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【動画】インドネシアが見せた“究極のフェアプレー”の意味と価値。日本代表は“強敵”に辛勝を収め、準決勝へ進出|AFCフットサルアジアカップ

渡邉 知晃
【動画】インドネシアが見せた“究極のフェアプレー”の意味と価値。日本代表は“強敵”に辛勝を収め、準決勝へ進出|AFCフットサルアジアカップ(C)AFC
【フットサル日本代表 レビュー】フットサル日本代表は4日、AFCフットサルアジアカップクウェート2022の準々決勝でインドネシア代表と対戦し、3-2で勝利した。元日本代表・渡邉知晃が分析する。
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4日、AFCフットサルアジアカップで3大会ぶりの優勝を目指す日本代表は、準々決勝でインドネシアとの激闘を3-2で制してベスト4進出を果たした。インドネシアリーグでのプレー経験と、2014年大会のアジアカップ優勝メンバーである元日本代表・渡邉知晃が熱戦を分析する。

流れを引き寄せた若きドリブラー・原田快

20221005-futsal-asiacup-japan-2(C)AFC

インドネシアは強かった。この試合を見て、そんな印象を抱いた人も多かったのではないだろうか。立ち上がりから身体能力の高さを生かした攻撃と、ボールを奪ってからのスピードのあるカウンターで日本を苦しめた。日本もいくつものチャンスをつくり出したもののゴールを陥れることができず、スコアレスで試合を折り返した。

第2ピリオド、開始早々に先制点を挙げたのはインドネシアだった。キックオフからボールを保持していた日本が、自陣でのパスミスからゴールを決められてしまう。日本にとって、非常に嫌な失点の仕方であり、流れを渡してもおかしくなかった。

実際、追いかける日本が攻め込みながらも、インドネシアの体を張った守備を崩しきれずに時間だけが経過していた。さらには時折カウンターのピンチを招くシーンもあり、リードをさらに広げられそうになる、ヒヤッとする場面もあった。

日本がスコアを動かせないまま10分以上が経過し、残り8分30秒になったタイミングで、木暮賢一郎監督が動く。グループステージ最終戦、ベトナム戦は出番がなく、この試合もプレータイム0秒だった18歳の若きドリブラー・原田快を投入したのだ。「得点を取りに行くぞ」というチームへの明確なメッセージだった。

原田は試合後「流れを変える役割があるので、それをしなければいけない」と語ったように、攻撃面で戦況を打開するために投入されたことを本人も理解していた。

それゆえのプレーだった。33分、右サイドからカットインで中に切り込むと、相手がクリアしようと触れたボールが左サイドの金澤空の元へ。金澤がダイレクトで放ったシュートをゴール前の清水和也がスルーすると、ゴレイロの股下を抜けてネットに吸い込まれた。待望の同点弾の起点になったのは、原田の積極的な仕掛けだった。

そして日本は、インドネシアが失点により浮き足立ったわずかな隙を見逃さなかった。得点直後のキックオフからプレスに行き、吉川智貴が相手のパスを引っ掛けると、こぼれたボールに反応した水谷颯真が得意の左足でフィニッシュ。今大会2本目となるミドルシュートを突き刺し、日本はあっという間の逆転劇を演じてみせた。

出場機会がわずかであっても、自身の役割を理解し、監督の期待に応えて得点の起点を生み出した原田のプレーは素晴らしかった。そして、先制を許した場面で不用意なパスミスを犯してしまった水谷が自らゴールを取り返したことも大きかった。

残り5分となったところで、インドネシアはパワープレーを開始。これまでアジアカップの全試合でパワープレーを受けている日本は、落ち着いて対処していた。

迎えた39分、相手のシュートをキャッチしたピレス・イゴールが正確なパントキックでパワープレー返しを決めた。試合終了間際にコーナーキックから失点を喫したため、結果的にはイゴールのこの得点はなにより価値の大きなものに。今年で42歳となった頼れる守護神が、守備だけではなく攻撃でも魅せ、日本を勝利に導いた。

インドネシアが示した究極のフェアプレー

20221005-futsal-asiacup-japan-3(C)AFC

この試合でどうしても伝えたいことがある。インドネシアのフェアプレーだ。

35分、日本が自陣でボールを奪ってカウンターを開始。清水が中央をドリブルで持ち上がって右へパスを送り、金澤がフィニッシュに持ち込む。しかし、シュートはゴレイロに右足で防がれ、こぼれ球を拾ったインドネシアに“逆カウンター”を受けてしまう。上村充哉がボールホルダーに寄せたが、左にパスを出され、日本人内で1対2の局面をつくられてしまった。失点を覚悟するような決定的なピンチだった。

