エラーコード %{errorCode}

セリエA

【コラム】終わりを迎えたレオナルド・ボヌッチのユヴェントス物語…指揮官との対立と矛盾、トリノでの足跡を振り返る | セリエA【PR】

ORAZIO ACCOMANDO
【コラム】終わりを迎えたレオナルド・ボヌッチのユヴェントス物語…指揮官との対立と矛盾、トリノでの足跡を振り返る | セリエA【PR】GETTY
【欧州・海外サッカーニュース】36歳のレオナルド・ボヌッチは今夏、マッシミリアーノ・アッレグリ指揮下で構想外となり、老貴婦人に別れを告げる時がやって来た。2010年のユヴェントスでのデビューを皮切りに、ボヌッチが歩んだトリノでの12シーズンを振り返ってみよう。

レオナルド・ボヌッチとユヴェントスの大きな愛の物語は、ついに終わりを迎えた。ミランでの1年間を挟み、12シーズンにわたってユヴェントスで過ごした主将が別れを告げることになる。クラブやチームの構想外となる選手を放出するというユヴェントス指揮官マッシミリアーノ・アッレグリの意向は極めて明確だ。

だが、アルトゥールやウェストン・マッケニー、デニス・ザカリア、マルコ・ピアツァ、ルカ・ペッレグリーニといった選手たちの退団は十分に予測できたことであるが、ボヌッチとの別れは、その発表のタイミングややり方を見ても、物議を醸すものがあったと言えるだろう。

退団の決定は、ボヌッチがトリノへ戻る数日前、新フットボールディレクターのクリスティアーノ・ジュントリ氏らによって本人に伝達された。ユヴェントスでクラブ歴代6位にあたる通算502試合出場を記録した背番号19番のキャリアを振り返ってみよう。

L'esultanza di Bonucci contro la LazioGetty

13年前のデビュー戦

レオナルド・ボヌッチは、2010年7月29日のUEFAヨーロッパリーグ(UEL)予選のシャムロック・ローヴァーズ戦でジョルジョ・キエッリーニとセンターバックのコンビを組んで先発し、ユヴェントスでのデビューを飾った。のちにクラブの黄金期を築くことになるアントニオ・コンテがやってくる前年のことで、ルイジ・デルネーリ率いるユヴェントスは2010-11シーズン、2年連続となる7位の成績に終わった。

コンテの監督就任により、ボヌッチは翌シーズンから守備の要となる。ジャンルイジ・ブッフォン、アンドレア・バルザーリ、レオナルド・ボヌッチ、ジョルジョ・キエッリーニにより構成された“BBBC”の守備は、ユヴェントスの歴史の一部となった。ボヌッチはコンテ指揮下において、通算112試合に出場、3度のスクデット獲得と、2度のスーペルコッパ・イタリアーナ優勝を果たした。

アッレグリの到来、指揮官との対立

2014年夏、すでにプレシーズンの合宿が開始した後でコンテが電撃退任。7月16日、マッシミリアーノ・アッレグリの指揮官就任が発表された。ユーヴェは、アッレグリの1年目において、スクデットとコッパ・イタリアのタイトルを獲得し、UEFAチャンピオンズリーグでは、決勝でバルセロナに敗れて2位の成績を残した。ボヌッチは、アッレグリ指揮下の2014-15シーズン、52試合に出場した。

ユヴェントスはイタリアにおいて覇権を築き、ヨーロッパにおいても主役の座を演じた。ボヌッチ自身も、アッレグリにとって不可欠な存在となっていた。だが2017年2月17日、パウロ・ディバラの活躍により4-1と勝利を収めたパレルモ戦において、2人の間で口論が勃発する。

ボヌッチは、疲労の見えたクラウディオ・マルキージオの交代を要求。するとアッレグリは、ユーヴェDFの振る舞いをよく受け止めず、互いを侮辱する言葉が飛び交った。指揮官は、試合後も断固たる姿勢でボヌッチを批判。「黙ってプレーをするべきだ。彼は間違いを犯した。そして私も彼に対して間違いを犯した」と語った。

Leonardo Bonucci in azione con la maglia della JuventusGETTY

2人の対立は翌日以降も尾を引き、何かが壊れ始めた。アッレグリは、ポルトのホームで行われたUCLラウンド16の第1戦において、ボヌッチをベンチから外した。ユーヴェDFがスタンドの丸椅子から試合を見守る中、アッレグリのチームは2-0と勝利を収めた。

ユヴェントスはこの年、アッレグリ指揮下で2度目となるUCL決勝進出を果たしたが、6月3日の決勝に敗れ、またしてもタイトル獲得を逃した。ユーヴェは前半、レアル・マドリードを相手に素晴らしいパフォーマンスを見せたが、1-1のスコアで前半を終えると、ハーフタイムの間に何かが壊れた。

ピッチに戻ったユーヴェは、明らかにいらだった様子を見せ、後半だけで3点を奪われてジネディーヌ・ジダンのチームに屈した。原因としてハーフタイム中の不和、特にボヌッチとアッレグリの間の口論が囁かれた。誰もが否定していたが、ユーヴェのロッカールーム内で何かが壊れたことを予感させるものだった。

ミラン移籍とわずか1年でのユーヴェ復帰

UCL決勝からわずか40日ほどで、ボヌッチはミランの新主将に就任した。4000万ユーロ(約62億円)の移籍金でミラノへ新天地を求めたDFは、2022年までの5年契約を結んだ。

2018年3月31日、ボヌッチは古巣ユヴェントスと対戦。ハカン・チャルハノールのコーナーキックに頭で合わせて、ミランでの2得点目をマークした。ユーヴェのサポーターが陣取るクルヴァの目の前でゴールセレブレーションを行ったボヌッチには、古巣のファンからブーイングが浴びせられた。

