お笑いコンビ「ますだおかだ」の岡田圭右さんのオリックス・バファローズファン歴は、前身の阪急ブレーブス時代に始まり50年に及ぶ。年季の入った熱いファンの目に、就任1年目の岸田譲監督の下で3位に入った2025年の戦いぶりはどう映り、2026年のシーズンをどう展望しているのだろうか。出演する映画「オリックス・バファローズ2025~DETA! WAO! OKADA THE MOVIE~」が今月16日から全国公開されるのに合わせ、Full-Countのインタビューに応じてくれた。
「(2025年の)シーズン終了後の秋季キャンプ中、岸田監督にインタビューをさせていただく機会があったんですが、そこでも『監督、今年のオリックスは強いんか弱いんか、わからんかったですわ』と言わせてもらいました」。岡田さんはこう振り返る。
「まず衝撃的だったのがオープン戦ですよ」。確かに、オープン戦は16試合3勝10敗3分(勝率.231)で、なんと12球団中最下位。「全然ダメやった。西川龍馬(内野手)も全然打てないし、(2021年から2023年までのリーグ3連覇に貢献した)優勝メンバーも酷かった」。西川は打率.051(39打数2安打)と散々で、主砲の杉本裕太郎外野手も打率.185、0本塁打1打点。頓宮裕真捕手も打率.121と振るわなかった。
「これはちょっとヤバイんちゃうか。前年(2024年)5位に落ちて、オープン戦もこのありさま。また暗黒時代に入るんちゃうか」と危惧したほど。オリックスは過去、イチロー氏(マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)が大活躍した1995年と1996年にリーグ連覇を達成したが、その後2021年まで25年間も優勝できなかった。岡田さんは長年のファンとして「同じパターンになるんちゃうか」と不安がよぎったという。
「ところが、ところがですよ」。公式戦が始まると、オリックスは開幕から8試合で7勝1敗のスタートダッシュに成功し、4月終了時点で単独首位に。「本当にびっくりして、感情がついていきませんでした」。
岡田さんが「しびれました」と称賛するのは、岸田監督が組んだ開幕戦の先発オーダーだ。「オープン戦で全然打てなかった西川選手や3連覇経験者たちを外し、若い選手を入れてフレッシュ感を出すのかなとも思いました」という予感とは裏腹に、4番に杉本、5番に西川、8番に頓宮が名前を連ねていた。「ラオウ(杉本)、頓宮選手ら優勝経験者の活躍なくして上位進出はないと思っていましたし、天才的な技術を持つ西川選手も絶対スタメンで使わなあかんと思っていました」と言う岡田さんは、膝を打つ思いだった。
もっとも、来日1年目で開幕戦「7番・DH」で起用されたエドワード・オリバレス外野手は、11試合出場、打率.182、本塁打・打点なしに終わり自由契約に。岡田さんも「ほとんど2軍に“おりバレス”やった」と苦笑いするしかなかったが。
それはともかく、岸田監督のオーダーの組み方は、リーグ3連覇を達成した時の中嶋聡前監督をほうふつさせると岡田さん言う。前指揮官は2022年には143試合で141通りの日替わりオーダーを組み話題になった。
「僕は(中嶋前監督を)敬意を込めて“中嶋永久監督”と呼んでいます。これは想像ですが、暑い夏も疲労もある中で、『この1か月間は1軍で使う。次の1か月間は2軍で』という風に、長い目で考え1軍と2軍を入れ替えていたのだと思います。バイトのシフトやないけど、うまく入れ替えていました。だから僕は“中嶋店長”とも呼んでました(笑)」
今季の岸田監督も、故障者が相次いだ事情もあって140通りの先発オーダーを組み、やりくりに腐心しながらも3位Aクラス入りを果たした。そこが“中嶋永久監督”と共通すると、岡田さんは言うのだ。
2026年についても岡田さんは「優勝したソフトバンクと2位だった日本ハムに、下がる要素が見当たらない。投手陣は向こうが一枚上」と苦戦を覚悟している。
「特に日本ハムの新庄(剛志)監督は、ファン感謝デーで翌年の開幕投手と開幕4番を発表するとか、メディアを使って注目を集めている。もう一段階上へ行くのではないか」と警戒。ライバルながら「現代の新しいタイプの名将やね。今までにない発想で、プロ野球、パ・リーグが盛り上げることを考えてくれていて素晴らしい」と称賛を惜しまない。
そんな中、岡田さんが3年ぶりのオリックス優勝のキーマンとして期待するのは、エース格の左腕・宮城大弥投手だ。2025年は23試合を投げ7勝3敗、防御率2.39。「試合はつくりながら勝ち運がなかった。ソフトバンクや日本ハムに追いつくにはやはり、宮城投手にもっと勝ってもらわないと」とうなずく。
今月16日から公開の「オリックス・バファローズ2025~DETA! WAO! OKADA THE MOVIE~」は、試合映像をもとに、一喜一憂する岡田さんの姿、オリックスの現役選手やOBとの対談も加えたドキュメントムービーである。“バファローズファン仲間”の金森直哉監督がメガホンを執った。チームを後押ししそうだ。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)