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【コラム】ミランの宝、生まれ変わったトナーリ…“ピルロの後継者”から現代的MFへの成長 | セリエA

読了時間 6分
Tonali, Milan Getty

スクデットを獲得した今シーズンのミランの“顔”は、サンドロ・トナーリと言っても過言ではない。ズラタン・イブラヒモヴィッチやピエール・カルル、マイク・メニャンからジュニオール・メッシアスに至るまで、さまざまな驚くべき物語を生み出したミラン。だがローディ出身のMFは間違いなく誰よりも輝いていた。

サンドロ・トナーリの成長ぶりは、ピッチ内に限らず、あらゆる点から見て目を見張るものがあった。精彩を欠き、苦しんだ昨シーズンを終え、夢をつかむために年俸を削ってでも、ミランでの2度目の挑戦を強く望んだ。そんな彼は今シーズン、大きな成長を遂げ、ミランの中盤におけるリーダーへと成長した。

変化を遂げたトナーリ

カルチョにおいて、スタッツがすべてを語るわけではない。選手の貢献や成長を理解する上での補助になるとはいえ、感情や情熱など、人間的な側面を代弁することはできない。だが今シーズンのイタリア王者ミランにおいて、誰よりも情熱を注いでいたトナーリの成長は、誰の目にも明らかだった。

彼の変化にいち早く気づいたのは、指揮官のピオリだった。2021年夏のトレーニングキャンプの開始直後、「昨シーズンとは違うトナーリに出会った」と明かしている。スクデットを制した現在、その言葉を聞き直すと、まったく別の意味を成しているかのようにも聞こえる。

「昨シーズンとは違うトナーリに出会った」… ステファノ・ピオリ

Sandro Tonali, Milan, Serie A TIM 2021-2022

成長を裏付けるパフォーマンス

2年前の2020年夏、ブレシアからミランへ移籍したものの、あらゆるプレッシャーや準備不足、さらには新型コロナウイルスの影響もあり、クオリティの飛躍に苦しんだ。だが2021-22シーズンにおけるトナーリの成長は、スタッツにも反映されるほどに目覚ましいものだった。

ミランでの2シーズンにおけるサンドロ・トナーリのパフォーマンス

2021-2022   2020-2021
31 先発出場数 17
5 得点数 0
2 アシスト数 0
85.6% パス成功率 83.6%
68.5% タックル成功率 67.8%
55.4% デュエル勝率 50%
38 1試合平均パス数 29.6
5.3 1試合平均ボール奪取数 4
1 1試合平均シュート数 0.4
1.2 1試合平均チャンスメイク数 0.6
0.22 1試合平均ビッグチャンスメイク数 0.04

もはやピルロと比較すべきではない

シルヴィオ・ベルルスコーニの右腕として、黄金期のミランでCEOを務めたアドリアーノ・ガリアーニはかつて、「サンドロ・トナーリは優れたMFだが、アンドレア・ピルロと比較するべきではない。どちらかと言うと、ジェンナーロ・ガットゥーゾを彷彿とさせる選手だ」と発言している。

「アンドレア・ピルロと比較するべきではない。どちらかと言うと、ジェンナーロ・ガットゥーゾを彷彿とさせる選手だ」…アドリアーノ・ガリアーニ

その容貌や内気そうな性格、さらにはブレシアでキャリアをスタートしたことから、ブレシアが輩出したレジェンドのピルロに重ね合わされてきたトナーリ。だがその比較に向き合うことは、重荷であったに違いない。リーノ・ガットゥーゾのファンであることを公表し、自身のアイドルの許可を得て背番号8番に袖を通したことを打ち明けても、“新世代のピルロ”のレッテルがはがされることはなかった。彼にとって不可能なプレーを一方的に期待されては、失望されていたのだ。

Milan, Giroud, Calabria, Tonali, Tomori

ミリ単位で精度の高い50メートルのロングフィードを送るレジスタではないが、トナーリの技術的なクオリティに疑いの余地はない。今シーズンは2人のMFで構成されるピオリの中盤において、イスマエル・ベナセルもしくはフランク・ケシエの隣の位置でレギュラーの座を勝ち取ることに成功。プレスをかけ、積極的な姿勢で勇気を示した。

パスの精度に大きな成長は見られなかったが、デュエル勝率やタックル成功率、試合平均ボール奪取数などにおいて、トナーリは大きく貢献している。

より存在感を示し、闘志や決意を前面に出す姿勢は、まさにピオリが昨夏の合宿初日に目にしたものだった。カピターノ(主将)としてふさわしい素質であるだけでなく、攻守両面においてチームに貢献できる現代的なMF であることを示したのだった。

中でも真の意味での変化は、攻撃力だったと言える。おそらくトナーリ本人にとっても驚きだったに違いない。

わずか2カ月ほど前までは、得点やアシストにおいてほとんど目立たないままにシーズンを終えようとしていたが、敵地で行われたラツィオ戦やヴェローナ戦において攻撃に加わると、極めて重要なゴールを挙げ、ミランのスクデットの“顔”となった。

開幕直後は、守備的MFとして対戦相手のボール保持者に積極的にプレスをかけ、チームに貢献してきたトナーリ。だがシーズンの重要な局面に差し掛かると、最高のフィジカルコンディションに加えて、羨むほどに神がかった闘志で攻撃におけるクオリティの飛躍を果たした。 Sandro Tonali centrocampista del Milan dopo il gol al Verona

次なる目標はUCL制覇

セリエA最終節のサッスオーロ戦で勝利を収め、レッジョ・エミリアにおいて、幼少の頃から夢見ていたミランのユニフォームを身にまとい、スクデットを獲得したトナーリ。不可能に見えることでも信じ続けることの大切さを子どもたちに教えたミランMFは、次なる夢を見据えている。目標はUEFAチャンピオンズリーグ(UCL)の舞台だ。「夢見ることにお金も何も必要ない。ならば将来は、このユニフォームを着てUCL優勝に挑戦したい。実現できれば、言葉にならないほどの感動だろう」。

文・マックス・クリスティーナ

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