しかし、日本陣内には、直前のプレーで足を痛めた石田健太郎が倒れこんでいた。これを見た左サイドのボールホルダー、インドネシアの7番シャキウ・サウドは失速してプレーを中断し、ボールを外へと蹴り出したのだ。

清水と金澤はすぐさまシャウキに寄っていき、ハグをしてこのプレーを称えた。

ルール上、そのまま攻めていたとしても、審判が笛を鳴らして止めない限り問題はない。その時間帯のスコアは、日本が2-1という状況。つまり、インドネシアにとっては、逆転を許したばかりの終盤、絶対に同点に追いつきたい場面だったはずだ。

簡単な決断ではない。今大会、母国の史上初の準々決勝を戦っていたインドネシアは、日本を破ってベスト4へ進むことを強く望んでいたはずだ。どんなことがあってもゴールを奪う。そう考えてもおかしくはない。事実、このプレー映像はSNS上ですぐさま拡散され、日本にとどまらず、世界中から多くの賞賛の声が届いた一方で、「攻めてもいい場面だった」という意見も一定数見られた。

しかし、彼が下したプレーは紛れもないフェアプレーだ。スポーツマンシップに則った彼の判断・決断は、賞賛されるべきものである。勝負がかかり、頭も熱くなっている試合終盤に見せたことが、彼の、彼らの本質的な精神だろう。インドネシアが大事な準々決勝で示したフェアプレーは、本当に心を揺さぶられるものだった。

高橋健介コーチが、インドネシアにもたらしたもの

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インドネシアフットサルにとって「高橋健介の功績」は想像以上に大きかった。もちろん、現在のモハンマド・ハシェンザデ監督の指導力による部分も大きいだろう。しかし、リーグ戦が産声を挙げたばかりの2018年から2021年までの3年間で、“高橋健介監督”は彼らをアジアの強国と対等に戦えるレベルにまで引き上げたのだ。

筆者がインドネシアでプレーした2018年の印象では、代表チームがアジアカップで上位進出を果たすのはもう少し後になると感じていた。リーグのレベルが高くなかったからだ。現に、2018年冬に所属したビンタン・ティムール・スラバヤが来日し、立川・府中アスレティックFC(現・立川アスレティックFC)とトレーニングマッチを行なった際には、10点差以上をつけて立川・府中が勝利していた。

ちなみに、ビンタン・ティムール・スラバヤは、2022年のインドネシアフットサルリーグでチャンピオンになった国内の強豪チームである。しかし、2018年の当時の段階では、日本の国内リーグと比較してもそのレベル差は歴然だった。

高橋氏は、代表チームはもちろんのこと、インドネシアフットサルの発展のために活動を続けてきた。つまり、3年間で強化したインドネシアは、優勝候補の日本と“勝ち負け”の試合ができるほどに力をつけたということだ。日本には優秀な選手だけではなく、優秀な指導者がたくさんいることをアジアに知らしめたのではないだろうか。

準々決勝を苦しみながら制したことで、日本の“アジアチャンピオンへの道”がつながった。同日に行われた、別の準々決勝のカードでは、イランが8-1でベトナムに勝利した。やはり、今大会のイランも強い。しかし、他試合のスコアは関係ない。

筆者が出場した2014年大会のグループステージで、日本はウズベキスタンに1-2で敗れた。そのウズベキスタンは、準決勝でイランに0-10で大敗。日本が負けた相手に、イランは10点差で勝った。それでも、決勝では日本がイランに勝利を収めた。試合というのは”ナマモノ”であり、やってみないとわからないものなのだ。

日本は今大会、グループステージ初戦でサウジアラビアに敗れたショックから立て直し、ベスト4まで勝ち進んできた。敗戦の経験を教訓にして、大会を通して一つずつ試合をこなしながら、勝ちながら、成長してきた。苦しい試合を勝つ経験をすると、チームは強くなる。3大会ぶりのアジアの頂点まで、あと”2つ”だ。

文=渡邉 知晃(わたなべ・ともあき)

1986年4月29日生まれ。福島県出身。小学2年生からサッカーを始め、順天堂大2年時にフットサルに転向。BOTSWANA FC MEGURO、ステラミーゴいわて花巻、名古屋オーシャンズ、立川・府中アスレティックFC、大連元朝足蹴倶楽部(中国)でプレー。日本代表として国際Aマッチ59試合出場・20得点、Fリーグ2017-2018シーズン得点王(45得点)、通算323試合出場・201得点など数々の実績を残し、2020-2021シーズン限りで現役を引退。子供への指導のかたわら、フットボールライターとして執筆業にも挑戦中。

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