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涙の数だけ強くなる 吉本ひかるが惜敗の過去と決別| 明治安田生命レディス | JLPGAツアー

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涙の数だけ強くなる 吉本ひかるが惜敗の過去と決別| 明治安田生命レディス | JLPGAツアーDAZN
【明治安田生命レディス 】激しい優勝争いとなったシーズン第2戦、トロフィーを掲げたのは"勝てそうで勝てない"と言われた吉本ひかるだった。苦悩を乗り越え歓喜の瞬間を迎えた。
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JLPGAツアーの2023シーズン第2戦「明治安田生命レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメント」(高知県・土佐カントリークラブ)は12日に最終ラウンドを行った。単独首位で出た吉本ひかるが通算19アンダーで突入したプレーオフを制し、初優勝。黄金世代12人目のツアー優勝者になった。

苦悩が報われる渾身のクラッチパットだった。ささきしょうことのプレーオフ2ホール目、先に10mのバーディパットを迎えた。「とにかくショートさせない」。強気の一打がカップに吸い込まれと152cmの身体で思わずピョンと跳ねた。身を包む大歓声の中、グリーン脇に家族がいる。最後まで崩さなかった笑顔が涙に変わった。

感情が揺れ動いた一進一退の最終日。2打差の2位から出たささきに序盤から並ばれ、9番のボギーで逆転を許した。「前半はバーディがとれずに辛かった」。それでも笑顔を絶やさなかったのは、惜敗を重ねた過去の自分と決別すると決めていたから。11番の第2打をピタリとつけて初バーディを奪うと、盛り返した。15番から2連続バーディを奪い、最後は首位の座を譲らなかった。

試合会場で涙を流した過去は何度もある。2019年の「フジサンケイレディス」、首位から出た最終日に申ジエ(韓国)の猛チャージにあい、逆転負け。同年の「日本女子プロゴルフ選手権」は2位で迎えた最終日に「80」の大叩き。情けなくてクラブハウスで号泣した。次々と同学年のスター選手が誕生する。焦りばかりが募った。

勝てそうで勝てない選手−。そんなレッテルとともに21年からドライバーのミスへ恐怖感を抱くようになった。曲げるのが怖くて飛距離が落ちる悪循環に陥った。20-21シーズンの平均飛距離は215.32yd。19年から15yd以上も低下した。賞金シード権を喪失した。

どん底から這い上がる過程の中で多くの支えを実感した。コーチ、トレーナー、そして家族。1歳上の姉でマネージャーとして帯同する百花(ももか)さん。かつて姉妹でプロテスト合格を目指したが、競技を断念し、吉本の選手生活を支える道を選んでくれた。いつも一緒にいてくれた。「辛い時期の方が多かった。良いときも悪いとき側で支えてくれた家族に感謝したい」。涙声で言葉を紡いだ。

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