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【コラム】イングランド代表の “宝の山” を有効活用するプランB | 粕谷秀樹のNOT忖度 | FIFAワールドカップ欧州予選

読了時間 5分
2021-10-09-Jack Grealish-Phil Foden-England (C)Getty Images

基本陣形のほかにプランB、Cを

カタール・ワールドカップ予選のイングランド代表に、アーセナルのエミール・スミス・ロウが初招集された。

柔軟なボールタッチ、卓越したビジョンなどにセンスの一端をうかがわせ、好調アーセナルの一翼を担う21歳のMFだ。

しかし、現時点でイングランド代表の定位置を奪うレベルには達していない。なぜなら、彼が主戦場とする二列目は “宝の山” だからだ。

ジャック・グリーリッシュ、ラヒーム・スターリング、フィル・フォーデン、ブカヨ・サカ、さらに今回の招集は見送られたものの、メイソン・マウントとジェイドン・サンチョ、マーカス・ラッシュフォードまで、イングランド代表は有している。彼らの実力を踏まえると、スミス・ロウの優先順位は決して高くない。カタール大会の登録メンバーに食い込むのは至難の業だ。

さて、これだけのタレントを有効活用するプランはないものだろうか。現在の基本陣形は4-2-3-1。そのほかに、プランB、Cを用意すべきではないだろうか。

例えば3-4-2-1である。ハリー・ケインの背後にグリーリッシュ(フォーデン)とマウントを置く。あるいは大胆不敵にもケインを外し、グリーリッシュ、フォーデン、マウントのゼロトップも、魅力的な構成だ。いずれもボールコントロールに優れ、狭いスペースでも自由自在にプレーできる。

ケインと同タイプのストライカーが少なく……いやいや、彼に比肩する選手はいないのだから、無理をしてセンターフォワードを起用するより、敏捷性豊かな選手で活路を見いだす方が得策だ。

イングランド代表のガレス・サウスゲイト監督は、準優勝したEURO2020でも3バックと4バックを使い分けていた。3バックの守備面においては両アウトサイドが最終ラインに降り、5-4-1が基本陣形だった。

トレント・アレクサンダー=アーノルド、リース・ジェイムズ、カイル・ウォーカー、ルーク・ショー、ベン・チルウェルと、イングランド代表はサイドバックとアウトサイドをこなせるタレントも数多く有している。サウサンプトンのヴァレンティノ・リヴラメント、ブライトンのタリック・ランプティ、ノリッジのマックス・アーロンズも試してみたい若者だ。

こうした状況も、3バックをプッシュする一因である。

いま、ピッチの幅全体を使う5レーン攻撃が主流だ。スライドやカバーで4バックでも対応できるが、サイドも中央も侵入を許さない3バック+両アウトサイドの方がピンチを未然に摘み取り、失点を防ぐ最良の手段に思える。

昨シーズンのチャンピオンズリーグ決勝でも、3バックによるビルドアップと5レーンを使った攻略が奏功し、チェルシーがマンチェスター・シティを破った。クラブレベルでも3バックが見直されつつある。

ロフタス=チークをテストすべき

2021-10-16-Ruben Loftus-Cheek-Chelsea-Premier League

デクラン・ライスがコンディションの不良を訴え、イングランド代表の合宿から離脱した。一大事ではなさそうだが、長く続く新型コロナウイルスの影響に違いない。焦らず養生し、元気になってくれればそれだけでいい。

ライスの欠場に伴い、中盤センターはカルヴィン・フィリップスとジョーダン・ヘンダーソンが軸になる。サウスゲイト監督も「追加招集はしない」と語っていた。

さて、予選突破をほぼほぼ決めているイングランドは、どこかのタイミングでルーベン・ロフタス=チークをテストするべきだ。

ボールロストが少なく、ドリブルで運べる。ラストパスのセンスに優れ、プレー強度も高い。所属するチェルシーでも、あのジョルジーニョやエンゴロ・カンテ、マテオ・コヴァチッチといった実力派を擁する中盤で、貴重な戦力として計算が立つようになってきた。

現在の中盤センターは、ライスとフィリップスが確固たる地位を築き、ヘンダーソンもいい味を出している。しかし、彼らに続く選手がいなかった。ジュード・ベリンガムの適性は中盤インサイドだ。

したがって、ロフタス=チークが好調を維持できれば、サウスゲイト監督からなんらかのチャンスを得られるのではないだろうか。16年のトゥーロン国際大会でMVP。スーパースター候補といわれながら負傷で苦しんだものの、ようやくだれもがうらやむ才能を開花させつつある。

ハリー・マグァイアが極度の不振に陥り、センターバックの再考を求められるサウスゲイト監督だが、その不安を補って余りあるほどの若手・中堅が躍動している。

EURO準優勝は成功の約束手形だ。イングランドは間違いなく、世界のテッペンを狙える。

文・ 粕谷秀樹

1994年、日本スポーツ企画出版社刊の『ワールドサッカーダイジェスト』編集長に就任。その後、同社の編集局次長を務め、01年に独立。以降、プレミアリーグやチャンピオンズリーグ、情報番組、さらに月平均15本のコラムでも、エッジの利いた発信を続ける。東京・下北沢生まれ。

配信情報

ワールドカップ欧州予選 第9節
イングランド対アルバニア

  • 配信: DAZN
  • 配信開始:日本時間11月13日(土)4:45
  • 実況:野村明弘
  • 会場:ウェンブリー

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粕谷秀樹のNOT忖度

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