ダニエル・デュボアは、とにかく戦いたいだけだ。
日本時間5月10日(日)、ダニエル・デュボアはWBO王座を懸けてファビオ・ワードリーと対戦する。決戦の時が迫るなか、その大一番を前にした直前の数日間は、デュボアが途中退席を繰り返す「気まずいインタビュー」の数々にすっかり食われてしまった。
数年間にわたり最高峰の舞台で戦ってきたデュボアは、ビッグマッチの週に何が起きるかをよく理解している。公開ワークアウト、次から次へと回されるインタビュー、ひしめき合う記者会見、そして計量。いずれもボクサーが無視できないお約束の行事だ。
プロモーション会社からは、最後に残ったチケットをさばき、PPVの売り上げを伸ばすためにも、この注目を貪欲に受け入れるよう求められる。ボクサーたちは試合前の最終日、土曜の夜(※現地時刻)がなぜ重要なのかを語り続ける広告塔と化す。
だが、この時期こそ一部のボクサーにとってはプレッシャーが増す瞬間でもある。セールスマン、あるいはセールスウーマンになることよりも、リング上の結果こそがはるかに重要になってくる。
今週初め、DAZNのインタビューに応じたデュボアは、「戦うことが本当に好きか」「ボクシングの一番好きなところと、一番嫌いなところは何か」といった、ごくまっとうな質問を受けた。勝つことが一番好きだと答えたまではよかったが、「ボクシングの嫌いなところは?」という問いには回答を拒否。そのうえで、セッションを中止できないかと切り出した。
席を立った理由は語られなかったが、この途中退席は一度きりでは終わらなかった。後にアリエル・ヘルワニが身をもって知ることになる。
ヘルワニの番組に登場したデュボアは、冒頭から「自分は戦う方が好きで、インタビューはあまりやりたくない」とはっきり口にしていた。ただ、それが必要なものだという認識はあるとも認めていた。
自分が「ファイトモード」に入っているからこその受け答えだと説明した後、ヘルワニは「君は僕のことが好きじゃないんだろ」と挑発気味に指摘。さらに会話は妙な方向に転がり、なぜか「オリバー・ツイスト」の話題になり、ヘルワニが息子の名前がオリバーだと明かす一幕まであった。
ヘルワニは続けて、2020年にジョー・ジョイスに敗れた際、デュボアの“ハート”がないと批判された時に、自分はデュボアを擁護したと持ち出した。これがデュボアをさらに刺激する。キャリア9年で最悪級の出来事を、なぜ今になって蒸し返すのかと反発したのだ。
デュボアはそこでインタビューを打ち切り、ヘルワニも笑いながらその決断を受け入れた。
その後、ヘルワニはSNS上で“潔さ”を見せ、自らこの最悪のインタビューの責任を全面的に負う姿勢を示した。
「“ダイナマイト”デュボアにはこれまでもインタビューしてきたし、いつも楽しかった。今回は完全に僕の落ち度だ。もっと上手くやれたし、やるべきだった」
「DDD(ダニエル"ダイナマイト"デュボア)への愛とリスペクトは変わらない。週末の試合が楽しみだ」と、ヘルワニはXにポストした。とはいえ、インタビュー映像はすでに大勢に視聴されており、こうした場面でのデュボアの振る舞いは、今回の試合を語るうえでひとつの焦点となってしまった。
デュボアが内向的な性格であることは明らかだ。ボクシングにおける彼の使命は、観客を言葉巧みに魅了する「多才なショーマン」になることではなく、ひたすら強いファイターであり続けることにある。
それでいい。ボクシングにはいろいろなタイプの人間がいる。デュボアはリングで語ることに専念すればいいし、フランク・ウォーレンやサム・ジョーンズのような、彼の成功を心から望む人間たちが、代わりに言葉の部分を引き受ければいいのだ。
クイーンズベリー・プロモーションズと長年にわたり密接に仕事をしてきたデブ・サーニは、デュボアと抜群の関係を築いている。今回のインタビューがSNSで拡散されるやいなや、サーニはすぐさま元世界王者を擁護して立ち上がった。
その後数時間のうちにDAZNニュースの取材に応じたサーニは、ファイトウィークにおけるデュボアの立場を、少しでも理解してもらおうと説明した。
「ダニエルとは10年近くの付き合いになる。彼は素晴らしいキャラクターで、ユーモアもあって、心根の優しい男だ。どんなファイターもそうだが、こちらが誠実に接すれば、向こうも誠実に返してくれる」
「ただ、試合を数日後に控えたタイミングで、話題を一定の方向に操作し、触れる必要のない部分をつつき始めれば、ファイターが心を閉ざすのはごく自然なことだ」
デュボアはファイトウィークに何が起こるか十分承知している。ただ、ここ2年はアンソニー・ジョシュア、オレクサンドル・ウシクというビッグネームとの試合を、どちらも満員のウェンブリー・スタジアムで戦ったこともあり、そのキャリアに向けられる目は格段に厳しくなった。
そうしたメディア露出の激増が、彼の精神的なバランスに影響を及ぼしているのか。それとも、対ワードリー戦にかかるリスクとリターンがあまりに大きく、地に足をつけることだけを最優先している結果なのか。
今週のデュボアは、コメントも短く、言いたいことだけをはっきり伝えるスタイルを貫いている。それを面白く思わないボクシングメディアもいるかもしれない。だが週末のリング上でも、ワードリーに対して短く、的確に仕事を終わらせることができれば、このアプローチは十分に元が取れるはずだ。言葉より行動を選ぶ男にとって、それこそが何より重要な証明になる。
ファビオ・ワードリー vs ダニエル・デュボアは日本時間5月10日(日)に行われ、興行全体がDAZNからPPV形式で生配信される。
DAZNの中継開始は日本時間午前2時30分で、ワードリーとデュボアのリングインは日本時間午前7時が予定されている。これらの時刻は試合の進行に従って変更される可能性がある。
| 日時 | タイトル | 対戦カード |
|---|---|---|
| 5月10日(日) 0:25 | ---- | ワードリー vs デュボア:アンダーカード |
| 5月10日(日) 2:30 | WBO世界ヘビー級 タイトルマッチ | ワードリー vs デュボア |
| 5月10日(日) 9:00 | ---- | レオ vs アリーム |
| 5月12日(火) 3:00 | ---- | Inside The Ring - May 11 |
| 5月14日(木) 22:00 | ---- | アレン vs フルゴビッチ:記者会見 |
| 5月16日(土) 1:00 | ---- | アレン vs フルゴビッチ:公開計量 |
| 5月17日(日) 1:30 | ---- | シュタイン vs カルモナ |
| 5月17日(日) 2:00 | ---- | アレン vs フルゴビッチ |
| 5月19日(火) 3:00 | ---- | Inside The Ring - May 18 |
| 5月23日(土) 9:00 | ---- | ジョーンズ vs グアルティエリ |
| 5月24日(日) 0:00 | ---- | ウシク vs リコ |
| 5月26日(火) 3:00 | ---- | Inside The Ring - May 25 |
| 5月30日(土) 3:00 | ---- | エドワーズ vs クオソーレ |
| 5月31日(日) 1:00 | ---- | ビボル vs エイファート |
| 5月31日(日) 9:00 | ---- | フォスター vs フォード |
(C)DMM.com
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