現役時代の大部分を下部組織から過ごしたローマで送り、2020年1月にボカ・ジュニオルスで引退を迎えたダニエレ・デ・ロッシ。その後、指導者へと転身すると、2024年1月に古巣ローマの指揮官に就任し、チームの立て直しに成功した。翌シーズン以降の契約延長も勝ち取ったものの、2024-25シーズンの開幕からわずか4試合で解任の憂き目に遭い、再びローマに別れを告げた。
現在、ジェノアの指揮官となったデ・ロッシは、日本時間30日に行われるセリエA第17節において、敵将としてスタディオ・オリンピコに帰還する。そんな42歳のローマ出身指揮官が『ダゾーン・イタリア』のインタビューで元イタリア代表MFマッシモ・アンブロジーニ氏との対談で古巣について語ってくれた。
「現在の自分は順風満帆ではあるが、いまになって(ローマでのことを)残念に思う。ローマが現在、私が想像していた通りの目覚ましい成績を収めつつあるからだ。選手の中には1年目は苦戦しがちだが、2年目になってブレイクする者がいる。このまま補強を続ければ、3年目にはスクデットを争えるようになるだろう。私は強いチームだと考えていたが、そう信じたわれわれはおかしくなかったんだ」
当時について「会長らはサッカーの技術面において私の言葉を信用していた。私に自由を与え、私の選択を信じ、3年契約を決める前には私に質問し、意見交換もしていた。その点において(監督という)役職に関してみんなからリスペクトがあった」と明かしたデ・ロッシ。だが2024年9月、電撃解任という結末を迎えた。
「その後、ひびが入ってしまったことは残念だ。私とスタッフにとってふさわしくない出来事だった。解任の準備ができているなんてことはない。時期も9月と非常に早かった。私は内部で誰かを裏切ったことはなく、やましいところはなかった。自分がローマの街で持つ“力”を利用して自分を守り、選手と対立するようなこともなかった。自らを裏切れば、ローマで成し遂げたことをこれほど誇れなかったはずだ」
デ・ロッシは11月6日、パトリック・ヴィエラの後任としてジェノアの指揮官に就任した。セリエA第17節では、スタディオ・オリンピコで古巣との対戦に臨む。ローマ出身のロマニスタの指揮官は、自身の立場に複雑な思いを抱いている。
「ジェノアの指揮官になって、ローマやラツィオとの対戦を確認した。試合が待ちきれないというわけではないが、好奇心がわく。私は人生において、子どもの頃から、下部組織に所属していた頃から、毎日のようにローマの勝利を望んでいた。選手になってからは燃えるように、指揮官になってからは熱狂的に勝利を望んでいた」
「何より笑ってしまうのは、この私が1日ではなく、1週間にわたってローマを負かすために取り組みを行わなければならないということだ。この人生において、ローマにとって全てがうまく行くこと、勝つことを願っていたのにね」
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