セリエAを席巻する若手指揮官対決ともなったクリスティアン・キブ率いる3位インテルと、セスク・ファブレガス率いる5位コモによる一戦。セリエA最強との呼び声が高いインテルに対し、リーグ戦11試合無敗で破竹の勢いを見せるコモの挑戦とあって注目が集まったが、ふたを開けてみれば4-0でインテルの大勝に終わった。
ここまで1試合につき1失点までしか記録していなかった堅守コモの大敗。指揮官のファブレガスは「非常に重たい結果だ。ただ、技術的な面でインテルとの間に大きな違いは感じなかった」と自身の印象を明かしつつ、敗戦を糧として今後の成長を約束した。
「チームは今日をきっかけに大きく成長できるだろう。結果が重要であり、私は負け犬でバカかもしれない。だが勝っていて『君は最強だ。フェノーメノ(怪物)だ』などと言われる時はあまり成長しない。大敗した時の方が成長して学び、全てをより正当に評価できるんだ」
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そんな中、『ダゾーン・イタリア』の解説陣が「Fuoriclasse」の番組内でインテルの完勝を分析している。ユヴェントスOBのクラウディオ・マルキージオ氏は、昨シーズン終盤のパルマでの指揮を評価され、今夏、インテルを託されたOBキヴの手腕を称えた。
「インテルは最もクオリティのあるトップチームであり、近年は常に最強チームと言われてきた。長年にわたって良い成績を収めた(シモーネ)インザーギの座を受け継いだキヴの功績を認めるべきだろう」
「チームが高齢化し、若返りするべきだと言われる中でインテルのアイデンティティやクオリティを維持している。そしてコモを相手に違いを見せつけた。コモは非常に重要なシーズンを送っているが、インテルはクオリティとパーソナリティで試合に勝利し、ビッグクラブであることを示したんだ」
「キヴにとって簡単ではなかったはずだ。彼はインテルで優勝を重ね、チームの環境はよく知っているだろうが、(セリエAの監督として)経験はそれほど豊かではない。インザーギが去ったの後の大変革において、これほどのインパクトを残すとは想像していなかったよ」
イタリア人ジャーナリストのアンドレア・マリノッツィ氏は、中盤の要であるハカン・チャルハノールに賛辞を送りつつ、インテルの攻撃を評価した。
「チャルハノールはインテルのボール支配にぴったりなんだ。彼は最終ラインに下がって4バックになり、ビルドアップに参加する。インテルはプレッシャーをかいくぐってのプレーが特別だ。インテルに対してプレスをかける時はミスをしないようしっかり意識しなければならない。小さなミスを犯せばパスを通されてしまい、圧倒されて苦しむことになる」
続いてイタリア人記者は、ルーマニア人指揮官が導入した新たなプレス法を解説。新進気鋭のコモに対して画期的な攻略であると指摘している。
「キヴがもたらした新たな要素とは、中継で(アンドレア)ストラマッチョーニが指摘したように(ピオトル)ジエリンスキ、ラウタロ(マルティネス)、(マルクス)テュラムによるゴールキックへの対応だ。これは新たな時代に突入したと言える」
「(イタリアサッカー連盟の施設のある)コヴェルチャーノの講習では『プレスをかけるときは1人多い人数で』とよく言われている。インテルは3人のフィールドプレーヤーで、コモのDF2人とGKにプレッシャーをかけにいった」
「そこでコモはたまらずに(シュテファン)ポッシュをディフェンスラインに呼び寄せている。インテルはこうしてコモの選手を1人多く相手陣内に残すようにさせたんだ。これは理論上の話としてよく語られていたことだが、実際にはあまり見かけたことがなかった。非保持のシーンにおけるインテルの極めて勇気あるプレーだ」
元インテル指揮官のストラマッチョーニ氏が「この分析に付け加えておきたいことがある」と解説を続けた。コモのジャン・ブテやパルマの鈴木彩艶のようにビルドアップを得意とするGKの近年の台頭により、キヴがコモ戦で披露した新たな対策が生まれたと指摘している。
「この新たな変化の直前には、現代サッカーにおけるGKの役割の変化があった。現在、2種類のGKが存在する。コモのブテのように足元のプレーを得意とし、“ジョキスタ(プレー主義者)”と呼ばれるGKと、ゴール前でのセーブを得意とするGKだ。もちろん理想は両方できるGKだがね」
「いずれにしてもブテのようなGKが求められる傾向にあり、キヴが強調した点は重要だ。プレスをかける場合、もはや相手を10人と計算してはならない。ブテやエデルソンのように世界中に素晴らしいビルドアップのクオリティを持つGKがいるが、その場合は選手を1人多くプレスに上がらせてリスクを負う必要があるんだ」
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ストラマッチョーニ氏は、キヴの奇策によってコモは序盤から大きな困難に直面したことを強調している。
「コモのベンチは試合開始から20分間、混乱に陥った。ファブレガスは可能ならタイムアウトを要求してチームを再編成したいところだっただろう。これは完全に新しい変化であり、コモに極めて大きな問題を作り出した。(11分の)インテルの1点目に関してはクオリティに優れ、キヴがよく準備していたと言える。インテルは試合を通して常にサイドバックの裏を狙っていた」
ナポリOBのチーロ・フェラーラ氏は、インテルがスコアレスドローに終わったナポリ対コモ戦を参考として入念に準備していた成果であると指摘した。
「コモはクオリティに優れているだけでなく、かなりプレスを仕掛けにくるチームだ。ナポリ戦のコモは、パーソナリティの面や強豪を相手とした襲い掛かり方に関して完璧だった。したがってインテルはこうした特徴を踏まえて適切なアプローチで試合を迎えたのだろう。それにあのような技術的クオリティがあるので、最初のプレスをかわせば広大なスペースを見出せる。コモから4ゴールを奪ったチームは他にないはずだ」
だがマルキージオ氏は、キヴの戦術がクオリティに秀でたインテルであるからこそ成り立つものであると強調している。
「プレスの話に戻るが、勇気のいるある種のプレーを見せるにはクオリティも必要だ。プレスをかわすためだけではなく、プレスをかけるにもクオリティが求められる。中には適切な選手がおらず、土台がないにもかかわらず、特別なプレーに挑戦しようとしてひどいものを見せる監督がいる。彼らはまず一定のバランスを見出さなければならないはずだ。だがキヴならそれができる。インテルはイタリア最強のチームだからね」
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