■ヤクルト 2ー0 DeNA(16日・神宮)
DeNAの勝又温史外野手が16日、神宮球場で行われたヤクルト戦の6回に代打で登場し中前打を放った。プロ8年目、野手としては5年目のシーズンで「明日があるかわからない立場」と勝負を賭け、必死の毎日を送っている。
5回まで、チームは松本健の前に散発2安打に抑え込まれ、3回以降は1人の走者も出ていなかった。6回無死、代打の勝又が初球のフォークを拾う。打球は詰まりながらも中前で弾んだ。得点には結びつかなかったが「初球から行こうと決めていたので、結果に繋がって良かったです。次は芯に当てて飛ばしたいです」と笑った。
2018年ドラフト4位で入団したときは投手だった。しかしイップスに陥り1軍登板がないまま2021年オフに戦力外となり、野手に転向した。昨年5月に初出場を果たして初安打もマークしたが、約1か月で2軍降格。結局は7試合に出場したのみだった。
そして今季、4月11日に1軍に昇格すると、12日の広島戦にスタメン出場して3打数1安打1打点で初めてお立ち台に上がった。やっと、努力が報われた。“練習の虫”と呼ばれる25歳は「(ヒーローになったことを)ファームのコーチとかも喜んでくださって、もっと頑張ろうと思いました。たくさん見てくれているし、みんなが笑顔になってくれるのはうれしいので、結果で恩返ししたいなと思います」。改めて周囲に感謝し、喜びを噛み締めた瞬間だった。
競争激しいプロの世界で、勝又は言う。「明日(チャンス)があるか分からない。今日チャンスをもらえたこともそうですし、いつチャンスが来るか分からないので、それに向けて全力で準備するだけです」。そのハングリー精神が生み出した泥臭い安打は、敗戦の中でキラリと光っていた。
みんなが笑顔になった
苦労人・勝又温史
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(町田利衣 / Rie Machida)