バルセロナがGKマルク=アンドレ・テア・シュテーゲンに激怒しているようだ。スペイン『ムンド・デポルティボ』が報じている。
バルセロナは先に腰部を手術したテア・シュテーゲンに対して、診療報告書をラ・リーガに提出することへの同意を求めたものの、同選手がサインを拒否。スペインにおいて選手が診療報告書の提出を拒否した前例はなく、大きな騒動となっている。
バルセロナはドイツ代表GKの振る舞いを驚きでもって受け止めるとともに、大きな憤りを感じているようだ。
ラ・リーガにおいて所属選手が長期離脱となったクラブは、当該選手の給与80%分を人件費から除外可能となるが、T・シュテーゲンがこのまま診療報告書の提出に同意しなければその可能性は失われことになる(なお長期離脱と認められるのは、ラ・リーガの医療部門が診療報告書を確認して4カ月以上の離脱と判断した場合のみ)。バルセロナはドイツ代表のGKの長期離脱によって浮いた人件費で、新加入のGKジョアン・ガルシア、または契約を延長したGKヴォイチェス・シュチェスニーの選手登録を行う意向とされていたが、その選択肢を取れないことによって、現在起用可能なGKで戦力外のイニャキ・ペーニャのみとなっている。
バルセロナは自クラブに甚大な被害を与え得るT・シュテーゲンの振る舞いに激怒している模様で、懲戒手続きを開始するとともに、主将の座を剥奪する考えとされる。スペイン『TV3』は、ハンジ・フリック監督がT・シュテーゲンから第一キャプテンの座をすでに剥奪していると報じたが、『ムンド・デポルティボ』がコンタクトを取ったクラブ関係によるとまだ実際的な行動は取っておらず、アジアツアー終了後の練習再開日となる7日から実行に移していくという。
バルセロナのT・シュテーゲンに対する怒りは相当なもので、『ムンド・デポルティボ』曰く「もう1分たりともキャプテンでいさせる考えはない」とのことだ。
加えてスペイン『マルカ』によれば、バルセロナはテア・シュテーゲンの承認なしで診療報告書を提出する可能性を模索したようだが、ラ・リーガ側はそうした医療情報は当該者の承認なしで受け渡しができないことを強調している模様。またスペインフットボール選手協会(AFE)は、データ保護法においても選手が医療情報をクラブやラ・リーガなどに共有する義務はなく、バルセロナの懲戒処分が不当であるとの見解を示しているようだ。
バルセロナは今夏、テア・シュテーゲンを正GKから第3GKに格下げして、人件費捻出のためにも放出対象として扱っていく考えとされていた。その一方でT・シュテーゲンはバルセロナに徹底抗戦する構えで、腰部の手術を行う際には離脱期間がラ・リーガで“長期離脱”とならない3カ月になることを、クラブとコンセンサスを取らないまま明言している。
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