ダルトン・スミスが英国ボクシング界で最も興味を惹くプロスペクトに成長したことには、異論がないだろう。
26歳のスミスはすでにスーパーライト級の英国王座を保持する。いずれ世界タイトルへ挑戦して欲しいという期待の声が多い。DAZNのインタビューに応えたスミスだが、目先の世界タイトル戦には特にこだわっていないような印象であった。
その理由の1つが、トレーナーの父グラント・スミスとの関係にある。グラントはスミスがプロになってからずっとコーナーに寄り添い続けてきた。
父親が息子に稽古をつけることはボクシングではよく見られる光景であり、親子鷹の関係が成功を生むことも非常に多い。だが、スミスと父グラントの場合は普通とは違っていた。
グラント自身はボクシングで成功したわけではなく、スミスのコーチをしながら学んでいったのだという。スミスはこの独特のパートナーシップの始まりについて語った。
「5歳の時にはサッカーをやっていたんだけど、通りにボクシングジムがあったんだ。そこで僕はボクシングを始めたんだけれど、今は父が持つ『スティールシティ』というジムになっているんだ」スミスはDAZNに対し、親子のボクシングストーリーの始まりを語った。
「僕たちはこのスポーツを同時に始めたんだ。父が仕事として学んでいたように、僕も学んでいったんだ。彼はすぐに理解していた。でも僕がジムに行き始めた頃は、父はフルタイムのコーチではなかった。働いてもいたけれど、同時にシングルファーザーだったんだ」
「父は僕と一緒に仕事をしながら学んでいって、何年にも渡って吸収していった。それが、今僕たちがボクシングのトップで成し遂げていることにつながっているんだ」
父親でもありトレーナーでもあるということは、絶妙なバランスが必要だ。家族の利益を第一に考える必要がある一方で、父性がコーチングに波及し、ファイターとしての息子に悪影響を与えてはいけない。
ジムでの親子のバランスについては、スミスは「ときどきベストではなかった」と明かした。だが、スミスとグラントは完璧なコンビネーションを見出したと考えており、それは自身が最後にグローブを置くときまで続くと語った。
「僕が引退するまでこの関係は続くと思う。父は僕のことを息子として見守ってくれているが、同時に自身を親子という関係から切り離す必要もあるんだ」とスミス。
「そういう意味で、父をコーチとしてリスペクトしているよ。簡単なことではないし、いつでもよいことばかりではないけれど、上手くいっているんだ」
「僕が引退するまで父とは普通の親子関係ではないけれど、僕らが目指しているもののためにそれは絶対に変えたくない。僕らが歩んできた道には同じような人が沢山いただろうし、これ以外の方法はないと思っているよ」
ジムでは親子関係が上手くいかないときもあるかもしれないが、息子が大きな栄誉を獲得する達成感は何事にも代えがたいものだ。スミスにとっても、自身の可能性を発揮することができれば、のちに懐かしく思い出すことができるだろう。
「この旅路を楽しんでいるんだ。タイトルを獲得するために僕と父は世界を回るだろう。キャリアを終えるときには、僕たちが来た道を振り返って、ハグしながら互いの背中を叩くことができるはずだよ」
「時々大変なこともあるけれど、変えたいとは思わないんだ」
だが、世界に歩を進める前に、スミスはスーパーライト級英国王座を防衛しなければならない。ビリー・アリントンを挑戦者に迎え、日本時間2月19日にノッティンガムで行われるこの一戦は、DAZNから生中継される。
このイベントは日本時間2月19日(日)午前4時より行われる。スミスvsアリントンの試合は午前6時頃から行われる予定となっている。
このイベントはDAZNから世界200以上の国と地域に生中継される。
このイベントは英国・ノッティンガムのモーターポイント・アリーナで行われる。
| 日時(日本時間) | カード | 詳細 |
|---|---|---|
| 2月19日(日) 4:00 | ウッド vs.ララ | WBA世界フェザー級タイトルマッチ |
| 2月19日(日) 10:00 | ネリ vs.ホヴァニシアン | WBC世界バンタム級挑戦者決定戦 |
| 2月24日(金) 11:00 | ラミレス vs.パディラ | スーパーフライ級10回戦 |
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