2017-18シーズンは、ボヌッチにとっても、ミランにとっても期待外れの1年となった。だがボヌッチは、この1年間で自身の意思を明確にし、ユヴェントスへ戻ることを決断。2018年夏、アッレグリと和解のうえでユヴェントスへ復帰した。この移籍に伴い、ユヴェントスからマッティア・カルダーラがトレード要員としてミランへ移り、ゴンサロ・イグアインもレンタルでミラノへ向かった。

Leonardo Bonucci difensore della Juventusgetty

2018-19シーズン、ボヌッチは再び、アッレグリ指揮下における代えの利かないレギュラーとなった。このシーズンはリーグ戦とカップ戦を合わせて41試合に出場し、スクデットも獲得した。だがUCLでは、アヤックスに敗れてベスト8敗退に終わり、当時のアンドレア・アニェッリ会長は、アッレグリを解任し、マウリツィオ・サッリを招へいすることを決断した。

ユヴェントスは、改革の2シーズンに突入したが、サッリも翌年に解任。後任のアンドレア・ピルロ指揮下では、コンテ率いるインテルにセリエA10連覇を阻まれ、イタリアにおける覇権に終止符が打たれた。こうしてアニェッリ会長は、マッシミリアーノ・アッレグリを呼び戻すことを決めた。

そんなアッレグリは、就任会見において、ボヌッチを巡るユーヴェの序列について説明。「ボヌッチを副主将に? ユーヴェにおいて重要なのは出場数と継続性だ。序列において、キエッリーニの次は(パウロ)ディバラだ。レオは腕章が欲しければ、自分で買って広場でサッカーをすれば良い」と冗談ながらに皮肉を述べた。

年齢とフィジカルの問題

1年遅れで開催されたEURO2020では、イタリア代表の主力として優勝に貢献したボヌッチ。ベテランDFがアッレグリにとっても不可欠な存在であることに変わりないはずだった。だが、レオにとって年齢という問題が重くのしかかり始める。ふくらはぎのケガや筋肉系のトラブルのために試合の欠場を余儀なくされ、2021-22シーズンの公式戦出場は34試合、そのうち先発出場は28試合だった。

そして2022-23シーズン、ボヌッチがピッチに立つことはほとんどなかった。アッレグリは、フィジカルトラブルに見舞われたボヌッチをユーヴェの中心から外した。公式戦出場は26試合、そのうちセリエAは16試合と、ユーヴェの主将にとって複雑な1年となった。

出場時間がわずか1分の試合は2回、さらに出場が3分間、7分間のみの試合もあった。それでもボヌッチは文句を言うことなく、チームのために尽くしていたように見えた。

しかし、2023年4月26日のコッパ・イタリア準決勝の第2戦、ユヴェントスはインテルに1点のリードを許し、アッレグリは68分、ボヌッチに代えてダニーロを投入することを決断する。すると、ついにユーヴェ主将は不満を態度で示し、その様子は中継カメラに映し出された。

ユーヴェDFは試合終了後、「交代枠を無駄にしないために待って欲しいと伝えた。監督の采配に口を出したことはないし、そんなことはするつもりがない」と釈明に追われた。

ボヌッチの将来は?

2022-23シーズンを無冠で終えたユヴェントス。ボヌッチは代表合宿において自身のシーズンを振り返りつつ、「試合に出られないことは誰にとっても良くない。この先の数週間で自分自身の評価を行うつもりだ」と述べ、自身の去就を巡る状況についての考えを明かした。

Danilo e Bonucci sconsolati, Monza-Juventus Serie A TIM 2022/23GETTY

だが、先に評価を下したのは、ユーヴェだった。ボヌッチはユーヴェの2023-24シーズンの構想から外れることが決まった。ボヌッチ自身は、トリノへ戻ってからアッレグリとの直接対話を望んでいたはずであり、新ディレクターからの通達は、予想していないものだった。

これまでアッレグリとの対立が囁かれてきたボヌッチ。だが矛盾したことに、キャリアで通算247試合と最も多くの試合で彼を起用したのは、まさにアッレグリだった。

36歳DFは、新天地が決まるまでの間、ユーヴェの練習拠点のコンティナッサで待機し、今夏の米国ツアーにも参加しない。

今夏のユヴェントス退団が決定したボヌッチを巡っては、すでにローマやラツィオが動き始めた。ジョゼ・モウリーニョは、かねてよりボヌッチを高く評価しており、マンチェスター・ユナイテッド時代にもユーヴェDFの獲得を望んでいた。UCLでの対戦を終えたモウリーニョは「彼とキエッリーニは、ハーバード大学で教えるべきだ」などと語ったことがある。

また、ラツィオのサッリも、ユヴェントスで指導し、47試合で起用したボヌッチに対する評価が高い。さらに元同僚でもあるアンドレア・ピルロが指揮官に就任したセリエBサンプドリアや、イタリア国外への移籍も考えられる。

そんな中、唯一、確かなことは、2023-24シーズンがボヌッチにとって現役最後のシーズンになるということだ。2年前に優勝したEUROの舞台で有終の美を飾ることを願っているはずだ。

関連記事

【インタビュー】守備の名手ネスタ氏が持論「私は横浜でもゴールを決めた。誰だってFWをやりたい。DFはさせられるもの」トレゼゲ氏とミランやユーヴェの将来も語る | セリエA

DAZNについて

DAZNなら好きなスポーツをいつでも、どこでもライブ中継&見逃し配信!今すぐ下の記事をチェックしよう。

●  【番組表】直近の注目コンテンツは?
●  【お得】DAZNの料金・割引プランは?