出場機会に恵まれない選手の移籍活性化を目指すため、2022年から始まった現役ドラフトは第4回の実施を終えた。新庄剛志監督のもとリーグ優勝を目指す日本ハムは、第2回にソフトバンクから獲得した水谷瞬外野手が“覚醒”し、チームの主力に成長を遂げている。ここでは過去3年間の移籍選手を振り返る。
第1回は古川侑利投手が、第2回は長谷川威展投手がいずれもソフトバンクへ移った。古川は1年で戦力外となり育成契約を結ぶも、2024年に2年連続の戦力外通告を受け現役を引退。長谷川は移籍1年目の2024年こそ32試合に登板も、2025年に左肘のトミー・ジョン手術を受け、同年オフに戦力外となり育成で再契約した。
第3回に巨人へ移籍した田中瑛斗投手は、2025年に62試合に登板して36ホールド、防御率2.13と大活躍。日本ハム時代は計7年間でわずか10登板だった右腕が、新天地で欠かせない存在となった。
獲得選手では、第2回の水谷が象徴的な存在だ。ソフトバンク時代は1軍出場がなかったが、移籍1年目の2024年に97試合で打率.287、9本塁打、39打点。交流戦では史上最高打率をマークして「日本生命 最優秀選手賞」を受賞した。2025年も87試合で打率.277、12本塁打、41打点と、殻を破って高いポテンシャルをいかんなく発揮している。
第1回に西武から獲得した松岡洸希投手は、1年目の2023年オフに戦力外となり育成契約に。2025年3月に支配下復帰すると、移籍後初、自身4年ぶりの1軍登板を果たした。しかし3試合で防御率6.75に終わり、再び戦力外通告を受けて育成で再契約した。第3回にソフトバンクから獲得した吉田賢吾捕手は2025年、47試合出場でキャリアハイの数字となった。
2025年の第4回は、松浦慶斗投手が巨人へ移籍し、巨人から菊地大稀投手を獲得した。菊地は2024年は1軍登板なく自由契約となり2025年から育成に。7月下旬に再び支配下を掴み、7試合の登板で防御率1.80という好成績を残しただけに、新天地で登板機会が増えればさらなる飛躍が期待される。(Full-Count編集部)