少年時代から憧れて続けていた地元球団にドラフト指名され入団を実現させた投手がいる。西武のドラフト4位・堀越啓太投手(東北福祉大)がその人だ。堀越は本拠地・ベルーナドームにほど近い埼玉県飯能市の出身で、少年時代からファンクラブに入会するほどのライオンズファンだった。入寮の際には同じく西武ファンである両親が運転する車で自宅から約30分のドライブで“聖地“へ。「いつもずっと来ていた道を通ってきました」と夢見ていた若獅子寮への入寮に声を弾ませていた。
新人合同自主トレ4日目となった14日、堀越は投手陣の練習終了後、カーミニーク・フィールドでフリー打撃を行っていた野手陣の様子を伺いながら、ドラフト2位・岩城颯空(はくあ)投手(中大)とともにファンの元へ。一人ひとりの要望に応えながら、しっかり相手の目を見ながら丁寧にサインをしていた。
小学生の頃、堀越少年はナイター観戦後に今はもう痕跡もない旧若獅子寮、室内練習場付近へ移動。他のファンに交じって球場から帰ってくる寮生、試合後に打ち込みをするために室内にやってくる一軍選手のサインを貰おうと、出待ちをしていたという。
「試合が終わってから1時間から1時間半ぐらい。他の方々は選手の名前を呼び捨てで呼んでいたんですけど、自分はそこを『~選手』だったり『さん付け』で呼んでいたので、そこがアピールになったんじゃないかと思います」と堀越。当時、憧れていた十亀、浅村、菊池雄星から貰ったサインは今でも宝物として寮の自室に持ち込んだ。
堀越は「自分のように、選手に憧れて野球を始める子が出てきてくれたらいいなと思う。そういう事が野球界への恩返しにもつながると思うので、自分もしてもらったようにしていけたらと思います」とファンへのサイン、特に小さな子供にするサインに込める思いを語っている。
「寮は本当にキレイですし、ご飯もすごくおいしい。また体作りの面で強い体ができると思う」「自分が身に着けるもの全てにライオンズのマークが入っていることに興奮します」「子供に勇気や希望を与えられる選手になりたいと思うので、プレー以外の部分でもお手本となるようなところを見せていけたらなと思います」
ライオンズ一筋に地元球団を応援してきた熱狂的ファンが念願だったチームの一員となった。ファンの気持ちを誰よりも知る“元出待ち少年”がこれからどんな投球をベルーナドームで見せてくれるのか注目だ。(伊藤順一 / Junichi Ito)