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【コラム】スールシャールに代替プランはない…茨の道はまだまだ続く | 粕谷秀樹のNOT忖度 | マンチェスター・ユナイテッド | プレミアリーグ

読了時間 5分
2020-1217-Ole-Gunnar-Solskjær (C)Getty Images

往年の‟らしさ“を取り戻したようにも

おとそ気分が抜けていないってことではない。

視力が極端に悪くなったわけでもない。

プレミアリーグ16試合を消化した段階で、 マンチェスター・ユナイテッド が首位 リヴァプール を視界にとらえている。勝点33で肩を並べ、得失点差で8劣るだけだ(編集部注/1月4日にリヴァプールが サウサンプトン に0-1の惜敗。得失点差は7に縮まった)。これは紛れもない現実だ。

とりわけ攻撃が充実している。33得点はリヴァプールの37に次いでリーグ2位。1試合平均ゴールは2・06。16試合消化時点のデータでは、ルイス・ファン・ハールが率いていた2014-15シーズンの1・81、翌シーズンの1・31を大きく上回っている。

また、ジョゼ・モウリーニョ(現 トッテナム 監督)体制の初年度である16-17シーズンが1・38、解任された一昨シーズンが1・75なのだから、数字のうえでは往年のユナイテッドらしさを取り戻したようにも感じられる。ちなみにデイヴィッド・モイーズ(現 ウェストハム 監督)が7ヶ月だけ指揮官を務めた13-14シーズンは1・56だった。

ただ、手放しで喜んでいいものだろうか。率直にいって、 ブルーノ・フェルナンデス 依存は深刻だ。ユナイテッドのサポーターが選ぶ月間MVPでも、クラブが抱える問題が明らかになっている。

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新型コロナウイルスの感染拡大で中断を余儀なくされた4月と5月を除く10ヶ月間で、B・フェルナンデスは8回も受賞していた。

昨年1月の加入以降、公式戦46試合・27ゴール・16アシスト(2021年1月1日時点)。まさしく八面六臂の大活躍だ。サウサンプトンやウェストハムに引分けたり、FAカップ準決勝の チェルシー 戦に1-3で敗れたり、B・フェルナンデスが連戦の疲れからコンディションを崩した昨シーズン最終盤のユナイテッドは、まったく機能していなかった。

「ブルーノが欠場したとき、あるいはコンディションがすぐれなかったとき、われわれのパフォーマンスはガクッと落ちる」

ルーク・ショー も認めざるをえなかった。

残念ながら名将と伍す器ではない

したがってユナイテッドはB・フェルナンデスしだいであり、彼にアクシデントが生じた際の代替プランを用意しなくてはならない。

しかしオーレ・グンナー・スールシャール監督は、プランBどころか、Cも用意していない。昨シーズン同様、来る日も来る日もB・フェルナンデスにすがりつく。もし、この男が長期欠場を余儀なくされたら、どのように振る舞うつもりなのだろうか。

スールシャールの準備不足は責められてしかるべきだ。

2019年12月の着任以降、公式戦のデータは115戦66勝22分27敗・勝率五割七分四厘(1月1日現在)。115試合で72勝だったモウリーニョ(勝率六割二分六厘)に劣るものの、悪くない数字だ。

トラブルメーカーの ポール・ポグバ とも良好な関係を保っている。 ロメル・ルカク アレクシス・サンチェス の放出も大正解であり、モウリーニョの縛りに辟易としていたショー、 アントニー・マルシャル を解放したのだから、スールシャールはクラブ内で支持されている。

ただ、ユナイテッドの監督である以上は、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)では少なくとも常時ベスト8に進出し、プレミアリーグでは毎シーズンのように最終盤まで優勝争いしなくてはならない。 マンチェスター・シティ のペップ・グアルディオラ、リヴァプールのユルゲン・クロップ、 エヴァートン のカルロ・アンチェロッティ、 リーズ のマルセロ・ビエルサといった名将と伍す器でなくてはならない。

残念ながらスールシャールは、その次元に達していない。チーム構成上の大前提ともいうべきゲームプランの落とし込みが、あまりにも不十分だ。くどいようだがB・フェルナンデスありきで、好不調の落差が激しすぎる。

CLのライプツィヒ戦に1-3で敗れた後、公式戦は5勝2分無敗。この好調に「覇権奪還か」との声も聞こえてくるものの、大黒柱の フィルジル・ファン・ダイク を欠いても首位を走るリヴァプールとは、地力の差が小さくない。

ビジネス臭が強すぎる上層部も考え方を改める必要がある。新監督候補に挙げられていたマウリシオ・ポチェッティーノが パリ・サンジェルマン の監督に就任したため、しばらくはスールシャールが続投する予定だが、この2年を踏まえると不安が期待を超えてくる。

茨の道はまだまだ続く。

文・粕谷秀樹

1994年、日本スポーツ企画出版社刊の『ワールドサッカーダイジェスト』編集長に就任。その後、同社の編集局次長を務め、01年に独立。以降、プレミアリーグやチャンピオンズリーグ、情報番組、さらに月平均15本のコラムでも、エッジの利いた発信を続ける。東京・下北沢生まれ。

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