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主力が離脱も…新戦力が次々台頭 最下位から逆転V、ソフトバンク野手陣が示した底力

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選手会長の周東はベストナイン&GGのW受賞

 序盤は主力の怪我や不調で苦しんだものの、最終的にはリーグトップのチーム打率.257、551得点を記録し、ソフトバンクはパ・リーグ連覇を果たした。野手陣の活躍を振り返っていく。

 育成出身選手で初の首位打者に輝いた牧原大成内野手は、飛躍の1年を過ごした。3・4月は打率.230と苦しいスタートとなったが、5月以降に調子を上げ、8月には打率.385、18打点、3本塁打で月間MVPを獲得した。125試合に出場して自身初の規定打席に到達し、418打数127安打、打率.304、5本塁打、49打点を記録。二塁手としてゴールデン・グラブ賞を受賞し、外野でも好守を連発した。

 選手会長として2年目のシーズンを迎えた周東佑京内野手は、主に1番で起用された。昨季に手術を受けた左膝に不安を抱えながらも、開幕戦をマルチ安打で飾り、球団記録に並ぶ開幕19試合連続安打をマークした。4月下旬に死球で右腓骨を骨折し離脱したが、5月20日に1軍復帰。7月は月間打率.313、13盗塁を記録し、守備でも9月2日のオリックス戦でダイビングキャッチを披露した。96試合で打率.286、35盗塁をマークし、3年連続4度目の盗塁王、2年連続のベストナインとゴールデン・グラブ賞を獲得した。

 柳町達外野手はチーム最多となる131試合に出場した。開幕は2軍スタートとなったが、近藤健介外野手の離脱を受け4月1日に1軍昇格。4月23日に本塁打を含む3安打2打点を記録すると、打線の中軸も任されるようになった。交流戦では打率.397で首位打者に輝き、MVPを獲得。リーグ戦再開後は一時不調に陥ったものの、9月は打率.337を記録し、131試合で打率.292、6本塁打、50打点、出塁率.384をマークした。最高出塁率とベストナインの2冠を獲得した。

 野村勇内野手は開幕1軍入りも、序盤はベンチスタートが続いた。4月11日に2年ぶりの本塁打となる決勝打を放つと、5月6日には自身初の1試合4安打を達成。遊撃、三塁をはじめ内野すべてのポジションを守り、126試合413打席で打率.271、チーム2位の12本塁打、18盗塁と好成績を残した。川瀬晃内野手は5月2日のロッテ戦で、9回2死満塁から代打サヨナラ打を放ち、連敗を止めた。5月20日の日本ハム戦では伊藤大海投手からプロ初本塁打を記録。102試合224打席で打率.263、2本塁打、23打点を残した。

甲斐拓也が抜けた捕手は海野隆司捕手が105試合に出場

 中村晃外野手は、主力・ベテランの離脱が相次ぐ中で中心選手としてチームを支えた。開幕カードで近藤が離脱し、4月1日に今季初のスタメン出場。5月以降は山川穂高内野手に代わり4番を務める試合も増えた。8月26日の楽天戦では通算1500安打を達成。スタメンを外れた試合でも代打で結果を残し、経験値の高さを発揮した。

 栗原陵矢内野手は開幕直前で戦線を離脱。4月17日に今季初出場し、22日には1号ソロを含む3安打を放ったが、5月は月間打率.132と苦しみ、7月上旬には再び右脇腹痛で抹消された。8月末に1軍復帰すると好調を維持し、9月18日の日本ハム戦では同点弾を含む3安打を記録。9・10月は24試合で打率.359、3本塁打、20打点で月間MVPを獲得した。

 甲斐拓也捕手の移籍により、捕手陣には大きなチャンスが生まれた。海野隆司捕手は105試合に出場し、モイネロ投手の初完封勝利をリードするなど経験を積んだ。打撃では苦しみながらも、9月は月間打率.302を記録した。嶺井博希捕手は開幕は2軍スタートとなったが、4月10日に1軍昇格。56試合に捕手として出場し、5月11日には2打席連続本塁打を含む3安打7打点をマーク。終盤には「4番・指名打者」での起用もあった。

 近藤健介外野手は開幕カード全試合でスタメン出場したが、椎間板ヘルニアで長期離脱し、75試合の出場にとどまった。それでも打率.301、10本塁打、41打点を記録。山川穂高内野手はレギュラーシーズンでは苦しんだものの、日本シリーズでは打率.385、3本塁打、7打点の活躍でMVPに輝いた。

 今季は新たな戦力の台頭で最下位からの逆転優勝を果たしたソフトバンク。一方で、長期離脱により今季は20試合の出場にとどまった柳田悠岐外野手も、日本シリーズでは打率.455の活躍を見せ、その存在感は依然として大きい。来季は主力の完全復活でさらなる強力打線を形成し、リーグ3連覇と2年連続日本一をつかみ取りたい。(「パ・リーグ インサイト」根本葵)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)