エラーコード %{errorCode}

【コラム】やっぱり “赤い悪魔” のアイコン! ポール・ポグバが惜しげもなく才能を発揮 | 粕谷秀樹のNOT忖度 | プレミアリーグ

DAZN
今すぐDAZNを視聴する

“気分屋のポール” はそこにいない

あるときは正義の味方、またあるときは無気力の典型。信じていいのか悪いのか、人の心を弄ぶ。前半に超ウルトラスーパーな妙技を見せたかと思えば、後半はなにもせずにチンタラしている。前半は走らなかったくせに、後半は自陣のペナルティーボックス付近で身体を張る。

ポール・ポグバってヤツは、つくづく人騒がせな男だ

ジキルかハイドか、天使か悪魔か。ちょっと待てよ、悪魔だっていいじゃないか。なぜなら彼は、やっぱり “赤い悪魔” のアイコンなのだ。

ポグバのパフォーマンスがすこぶるいい。多種多様なパスで対戦相手を欺き、3~4人に囲まれていてもブレないボールコントロールで観る者を唸らせる。ファウルまがいのチェックに動じない体幹の強さも魅力のひとつだ。

近ごろはサイドで起用されるケースが増えているが、天性のセンスで多くのチャンスを創出するとともに、191cm・84kgという恵まれた体躯を活かしたポストプレーとエアバトルでも貢献する。

“気分屋のポール” はそこにいない。

3月以降のパフォーマンスを見る限り、ポグバはコンディション、モチベーションともに十分だ。楽しそうであり、しかもひたむきだ。だれもが認める才能を、惜しげもなく発揮している。少し余力もありそうだ。

 2021-04-11- Premier League-Manchester United-pogba

グラナダとのヨーロッパリーグ準々決勝セカンドレグでは度重なるファウルを受け、後半からドニー・ファン・デ・ベークに代わった。精神的に不安定であれば前半で退場、あるいは交代に腹を立て、余計なひと言を発していたに違いない。

しかしポグバはクールだった。 

「俺を退場に追い込みたかったんだろうな。後半から退いたのは当然のプランだよ」

グラナダの愚策を受け流し、マンチェスター・ユナイテッドを率いるオーレ・グンナー・スールシャール監督のプランに理解を示していた。指揮官に対する信頼を明かした言葉は他にもある。

「俺たちの監督は対立を好まない。選手、スタッフを、つねにリスペクトしてくれる。ルーク(ショー)がいい例だよ。優れたレフトバックであるにもかかわらず、ジョゼ(モウリーニョ)は何度となく批判した。しかも公の席上で……。ルークが復調したのは、監督が適度な距離で接してくれるからだ。もちろん、俺も気分よくプレーさせてもらっているよ」

犬猿のモウリーニョ(前トッテナム監督)をディスりつつ、スールシャール監督との良好な関係をアピールしていた。しかし……。

代理人が週給72%アップを要求?

もうひとり、つくづく人騒がせな男がいる。ポグバのエージェントを務めるミーノ・ライオラ(下写真)だ。敏腕なのか強欲なのか。あることないことメディアにリークし、移籍市場を弄ぶ。つい先ごろもマドリードとトリノに現れ、さも交渉が進展しているように演出した。うざってぇったらありゃしない。

「ポグバの週給は50万ポンド(約7500万円)だってことを各クラブに伝えた。契約を更新したいのなら、ユナイテッドもこの額を支払うんだな」

2019-07-17-raiola

ライオラの発言が『デイリー・スター』紙に躍っていた。英国のタブロイド紙である。飛ばし、捏造、思い付き……信憑性に疑わしい情報のオンパレードだ。

しかもコロナ禍である。各クラブとも補強費ではなく、人件費の削減を優先せざるをえない状況に追い込まれているため、ひとりの選手に50万ポンドは支払えない。ユナイテッドとの契約は22年6月末日まで。週給は29万ポンド(約4350万円)。およそ72%アップは法外すぎる要求だ。

強欲とはいえ、ライオラも市場の動きは熟知している。したがって、『デイリー・スター』の報道は劣悪なおとぎ話といって差し支えない。

ポグバを欲しているといわれるレアル・マドリードはアーリング・ハーランド(ドルトムント)、もしくはキリアン・エンバペ(パリ・サンジェルマン)の補強を最優先している。古巣ユヴェントスは経済的な余裕がまったくない。

こうした状況を踏まえれば、少なくとも今夏はおとなしくしている方が、ライオラにとっては得策ではないだろうか。来シーズン終了後にフリートランスファーとなるため、移籍金が発生する間に売りさばくのがユナイテッド側のプランとの報道もあるが、現時点でポグバ個人との関係は良好だ。

「あいつの話をするだけ時間の無駄」

スールシャール監督も、ライオラに限って罵っている。ポグバとのスムーズな意思疎通は前述したとおりだ。

この1年近く、ポグバ本人はユナイテッドからの退団を匂わせてはいない。昨今のパフォーマンスでも心地よさは見て取れる。少なくとも彼のなかでは、残留が大きな選択肢として浮上しているに違いない。

文・粕谷秀樹

1994年、日本スポーツ企画出版社刊の『ワールドサッカーダイジェスト』編集長に就任。その後、同社の編集局次長を務め、01年に独立。以降、プレミアリーグやチャンピオンズリーグ、情報番組、さらに月平均15本のコラムでも、エッジの利いた発信を続ける。東京・下北沢生まれ。

プレミアリーグ 関連記事

粕谷秀樹のNOT忖度

DAZNについて

DAZNなら好きなスポーツをいつでも、どこでもライブ中継&見逃し配信!今すぐ下の記事をチェックしよう。

● 【番組表】直近の注目コンテンツは?
● 【お得】DAZNの料金・割引プランは?