サッカー界最高の代表チームが競い合うFIFAワールドカップ26を1年後に控えて、最高のクラブチームがアメリカに集結し第1回FIFAクラブワールドカップを戦った。今回の世界大会は参加チームにとって画期的な大イベントだっただけでなく、個々の選手たちが国際舞台でスポットライトを浴びる絶好のチャンスでもあった。
大会に参加した選手たちは栄光を目指して素晴らしいパフォーマンスを披露。これまで代表チームから目を向けられていなかった選手にとっても、来年の大イベントで母国を助けられる力があることを示すために完璧な舞台設定となった。
クラブワールドカップでの活躍によって、今後の代表入りや代表復帰が期待される選手たちをピックアップしてみよう。
22歳のパブロ・バリオスは、スペイン代表の先発メンバー入りに向けた争いの激しさを十分に理解している。ペドリやロドリ、ファビアン・ルイスなど、同じポジションでプレーする世界屈指のビッグネームたちと出場枠を争うことになる。それでも中盤のマエストロはアメリカの地で力強い印象を残した。
アトレティの全3試合に先発出場し、シアトル・サウンダーズFC戦で挙げた2得点によりチーム得点王として大会を終了。ボタフォゴを破った試合でも素晴らしいパフォーマンスを見せていた。スペイン代表のルイス・デ・ラ・フエンテ監督は中盤に十分な戦力を揃えてはいるが、必要が生じれば十分に応じられる選手としてバリオスも名乗りを上げた。
イゴール・ジェズスは2024年10月にブラジル代表に初招集を受け、セレソンがチリを2-1で破ったFIFAワールドカップ予選の試合でゴールも挙げた。だがフェルナンド・ジニス前監督の構想からは外れ、カルロ・アンチェロッティの最初のメンバーにも呼ばれることはなかった。
新たにノッティンガム・フォレストに加入するフォワードは、クラブワールドカップでの印象的なパフォーマンスにより、イタリア人指揮官が前線の戦力を検討する上で強く意識される存在となることは間違いない。世界屈指の堅固なディフェンスに挑みながらも個の戦いに勝利し、チームがファイナルサードで勝負することを可能とし、ボタフォゴが大会で挙げた3得点のうち2点を記録。欧州王者パリ・サンジェルマンを見事1-0で撃破した試合でも唯一のゴールを決めてみせた。
9月には41歳となるチアゴ・シウバ。ほとんどの選手であればとっくにスパイクを脱いでいる年齢だが、ベテランセンターバックはクラブワールドカップでまたしても常識や予測を覆してみせた。
ブラジル代表にはFIFAワールドカップ2022以来呼ばれていないシウバだが、守備の柱としてフルミネンセを後方から統率し準決勝にまで導いた。最後は古巣チェルシーがリオデジャネイロのクラブの決勝進出を阻んだが、フルミネンセのキャプテンは今でもサッカー界トップクラスの選手たちと最高レベルで勝負できることを示した。カルロ・アンチェロッティがセレソンの最終ラインの中央に経験豊富なリーダーを探しているのであれば、チアゴ・シウバはいつでも頼れる存在となる。
リオネル・スカローニのメンバーに割って入るのは簡単なことではないが、アルゼンチン代表はすでに2026年ワールドカップ出場を決めており、監督には今後本大会までの間にある程度のテストを行う余裕もある。ディフェンスの新戦力を試したいのであれば、アレクサンデル・バルボサはひとつの選択肢となるかもしれない。
ボタフォゴのセンターバックはクラブワールドカップ中にフィジカルの強さを披露。左サイドでプレーする彼は第2戦でパリ・サンジェルマンを止めたディフェンスの柱の一人だった。
エディンソン・カバーニとルイス・スアレスが代表チームを外れて以来、“ラ・セレステ”は攻撃の新たなオプションを探し続けている。ダルウィン・ヌニェスは先発レギュラーの座に手をかけた様子だが、マルセロ・ビエルサのメンバーにはまだ埋まっていない枠がいくつか残されている。ミゲル・メレンティエルはそのひとつを狙おうとしている。
パイサンドゥ生まれのセンターフォワードはボカが世界大会を戦う中でパフォーマンスが際立っていた選手。FCバイエルン・ミュンヘン戦でのゴールは大会屈指の見事な一撃であり、マイアミのハードロック・スタジアムはボカサポーターの熱狂に沸いた。
守備の固さと魔法のような中盤で知られるイタリアは、2014年以来となるワールドカップ本大会出場を果たすため前線に破壊力を求めている。マテオ・レテギやモイーズ・キーンらを試したのに続いて、フランチェスコ・ピオ・エスポージトにチャンスが与えられても驚くにはあたらないだろう。
20歳のフォワードは189cmの長身を誇り、セリエBのスペツィアにレンタルされて19ゴールと実りあるシーズンを過ごした。インテルで出場したクラブワールドカップでも1ゴール1アシストを記録し、クリスティアン・キヴのチームで最も脅威となる攻撃の武器のひとつであることを示した。
UEFAネーションズリーグで優勝を飾る戦いの中で、ポルトガルはドイツ、スペインとのラスト2戦ではMFジョアン・ネヴェスを右サイドバックに起用していた。ロベルト・マルティネス監督がパリ・サンジェルマンのスター選手を本来のポジションに戻したいのであれば、ディフェンスの右サイドにはマテウス・ヌネスが有効なオプションとなるだろう。
ブラジル出身のポルトガル人である彼ももともとは中盤でプレーしていたが、ペップ・グアルディオラのマンチェスター・シティではたびたび右サイドバックに起用されてきた。ネヴェスよりも自然にサイドバックを務めつつ、PSGのテクニシャンには中央で自由にプレーさせることができるだろう。
ラミン・ヤマル、ペドリ、ニコ・ウィリアムズらはスペインの新たな黄金世代だが、前線の軸が足りないと感じさせることもあった。だがゴンサロ・ガルシアがクラブワールドカップで見せた活躍は、彼こそがラ・ロハの攻撃陣のパズルに欠けていたピースであることをルイス・デ・ラ・フエンテ監督に示したかもしれない。
“白い巨人”のシャビ・アロンソ監督によってクラブのBチームであるレアル・マドリード・カスティージャからトップチームに引き上げられたガルシアは、キリアン・エムバペがクラブワールドカップ序盤戦を欠場するというチャンスを存分に活かしてみせた。計4得点で大会得点王を受賞し、鋭い得点感覚、優れた技術、オフザボールでの疲れ知らずの動きを見せつけていた。代表チームへの招集に向けて有力候補に浮上したと言える。
新クラブのチェルシーで戦った最初の2試合半で、ジョアン・ペドロはほとんど並ぶ者がないほどのインパクトをもたらした。準々決勝のSEパルメイラス戦に交代出場してデビューを飾ったブラジル人フォワードは、試合の流れを変えてブルーズの2-1の勝利に貢献。続く2試合では計3ゴールを挙げる。自身の古巣フルミネンセを2-0で破った準決勝では2得点両方を記録し、決勝では絶妙な浮き球でジャンルイジ・ドンナルンマを破った。
得点嗅覚に加え、後方へ下がってボールを繋ぐプレーも印象的だった。多彩な力を持つ彼は、ブラジル代表の前線を率いる適切な9番をまだ探し続けている名将カルロ・アンチェロッティにとって興味深いオプションとなり得る。就任から最初の2試合ではリシャルリソンとマテウス・クーニャが起用されたものの、このポジションはまだまだ不確定。クラブワールドカップでの活躍により、ジョアン・ペドロにも十分にチャンスが出てきたかもしれない。