どうだろう、この眺めは。チェルシーとフルミネンセの選手たちがフィールドに迎えられる様子と、世界に名高いニューヨークのスカイラインを同時に楽しめるのはスタンド上層のファンにのみ許された壮麗な光景だった。
サッカーは時に残酷だが、合計8ゴールを分け合った両チームがどちらも絶望に打ちひしがれるという状況は滅多に見られない。FCポルトとアル・アハリがメットライフで4-4という忘れがたい一戦を戦い終えたあと彼らに待っていた運命だった。
ジョン・アリアスは第1回クラブワールドカップのスター選手の一人となった。イースト・ラザフォードのスタンドを埋めた大勢のフルミネンセファンに向けて幼い娘を紹介する場面も。
病気のため世界大会で最初からインパクトをもたらすことはできなかったキリアン・エムバペだが、才能は不滅。大会屈指のスーパーゴールによって彼はそのことを示した。ボルシア・ドルトムントを下した準々決勝の激戦の中で決めた派手なボレーは長く記憶に残るものとなる。
南米大陸にとって各クラブのファンは誇れる存在だった。“ヴェルドン”のサポーターも例外ではない。グループステージのアル・アハリ戦では彼らの色と声がメットライフを埋めた。
チェルシーに加入してわずか1週間後、ジョアン・ペドロはメットライフで鮮やかな2ゴールを挙げてブルーズをクラブワールドカップ決勝へ導いた。少年時代から所属し愛着を抱き続けてきた古巣フルミネンセがその相手であったことは彼にとって複雑な思いも感じさせた。
82分の時点では、レアル・マドリードはボルシア・ドルトムントに余裕の勝利を収めるかと思われた。そこから3ゴールとレッドカード1枚、さらにアディショナルタイムのスーパーセーブが試合を大きく盛り上げ、ファンは座席から総立ちとなった。
ディオゴ・ジョタの悲劇的な死がサッカー界に影を落とした。感情が高ぶる中で、レアル・マドリードからゴールを奪ったゴンサロ・ラモスはポルトガル代表のチームメイトだった男のセレブレーションを再現して追悼の思いを示した。
FIFAワールドカップ決勝も行われる会場で、すべてのサポーターが自分たちのチームを応援する体験を楽しむことができた。
最高の力を発揮したPSGは準決勝でレアル・マドリードを4-0と粉砕。ウスマン・デンベレのシュートが容赦なくティボー・クルトワを破り、欧州王者が歴史的勝利を決定づけた。
フルミネンセがどこで戦おうとも、大音量の応援とトリコロールが尽きることはなかった。4強まで勝ち進んだチームをファンは後押しし続けた。
絶好調PSGが欧州の王座に世界タイトルも加えると予想された状況で、チェルシーにはヒーローが必要だった。名乗りを上げたのはコール・パーマー。前半のわずか21分間で2ゴールと絶妙なアシストを記録し、クラブワールドカップ決勝を自らの試合とした。2026年にもスリー・ライオンズの一員として再びメットライフを沸かせるのだろうか?
クラブワールドカップ決勝は単なる90分間の試合ではなく、4時間以上におよぶエンターテインメントの祝典となった。試合前やハーフタイムの派手なショーではロビー・ウィリアムズやクリス・マーティンらがファンを盛り上げ、花火もニュージャージーの空を彩った。
クラブワールドカップは、予想外ではあったがチャンピオンにふさわしいチームの戴冠で幕を下ろした。チェルシーが優勝を祝う場面はサッカーが持つ独特の力を思い出させるとともに、メットライフで1年後に繰り広げられる戦いへ期待をさらに高めるものとなった。