ギュレル、レアル・マドリードでの苦労と報われ始めた現在を語る「大切なのは自分以外の誰かになろうとはしないこと」 | ラ・リーガ

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レアル・マドリードに所属するMFアルダ・ギュレル（20）が、フランス『レキップ』とのインタビューに応じた。

2023年に母国のクラブ、フェネルバフチェからレアル・マドリードに加入したギュレル。それから2シーズンは出場機会に恵まれない日々が続いたが、今季ついにレギュラーの座をつかみ、チームの公式戦10戦9勝に大きく貢献している。

『レキップ』とのインタビューに応じたギュレルは、レアル・マドリードで過ごした苦労の日々と報われ始めた現在について、赤裸々に語った。まず、自身を取り巻く環境、周囲の喧騒をプレッシャーに感じているかを問われると、次のように返答している。

「周囲にある喧騒をプレッシャーと考えたことはない。そう考えれば自分の仕事はもっと難しいものになる。その一方で責任は感じているけど、それは自分の成長のため、レベルを上げるために役立つものだ。自分が問題を起こさないから、とても素晴らしいと考えている人もいるかもしれないが、僕だって大きな野心を抱えている。大切なのは自分ではない誰かになろうとしないことだ」

ここ最近、レアル・マドリードでプレースキッカーを任される機会が増えているギュレルだが、練習でその権利を勝ち取ったようだ。

「練習の最後に行うフリーキックの練習で、一目置かれるようになったからだと思う。そうなれば、週末（試合）にボールを求めるのはもっと簡単になるね。でも要求することと、他者やクラブに敬意を払うことには均衡が必要だ。モドリッチみたいな選手が加わり、プレースキックを蹴りたいならば、一言も発することなく譲らなければならない」

ギュレルはまた、レアル・マドリードのスカウト担当であるジュニ・カラファト氏から、加入時に説明されていたことを明かす。レアル・マドリードはギュレルをトニ・クロース氏、MFルカ・モドリッチの後釜と考えていたようだ。

「世界最高のクラブにいるという自覚はあった。でも最初の練習の時点で、自分のクオリティーが通用することは分かっていたんだ。ここでの成功を疑ったことは一度だってない。ジュニ・カラファからはプランを説明されていたよ。加入1シーズン目は難しいものになることはね。トルコのことしか知らない若造にとって、それ以外の道はなかったんだ。それと彼は、自分が“モドリッチ、クロース以後”のために加わったとも言ったよ。すべての説明が誠実かつ明確で、だからこそ良かったと思っている」

カルロ・アンチェロッティ前監督がギュレルを継続的に起用しないことで、トルコでは喧騒が大きくなっていった。だが選手本人は、イタリア人指揮官から信頼や期待を感じていたことを強調する。

「カルロは史上最高の監督の一人だ。彼がメディアに対して、自分が世界最高のMFの一人になると言ったことを忘れてはいけない。（アンチェロッティ監督の息子であり助監督の）ダヴィデはいつも僕の力になってくれた。感謝しているよ。プレーできない時期は辛かったけど、その分、自分の野心が膨れ上がることになった。僕は“その時”を待っていたんだ」

今季からチームを率いるシャビ・アロンソ監督にも、大きな信頼を寄せているようだ。

「初めて会った日、彼からは『君が直観的にプレーすることは分かっている。ピッチ上ではファイターであることもね』と言われた。彼の志向するフットボールでは、敵陣でまるでマンマークのようにプレスを仕掛けることが多い。だから意思の強さやアグレッシブさが必要となる。僕は彼のプランを絶対的に信じている。もしGKとしてプレーしろと言われたら、すぐにグローブを買ってくるよ」

今季、FWキリアン・エンバペと抜群の連係を見せるギュレル。メスト・エジル氏＆FWクリスティアーノ・ロナウドのコンビを彷彿させるとの指摘には、こう返した。

「比較されるのは素晴らしいし、光栄なことだ。だけど成功はチームでつかむものなんだよ。エンバペと自分のクオリティーは補完関係にある。僕たちは理解し合っているし、だからこそ流れるようにプレーすることができる。試合前、『今日の自分たちはこれとあれができる』みたいな話をすることだってあるよ。連係をするのに、その眼を見るだけで事足りることもあるんだ」

今季のエンバペは中盤まで下がってプレーすることも多いが、ギュレルはその動きを問題とは捉えていないようだ。

「好きなようにプレーすればいい。彼はそうできる自由を、その才能によって勝ち取ったんだ。中盤まで下がるか下がらないかはエンバペ自身が判断の理由となる。彼はゲームが求めているものを理解しているからね。エンバペが下がるときには、僕が彼の空けたスペースを埋めなくてはいけない」

2023-24シーズン、レアル・マドリードの15回目のチャンピオンズリーグ（CL）優勝を経験したギュレルだが、同シーズンの出場記録はラ・リーガとコパ・デル・レイのみだった。選手本人は、そのCLを自身の獲得タイトルに含めていないようだ。

「自分が獲得したタイトルだなんて思っていない。CL優勝は僕の主要な目標の一つとなっている。いつの日か、トルコの子供たちに『アルダは成し遂げた。僕にだってできるはずだ』と言ってもらえたらうれしいね」

翻訳＝江間慎一郎

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