2025年のJ1リーグは最終盤を迎え、優勝争いと並行して残留争いも熾烈を極めている。特に今季は特殊な状況にある。2026/27シーズンのシーズン移行を前に行われる「明治安田Jリーグ百年構想リーグ」は昇降格がない特別な大会。つまり、今季J1に残留した場合は1.5シーズンをJ1で、J2に降格した場合には同期間をJ2で過ごすことが確定する。各クラブにとって残留か降格かが例年以上に大きな意味を持ってくるわけだ。
本記事では、最新の順位表と降格ライン、残留条件を整理しながら、最終盤の残留争いを分析する。
| 順位 | クラブ名 | 勝ち点 | 得失点 |
| 15 | ファジアーノ岡山 | 41 | -9 |
| 16 | 名古屋グランパス | 40 | -10 |
| 17 | 横浜F・マリノス | 37 | -5 |
| 18 | 横浜FC | 32 | -18 |
| 19 | 湘南ベルマーレ | 26 | -30 |
| 20 | アルビレックス新潟 | 23 | -26 |
残留争いは徐々に戦況がはっきりとしてきた。
10月25日にはアルビレックス新潟がヴィッセル神戸と引き分け降格が決定すると、翌26日には湘南ベルマーレもアビスパ福岡に敗れて残留の希望が消えた。
残る降格枠は1枠。現時点で可能性があるのは4チームだ。
18位の横浜FC(勝ち点32)、17位の横浜FM(同37)、16位名古屋グランパス(同40)、そして15位ファジアーノ岡山(同41)の4クラブが、残り3試合で最後の“残留3枠”を争う構図となっている。
中でも厳しい戦いが予想されるのが横浜FCだ。現在勝ち点32で、残留圏の横浜FMとは勝ち点差が「5」。仮に次節横浜FCが敗れるか引き分け、横浜FMが勝った場合は勝ち点差が「9」以上に開く。そうなると残り2試合での逆転が不可能になることから降格が決定する。
横浜FCにとっては最低でも2勝が必要であり、3連勝が必須条件とも言える状況だと書いて差し支えないだろう。その上で残留圏のチームが勝ち点を落とすことを待つのみだ。
しかも次節の相手は現在首位の鹿島アントラーズ、その次が同3位の京都サンガと強敵との対戦が続く。まさに崖っぷちの状況となっている。
横浜FMは次節勝利し、横浜FCが引き分け以下なら残留が決定する。
苦しいシーズンを送ってきた横浜FMだったが、ここに来て会心の2連勝を記録。一気に残留を手元に手繰り寄せた格好だ。
名古屋グランパスとファジアーノ岡山にも降格の可能性は数字上残っている。ただし名古屋は3試合で勝ち点2を積み上げれば残留。そして岡山は勝ち点1で条件をクリアする。両チームともにかなり有利な立場にいると言っていいだろう。
横浜FCは次節でJ2降格(18位以下)が確定する可能性がある。11月8日(土)・9日(日)に行われる明治安田J1リーグ第36節において、以下の条件を満たした場合、横浜FCのJ2降格が決定する。
この条件が成立すれば、残り2試合を残して勝ち点差が「9」以上に広がり、横浜FCの18位以下が確定する。逆に横浜FCが勝利すれば、残留争いに踏みとどまることができる。
また、名古屋グランパスは次節で引き分け以上ならほぼ安全圏に到達し、ファジアーノ岡山も勝ち点1を積めば残留条件を満たす。実質的には「横浜FCがどこまで粘れるか」が残留争いの焦点になる。
アルビレックス新潟と湘南ベルマーレの降格がすでに決定し、残る降格枠は1つ。数字上は4クラブに可能性が残るが、実質的には横浜F・マリノス(勝ち点37)と横浜FC(同32)の争いに絞られつつある。
2026/27シーズンのシーズン移行を控えた今季、J1残留の意味は例年以上に重い。残留すれば「百年構想リーグ」期間を含め1.5シーズンをJ1で戦えるが、降格すれば同期間をJ2で過ごすことになる。経営的にも競技的にも、クラブの今後を左右する決断の時が迫っている。
終盤3節——。歓喜か、失意か。わずかな勝ち点差が、来季の舞台を決定づける。最後まで目が離せない戦いが続く。
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