【欧州・海外サッカー 特集&移籍情報】先日エンツォ・マレスカ監督との契約解除を発表したチェルシー(プレミアリーグ)。時期指揮官候補として名前の挙がる8人を分析する。
チェルシーは、昨年末のボーンマス戦(2-2)でもブーイングを浴びながらピッチを後にした。この結果プレミアリーグ5位まで転落。7試合でわずか1勝、首位アーセナルとは15ポイント差をつけられた。すると1月1日、エンツォ・マレスカ監督との契約解除を発表している。
昨季カンファレンスリーグとクラブワールドカップのタイトルを手にしながら、シーズン半ばでの指揮官交代。この電撃退任に関しては様々な要因が報じられており、マレスカが度重なる選手起用への干渉に不満を抱いていたとも一部で伝えられている。こうした背景から、後任人事は簡単ではないだろう。今回は、チェルシー新監督候補8選手を分析する。
遅かれ早かれ、プレミアリーグのトップチームを率いることは確実だ。2024年2月にクリスタル・パレスの指揮官に就任して以来、イングランド・フットボール界を席巻している。就任わずか半年でクラブ史上最高の勝ち点(49)を獲得し、最初のフルシーズン(53)でその記録を更新すると同時に、FAカップ決勝で強豪マンチェスター・シティを1-0で撃破。クラブ120年ぶりのタイトルをもたらしている。
しかし、グラスナーの契約は今季限り。さらに、最高レベルで自分の実力を試すことを望んでいるとも伝えられている。とはいえ、それまでに彼がパレスを離れることはまずないだろう。そしておそらく、チェルシーにいくことはない。昨夏のマーク・グエイのリヴァプール移籍は、彼が激怒したことによって破談に終わったとされている。チェルシーで絶え間なく繰り返される移籍騒動に耐えられるわけがないだろう。
チェルシーが監督に求める資質をすべて備えている。若く(38歳)、戦術面で先進的な指導者であり、具体的なプロジェクトの枠組みの中で働く力もある。コモ指揮官に就任して以来、セリエA復帰に導いただけでなく、今ではイタリアで最も魅力的なチームの1つとしての地位まで確立してみせた。また現役時代にチェルシーに5年間在籍し、2度の優勝を達成したことからも、ファンに歓迎されるはずだ。
だが、彼がコモで大きな発言権を持つ(セスクは株主でもある)一方で、チェルシーでは同レベルの権限は与えられないだろう。また、コモがクラブ史上初の欧州カップ戦出場権獲得へ順調に進んでいることから、シーズン中の退任は考えにくい。いずれはプレミアリーグに戻ってくるだろうが、1月にそれが起こる可能性は低そうだ。
チェルシー3度目の指揮は、ランパードにとってあまり意味がないようにさえ思えるが……このクラブはそうした理論の外にある。2019年に初めて就任、2023年4月には暫定指揮官として戻ってきた。今はコヴェントリー・シティで再び評価を高めているが、将来的な復帰の可能性は否定できないのだ。それがチェルシーである。
しかし、タイミングは微妙だ。コヴェントリーは現在チャンピオンシップ首位、2位に8ポイント差をつけており、2001年以来となるプレミアリーグ復帰は目前だ。また、チェルシーファンは今も彼を愛しているが、3度目のチャンスを与えることには消極的に見える。夏であるならばともかく、冬の移籍は考えにくい。
中立的な視点から見れば、群を抜いて最も刺激的な候補者だ。デ・ゼルビは戦術的観点から現代フットボール界で最も興味深い監督の一人であり、ペップ・グアルディオラさえも彼を支持している。ブライトン時代は見る者すべてを魅了し、現在はマルセイユで手腕を発揮。リーグ・アンで3位につけ、チャンピオンズリーグ決勝トーナメント進出も十分に射程圏内だ。また、チェルシーがデ・ゼルビの仕事を高く評価していることも周知の事実。2024年夏にマレスカを監督に任命する前に、彼と面接を行っていたことも発覚している。
問題は、デ・ゼルビが非常に強い自己主張を持ち、自らの仕事に対する完全な支配権を求め、決して自分の意見を恐れない点にある。彼の性格はチェルシーに全く合わないと思われる。ただ、魅力的な選択肢であることは間違いない。
少々意外な選択肢ではあるが、信頼できる情報筋によれば有力候補の一人だ。この若さ(36歳)で、長年イタリアのトップレベルの指揮官と評価されてきた。GKコーチとしてキャリアをスタートさせたが、トルコ(ファティ・カラギュムリュク、アランヤスポル)、フランス(ニース)、オランダ(アヤックス)での経験を経て、現在はポルト(ポルトガル)で指揮を執っている。また、彼の師はデ・ゼルビであり、チェルシーが関心を示すのは自然な流れだ。
しかし、彼はアヤックスでフットボール史に残る歴史的な「大失敗」を犯し、未だタイトルを勝ち取ったことがない点は留意すべきだ。そしてアヤックスを去った理由は、継続的な成功におけるオーナー陣との「ビジョンと時間軸の相違」である。チェルシーは適切な環境とは言えないかもしれない……。
2024年夏の就任も十分にありえた。イプスウィッチを2年連続昇格でプレミアリーグ復帰に導いたばかりの彼には、チェルシー以外にもマンチェスター・ユナイテッドなどが接触している。しかしイプスウィッチでの指揮を続けると、19位で降格の憂き目に遭ったが、今なおその評価は高いままだ。
したがって、マッケナはチェルシー指揮官の有力候補だ。予想される様々な問題に怯えていたならば、昨夏に面談すら受けていないはずである。しかし、マッケナが自身を信じてくれたイプスウィッチをあっさり去るような人物には見えない。いずれトップチームを率いることは確実だが、1月に引き抜くとしたら相当な努力が必要になりそうだ。
イラオラは火曜夜、ボーンマス指揮官としてスタンフォード・ブリッジにいた。そしてその直後に、チェルシー指揮官として再びスタンフォード・ブリッジに立つ可能性はあるのだろうか?
2023年夏にボーンマス指揮官に就任した際、プレミアリーグ関係者には全くの無名な存在だった。だが、これまで2度クラブ史上最多勝ち点を獲得、今やトップリーグ屈指の指揮官と評価されている。過去数シーズンで複数の主力選手の売却を強いられてきたが、未だにボーンマスはプレミアリーグで最も魅力的なチームの1つである。これはイラオラの手腕によるものだ。
ボーンマスはアントワーヌ・セメンヨの売却が決定的となっており、再び主力を手放す状況で、イラオラがプレミアリーグ屈指の強豪からのオファーに誘惑されるのは無理もない。ボーンマス側は明らかに望んでいないが、チェルシー上層部がしっかりと対価を支払い、引き抜く可能性は十分にあるだろう。
最も明白で、有力な選択肢だ。現在チェルシーの姉妹クラブであるストラスブールを指揮。2024年7月の就任から、初年度でリーグ・アンを7位で終えて欧州カップ戦出場権を獲得すると、今季もカンファレンスリーグでグループステージ首位通過を達成。素晴らしい手腕を発揮している。
チェルシーサポーターは、プレミアリーグでの指揮経験がなく、ハル・シティを「退屈なフットボール」を理由に事実上解任となった41歳に疑問を持つだろう。しかし今のストラスブールを見れば、その評価は変わるはずだ。さらにグループ内で非常に高く評価されており、以前から次期指揮官としての期待を集めていた。現役時代にサイドバックとしてチェルシーでプレーした経験があることから、スタンフォード・ブリッジの体制に問題は感じないだろう。今後数日以内に指揮を執る、最有力候補と言って間違いない。