一方のコーナーに立つのはペップ・グアルディオラ。自らのやり方でサッカーの歴史を変えた象徴的存在として君臨する男。もう一方のコーナーにはシモーネ・インザーギ。FCインテル・ミラノでトロフィーを集め、欧州屈指の名将となったイタリア人監督。
国内での栄誉に加えて、インザーギはインテルを3シーズンで二度のUEFAチャンピオンズリーグ決勝にも導いた。その一度目はグアルディオラの率いるマンチェスター・シティと対戦して0-1で惜敗。続いて先月にはミュンヘンでパリ・サンジェルマンと戦ったが、0-5の大敗に終わってしまった。
イスタンブールでの激突はインザーギとグアルディオラの監督としての初対戦だった。好勝負となった一戦はインテルがチャンスを決められず、シティはチャンスを物にする。68分にロドリが決めた一撃が勝負を分け、シチズンズが初のチャンピオンズリーグ制覇を成し遂げた。
決勝では一歩及ばなかったものの、その経験はインザーギとチームの自信を大きく高めた。翌シーズンにはセリエAを支配し、クラブにとって20度目となる栄冠を手に入れる。
グアルディオラとインザーギの二度目の対決が実現したのは直近シーズンのチャンピオンズリーグだった。エティハドで行われたリーグフェーズの試合は、チェスのような攻防の末に0-0のドローで終了。チャンピオンズリーグ決勝で敗れてシーズンを終えたあと、インザーギはインテルと袂を分かってアル・ヒラルへ移った。
インザーギは、やはり“ブルー・ウェイブ”でも即座にインパクトをもたらした。新たに率い始めたチームでレアル・マドリードCFと激戦を演じて1-1のドローに持ち込み、同じく欧州勢のFCザルツブルクともドロー。そしてCFパチューカに2-0の見事な勝利を飾ってラウンド16のチケットを確保してみせた。
「自信はあったが、これほどすぐにインパクトをもたらせると期待していたわけではない」。インザーギはマンチェスター・シティ戦に向けた記者会見でそう語った。「選手たちを称えつつ、これから非常に重要なゲームが待っていると念を押した。成長に繋がるのはこういう場面だ。世界最高の16チームに入ることが我々の目標だった。次も全力を尽くすし、まだ止まることは考えていない」
「指導の第一歩を踏み出す監督は、誰もがペップ・グアルディオラを参考にしようとする。彼はまさに見習うべき模範だ。彼以前と彼以後では明確に違いがあると思う」
「彼の言葉を嬉しく思うが、私を褒めてくれる者はいつも私を倒すことになってしまうようだ」。グアルディオラは笑顔で答えた。「シモーネはインテルで素晴らしい仕事をしていた。クラブにいた期間中に二度のUEFAチャンピオンズリーグ決勝へ進んだ。彼らが前回勝てなかったのはおそらく熾烈なタイトル争いと長いシーズンを終えたあとだったからだ。いま彼はアル・ヒラルで素晴らしい仕事をしている。守備は固く、崩してゴールを奪うのは簡単ではないし、非常に優れた選手が何人かいる。だがこれはクラブワールドカップの16強であり、彼らのようなクオリティの相手と激突することは予想できていた」
「今の我々は非常に良い戦いができている。ユヴェントスとの試合で、このチームにいる選手たちが今でもああいうパフォーマンスをできることを見せられて嬉しく思う。こういう戦いを続けて、同じようなレベルのパフォーマンスを何度も見せていかなければならない」
互いに賛辞を送り終え、オーランドのキャンピング・ワールド・スタジアムでは血なまぐさい死闘が繰り広げられることになる。インザーギが今度こそリベンジを果たすのか、それともグアルディオラがまた新たなタイトル獲得に向けてチームを前進させるのだろうか。