前回大会の覇者イタリア代表のロベルト・マンチーニ監督は、EURO2024予選の開幕を前に「攻撃陣に深刻な問題を抱えている。多くの選手が負傷離脱しており、レギュラーでプレーする選手がいない」と警鐘を鳴らした。
そんな中、新生アッズーリのメンバーに抜てきされたのが、アルゼンチン出身の23歳マテオ・レテギだった。ボカ・ジュニアーズから期限付きでティグレに加入し、ゴールを量産しているレテギ。母方の祖父がシチリア出身である関係上、イタリア国籍も保有することから、イタリア代表への招集が可能となった。
マテオ・レテギは、昨年2月から所属するティグレにおいて、今シーズンのリーグ戦6試合ですでに6ゴールをマークするなど、見る者すべてを虜にしている。そんなブエノスアイレス州サン・フェルナンド生まれの若手FWが、EURO2024予選へ向けてイタリア代表へ招集されると、地元アルゼンチンメディアも、その知らせを我先にと報じた。
(C)Getty images
リーベル・プレートの下部組織出身のレテギは、2016年にボカ・ジュニアーズに移籍。2017-18シーズン、ギジェルモ・バロス・スケロット指揮下でトップチームに昇格すると、2018年11月17日、パトロナート戦の試合終了間際にカルロス・テベスに代わってピッチに立ち、デビューを果たした。だがボカでは十分な出場機会を得ることができず、レンタル先で武者修行を積むことになる。
レテギは2019年1月、エストゥディアンテスへ期限付き移籍。1年半にわたるラ・プラタでのプレーにおいて、29試合に出場し、5ゴールをマークした。
2020年10月、再びレンタルで今度はコルドバのタジェレスへ加入。2シーズンで61試合に出場、7ゴール4アシストをマークしたが、所有元のボカへ戻るとまたしても構想外となり、2022年2月、現在所属するティグレへと再びレンタルに回った。するとレテギは、ついに才能を開花。わずか1年ほどでクラブ通算51試合に出場、29ゴールをマークしている。
レテギは身長186センチ、80キロと強靭なフィジカルを持ったFWで、空中戦に非常に優れている。また、父親は、2016年リオデジャネイロ・オリンピックで金メダルを獲得したホッケー・アルゼンチン代表監督のカルロス・レテギ氏。父親が“エル・チャパ”と呼ばれていることから、息子のマテオは、“チャピート”の名前で親しまれている。
| 年齢(生年月日) | 23 歳(1999年4月29日) |
| 国籍 | アルゼンチン |
| 身長 | 186 cm |
| ポジション | センターフォワード |
| 利き足 | 右 |
| 契約期間 | ボカ・ジュニアーズと2024年12月31日まで |
| 市場価値 | 800万ユーロ(約11億円) |
レテギとイタリアの関わりは、今回が初めてではない。2020年8月5日、元イタリア代表のフランチェスコ・トッティ氏が営むマネージメント会社と契約を結んでいる。元ローマのレジェンドは以前、SNSにおいてレテギに言及。「アルゼンチンからやってきた類まれな才能と交渉を行っている。強い、強い、強いFW。破壊的な選手だ。誰かに横取りされてしまうから名前は言えない」と絶賛している。
(C)Getty Images
レテギはその後、『TyC Sports』のインタビューにおいて、その舞台裏を明かしている。
「自宅にいたところ、会社から連絡をもらい、『フランチェスコが僕と話をしたがっている。会いたがっている』と言われた。翌日にビデオ通話をしたよ。彼のような重要な人物が僕のことに気づいてくれたなんて光栄だし、計り知れないほどにうれしい。素晴らしい出来事だったよ。彼が僕のエージェントでいてくれて幸せだ。僕の家族のことまで全部知っていた」
なお、レテギは現在、トッティ氏の会社から離れ、父親のカルロス氏が代理人を務めている。
文・カルロ・カリッロ/イタリア人ジャーナリスト、『ダゾーン・イタリア』ソーシャルメディアマネージャー
● マンチーニが呼び寄せた新生イタリア代表の若き逸材たち…ニョントからフラッテージ、セリエBから飛び級メンバーも | ネーションズリーグ
DAZNなら好きなスポーツをいつでも、どこでもライブ中継&見逃し配信!今すぐ下の記事をチェックしよう。