ヤンキース)のバットだった。

 四国ILジュニア戦の3回、楽天ジュニアは打者11人の猛攻で一挙8得点を奪った。先頭打者だった七戸くんは二塁打を放ってチャンスメークし、再び回ってきたこの回2度目の打席では豪快な2ランを放った。

 七戸くんは試合後、「ベースを回っている時は頭が真っ白になった。かえってきたらみんなが迎えてくれて嬉しかったです」と本塁打のシーンを回想した。もともと長打力には自信があったが、寺岡寛治監督のアドバイスを受けてさらに自信を持ってバットを振れるようになったという。

「打った後に右足(軸足)を回すように言われて、それを意識して練習したらスイングの軌道が良くなりました」。“新打法”を実践し、大舞台で綺麗な放物線を描いた。

 寺岡監督にとっては小学4年時から楽天イーグルスアカデミーで指導する“愛弟子”だ。「もともといいものは持っていたけど、体が一回り大きくなって、キャッチャーとしての能力も含めてすべてにおいてレベルアップしている」と成長を認める。七戸くんも「いっぱいご飯を食べました」と笑顔。夕食時に多い日は白米を茶碗4杯ほど食べるという。

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実力を磨き「憧れられる存在になりたい」と語る【写真:加治屋友輝】

捕手として攻守ともに磨いて「憧れられる存在になりたい」

 捕手としては投手との会話や配球面を気にかけて、大舞台でリード。「打撃も守備もどっちも大切にしています」と胸を張る。目標とする捕手を問われても具体的な名前を挙げず、「今は自分の実力を磨いて、憧れられる存在になりたいです」と頼もしい言葉を放った。

 寺岡監督は大会前、「なぜか東北の子は、関東などの子と比べて打撃面が弱い。解けない謎です」と口にしていた。今大会に向けては「打てないのは分かっていた」と腹をくくり、「16チームで一番というくらい」犠打の練習に取り組んできた。

 本番でも送りバントやスクイズを多用した一方で、左の大砲・齋藤悦生選手(6年=宮城・広瀬スポーツ少年団)にも本塁打が飛び出すなど、幅広い攻撃を展開。27日の阪神ジュニア戦に敗れ、決勝トーナメント進出は断たれたが、東北の意地は確かに見せつけた。(川浪康太郎 / Kotaro Kawanami)