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「野球の練習しないと」西武低迷の“シンプル”な理由 72歳コーチが目指す改革

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大迫幸一氏が「ハイパフォーマンス・コーディネーター」に就任

 オフの積極補強が注目されている西武が、トレーニング部門にもテコ入れを断行している。新設された「ハイパフォーマンス・コーディネーター」に就任したのは昨年、オイシックスでトレーニングアドバイザーを務めていた大迫幸一氏だ。

 72歳の大迫氏は、2002年から2011年まで西武でトレーニングコーチなどを務めており、15年ぶりの復帰となる。昨秋キャンプから野手陣の「フィジカル強化」を打ち出している西口文也監督の強い要望もあり、復帰が実現。昨年9月の2軍戦でオイシックスが遠征してきた際、広池浩司球団本部長が打診し、一気に話が進展したという。

 大迫氏に課されたミッションは、専門であるトレーニング部門スタッフの指導や育成がメインとなる。西口監督の要望は「もう少し全体的に厳しくしてほしい」とシンプル。秋季キャンプからの「フィジカル強化」は継続しながら、チーム全体の練習量をどう増やしていくか、そのアレンジをしていくのが主な仕事となる。

 また、外部から招へいされたコーチやスタッフが増えてくると指示系統が曖昧にもなるケースも少なくない。1軍から3軍を巡回し、チーム全体の連携を高める「潤滑油」としての役割も、72歳の熱血漢には期待されている。

 大迫氏は昨年11月末の契約後、全てのストレングス&コンディショニング(S&C)コーチ、鳥越裕介ヘッドコーチら首脳陣全員と面談を行った。多くのコーチが今のチームに「練習量が足りていない」と共通認識を抱きながら、“外様”の立場ゆえの遠慮などからそれを改善できずにいるのが見受けられたため、大迫氏が「コーディネーター」という自由な立場から問題点を洗い出し、連携の改善に取り組むのが狙いだった。

「(何をするべきかは)それぞれ分かっているんだけど、やらせてもらえない状況があったりする」と大迫氏は語ると、2月から始まる春季キャンプに向けてこう続けた。

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西武のハイパフォーマンス・コーディネーターに就任した大迫幸一氏【写真:伊藤順一】

大迫氏が指摘した課題「走るなんて当たり前のこと」

「フィジカル強化って恥ずかしいよね。中学生かって(笑)。走るなんて当たり前のことです。だから低迷しているんじゃないですか。まずは(1シーズン)試合に挑むための練習量を作らないといけない。先にウエートではなく、野球の練習をしないと」と大迫氏は指摘する。

「極端な話、キャンプ序盤の午前中は軽くアップをした後に全体でみっちりランニングメニューをする。午後から野球の練習をするでもいいんだよ。ランニング量が少ないから怪我をするんですよ。そういう時代といえばそうかもしれない。でも、それでお金をもらっているんだから、逆に(選手から)文句を言われるぐらいやってみろと。基本は走ること。走って体作りをしない限りは、ウエートもクソもない。走ることで全てを連動させるんですよ。それが嫌われるのは一番辛いことだから」と、胸に秘めた思いを熱弁した。

 また、かつて西武に在籍していた涌井秀章投手(中日)を通して親交を深めていたダルビッシュ有投手(パドレス)を例に出し「ダルビッシュだって多少は走ってましたよ。(自分の考えに)共感してくれる部分はあった」と、走ることの大切さを説いた。

 数々の選手の成長を後押ししてきた大迫氏は「急に厳しくしたって今の子はついてこない。すぐそっぽを向かれますよ」とコミュニケーションの重要性に言及。「だから常にユーモアを持って選手を飽きさせないように工夫しながら、声で背中を押してあげて、苦しい練習にどう向き合わせるか。そこがS&Cの腕の見せ所でしょ」と期待を込めた。

 72歳の熱血コーディネーター復帰が、若い選手が多い西武にどんな影響を与えるか。練習改革がもたらす効果に期待がかかる。(伊藤順一 / Junichi Ito)