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【コラム】フリック・バルセロナ、7失点でのCL敗退は黄金期への助走だ!その勇敢なサッカーには一時代を築く価値がある

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チャンピオンズリーグ準決勝で7失点するのは多過ぎるのか、そうでもないのか……。見方は人それぞれだろう。ただ結果だけを見れば、バルセロナは欧州最高峰の舞台から姿を消し、ハンジ・フリックの過激なスタイルは疑問を投げかけられることになった。

……しかし、本当は逆であるべきなのだ。バルセロナはこのドイツ人指揮官とともに、彼らの本質をよみがえらせたのだから。

今のバルセロナには明確なプレースタイル、ゲームモデルがあり、それらによって長らく失っていた真の競争力、威厳を取り戻した。彼らがチャンピオンズで敗退したのは、このスポーツではどんなことでも起こり得るという、フットボールの残酷ながらも美しい不確実性によってである。たしかにバルセロナは7失点を喫した。だが、インテルよりも多くのゴールを決めていて然るべきだった。

結果はただの結果に過ぎない。もちろん、それがすべてではあるが、しかしそこに過程、理由、根拠の“すべて”が内包されているわけではないのだ。

◼︎取り戻した「どう勝つか」

flick-barcelona-liga-football-soccer-20250511近年のバルセロナは「ただ勝つのではなく、どう勝つかなのだ」という彼らの本質を見失っていたが、フリックが正しい道に引き戻した。Getty Images

フリックのバルセロナは縦に速い攻撃に特徴があり、ジョゼップ・グアルディオラとルイス・エンリケであれば、どちらかと言えば後者が率いたチームと似ている。……いや、それだけではない。現代フットボールはプレス、フィジカル、スピードによって構成され、どのチームも似たり寄ったりの均質化が進んできたが、フリックはそこに独自の、明確なプレー哲学が加えられることを証明してみせたのである。

フリックのバルセロナは、ルイス・エンリケが現在率いるパリ・サンジェルマンと並び、今季チャンピオンズの決勝に進むべきチームだった。彼らは「走れなければ戦う資格がない」という現代フットボールの要求にしっかり応えつつも、バルセロナの伝統にも重なる「ボールを主役とする」プレー哲学を携えて、称賛すべき勇敢な戦術を実践している。今季のバルセロナは議論の余地などなく、本当に魅力的なチームだ。

◼︎未来しかないチーム

pedri-barcelona-liga-football-soccer-20250408フリックは選手たちに、彼の持つアイデアを忠実に実行させている。インテルとの2ndレグ、後半に見せたパフォーマンスこそ彼らの真骨頂だ。前半0-2のビハインドから、堅守のインテルを“自分たちのフットボール”で上回り、一時逆転を果たしたのは驚異としか言いようがない。バルセロナはボールを持っても持っていなくても、彼らを完全に圧倒していた。Getty Images

まず守備について、極めて高い位置を取る両サイドバック、エリック・ガルシアとジェラール・マルティンは、チームがボールを失えば、すぐさま頭のスイッチを切り替えてプレッシングを仕掛けた。両センターバックはスペースをしっかりと埋め、フレンキー・デ・ヨングはボールを持つ選手を“潰し”にかかり、ぺドリは見事なカバーリングを見せている。インテルは攻撃しようにもほとんど酸素が得られない状態で、息も絶え絶えにマルクス・テュラムのデュエル能力に頼るしかなかった。

そして攻撃について……、バルセロナほど支配的なチームはほかに存在しない。選手たちは常に動きながらサイド、中央で異なる高さを取り、素早くパスを回していく。彼らの動きにはすべて意味・意図がある。左ウィングのハフィーニャが中央に絞るときには、必ずサイドバックが上がって空いたスペースを利用する。トップ下のダニ・オルモは1トップのロベルト・レヴァンドフスキ、またはフェラン・トーレスとポジションが重なることを避け、ラミン・ヤマルのためにスペースを生み出すような動きを見せる。

バルセロナでタクトを振るうのは、言わずもがな ぺドリだ。各選手にボールを配るのは彼の役割であり、加えてヤマルと一緒に均衡を崩すことも請け負う。すでに“世界最高のMF”と言って差し支えないが、ここから得点力まで身に付けてしまったら一体どこまでの存在になるのか……。バルセロナにはぺドリ、ヤマルをはじめとして、まだまだ若い“宝物”のような選手たちを擁している。彼らはすでに王者の風格を漂わせながらも、少なくともあと10年は続きがある、未来しかないチームを構築しているのである。

◼︎ハイラインの是非

フリックは原理主義であり、自分のアイデアから逸脱することは絶対にしない。リスクを冒し過ぎていると指摘され続けてきた、あまりに高いDFラインについても、1mmたりとも下げることがなかった。そして実際的に、あのハイラインが彼のバルセロナをさらに偉大なチームとしている。

インテルとの1stレグがそうだったように、確かにハイラインが機能しなかった試合もあった。しかし長い目で見てみると、間違いなくデメリットよりメリットの方が大きい。バルセロナはDFラインを極端なほど上げることで、DF、MF、FWの各ラインと選手間の距離を可能な限り狭めて抜群の連係を見せる。スペースがない中でもぺドリやヤマルはボールを扱うことができ、全体の連動から相手のDFラインに綻びを生じさせて、ハフィーニャらの縦への突破を促していく。

また守るときには基本的に前へ向かってプレスを仕掛けていき、攻守両面で自分たちのライン間が間延びすることはない。そして、もしDFラインを突破されたらオフサイドトラップや戦術的ファウルを駆使して、守備陣形の立て直しを図る。

DFラインの裏にスペースが広がっているのは、もちろん危険だ。相手チームからすれば、ビルドアップで3~4本のパスをつなぎ、ストライカーがセンターバックとのデュエルに勝ち、弱い方のサイドを突くことができれば、一気に決定機を生み出すことができる。とはいえシーズンを通して見れば、バルセロナはそのようなリスクを基本的に管理できていた。そしてリスクよりも、自分たちの攻撃のポテンシャルを最大限引き出せる方が、彼らにとってはずっと大切なことだ。

cubarsi-inigo-barcelona-liga-football-soccer-20250511バルセロナはやはり、ハイライン戦術で失敗した--そのように断じたい人々もいるようだが、しかしチャンピオンズ準決勝の敗退はそれが原因ではない。まずかったのはハイラインよりも自陣でボールを失っていたことであり、何よりも試合の締め方を間違えていた。Getty Images

フリック・バルセロナの最大の欠点は、どんな状況でもずっと同じ方法でプレーすることにある。インテルとの2ndレグの後半、彼らは逆転を達成してアディショナルタイムまでたどり着いたにもかかわらず、試合のリズムを冷まそうとはしなかった。彼らはラ・リーガ前半戦、コパ・デル・レイ準決勝1stレグのアトレティコ・デ・マドリー戦でも同じように攻めの姿勢を維持し続け、試合終了間際に逆転&同点ゴールを決められている。フリックはクラシコを含めた今季ラ・リーガの残り4節、そして来季にその悪癖を直さなくてはいけない。

◼︎一時代を築くべきチーム

いずれにしても、フリックのバルセロナは一時代を築く価値があるチームだ。周囲に迎合せず、自分たちの信じる道を突き進む覚悟を持つこと……すなわち一貫性を持つことは、何もかもがすぐに移ろうこの時代では、頑な過ぎると批判の対象になってしまう。だが唯一無二の勝者になりたいならば、それを錨(いかり)としなくてはいけない。

たとえ負けるとしても、自分を貫いた末に負けて、また前を向く。このバルセロナの視線の先には、間違いなく成功がある。

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