開幕戦で昇格組クレモネーゼの番狂わせに屈したが、その後はレッチェやボローニャを退けて2連勝を飾ったミラン。日本時間21日、難敵ウディネーゼとの対戦へ敵地で臨むと、クリスティアン・プリシッチが2ゴールを挙げるなど全ての得点に絡むパフォーマンスを見せ、3-0の勝利へ導いた。
そんなミランについて、『ダゾーン・イタリア』の解説陣が新番組「VAMOS!」で分析を行っている。番組では、セリエAで3年目のシーズンを迎えたプリシッチのパフォーマンスをこれまでと比較。昨シーズンまでの1試合平均得点が0.3ゴールであったのに対し、今シーズンは公式戦5試合で4ゴール1アシスト、1試合平均0.8ゴールと大幅に向上していることを伝えた。
解説陣の元ブラジル代表MFエルナネス氏は「彼はミランのチェスボードにおいてクイーンだ」と評価し、その理由を説明して絶賛した。
「彼は最も完成された駒なんだ。彼はチャンスメイクができるうえ、フィニッシュにおいても決定的になれる。スタッツがそれを証明している。加えてキングを守る役割にも適した最も重要な駒だ。非保持の際に献身的なプレーを見せ、2点目のシーンにおいては、ボールを奪って半アシストを記録した」
元イタリア代表DFのチーロ・フェラーラ氏は、エルナネス氏のチェス論について「それではキングは誰なんだい? (ルカ)モドリッチかい?」と尋ねた。元ブラジル代表MFは「キングはアッレグリだよ」と明かしたうえで、「だが今後はナイト2駒によるサポートが必要になるだろう」と語り、他の選手による協力の必要性を指摘した。
「ナイトとは、異なるプレーができるという意味だ。相手のラインを飛び越せるようなプレーを指している。この2人がボールを支配しながら予測不能なプレーをすれば、相手のバランスを崩せる。チーム全体でポジションを上げ、一息つくこともできる」
その後、司会者のマルコ・ルッソ記者が「ではナイトは誰になる?」と確認すると、エルナネス氏が解説した。「ナイトはモドリッチと(アドリアン)ラビオさ。2人はボール保持やテクニック、戦術眼で、常にラインの間をかいくぐるプレーを見つけることができるんだ」。フェラーラ氏は「この例えは素晴らしいね。さすがだ」と感心して賛辞を贈った。
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続いて番組では、プリシッチ、ラファエウ・レオン、モドリッチの中で「誰がミランのスター選手か?」との疑問を提起した。フェラーラ氏はプリシッチを選択している。
「モドリッチは計り知れない選手であり、これ以上、言葉で語る必要すらないほどだ。だがプリシッチは、イタリアへやって来た数少ない米国出身の選手であり、当たり前とは言えないほどの並外れたインパクトをセリエAで残した。それにプリシッチにはまだ将来がある。だからプリシッチがスターだ」
エルナネス氏も「私も賛同する」と続き、「レオンは将来、このポジションにつく可能性がある。だが現在、彼にはプリシッチのような継続性がない」と理由を説明した。さらに今シーズン、プリシッチがよりゴールに近いポジションで起用されていることに触れ、「アッレグリは選手の適正ポジションを見つけることができる」との点に注目した。
元ブラジル代表MFは「クイーンはチェスのテーブルの中央に置くべきなんだ」と語り、「彼はサイド寄りでプレーもできるが、ゴール付近の方がパフォーマンスは向上する」と強調してアッレグリの元で結果を出しているプリシッチを推した。
また『ダゾーン・イタリア』の番組「Fuoriclasse」では、ミランOBのマッシモ・アンブロジーニ氏がモドリッチやラビオ、ユスフ・フォファナら中盤の選手のパス回しでチャンスメイクした3点目のシーンを解説してアッレグリのチームを称賛している。
ミランOBは、司会者のディレッタ・レオッタ氏に「このミランは、カップ戦がないことも踏まえるとスクデットを獲得できるか?」と問われると見解を示した。
「いや、レオンが(ウディネーゼ戦に)いなかったことも考慮するべきだ。昨夜、ウディネーゼは枠内シュートがなかったが(マイク)メニャンもいなかった。インテルとナポリの方が強いとの私の考えは変わらない。だが昨夜の試合を見て、ミランの動きは読みづらくなったという印象を受けた。これは対戦相手にとってさらなる問題となるだろう。(他のライバルは)ミランに気を付けるべきだ」
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同じくOBのクリスティアン・ヴィエリ氏は「ラビオの補強は大きかった」とミランの補強を評価している。するとアンブロジーニ氏も「ラビオは極めて強い選手だが、モドリッチは魔法のような選手だ」と語り、新戦力2人の重要性を強調した。さらにヴィエリ氏はミランでコーチを務める友人のベルナルド・コッラーディによる逸話を紹介している。
「コッラーディは『モドリッチがたばこをくわえてプレーしているようだ』と話している。40歳の現在も、彼は別格なんだ。フェノーメノ(怪物)やフオリクラッセ(規格外の選手)は他の選手よりうまいんだよ」
「40歳であっても、最もうまい選手なんだ。実際、カゼミーロや(トニ)クロース、クリスティアーノ・ロナウドら世界最強選手に囲まれて10年間レアル・マドリードでプレーしていたんだ」
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