長年にわたり貧打に苦しんできた中日にとって、2026年は大きな変革の1年となるかもしれない。本拠地バンテリンドームの外野にテラス席「ホームランウイング」が設置されることで、本塁打が出やすくなる可能性が高くなる。それは果たして打線にとってプラスになるのか。セイバーメトリクスの指標などを用いてプロ野球の分析を行う株式会社DELTAのデータによると、期待を抱かせる数値があった。
広いバンテリンドームはデータ上、全球団の本拠地の中では常に最も本塁打が出ない球場となっている。本塁打が他の球場よりも何倍出やすいかを数値化した「本塁打パークファクター」は2025年が「0.69」倍で、もちろん12球場で最低だった。
加えて、中日打線にも本塁打が出ない原因があった。フライを打たないことには本塁打は増えないのだが、中日打線のゴロ割合は2015年から2023年までの9年間で7度も、12球団で最多という惨状だった。
だが、近年になって変化が見えている。2022年にゴロ割合は6位にまで落ちると、2024年も5位と全球団で中位にまで減った。さらに2025年はゴロ割合が11位に、フライ割合は2位と、打球の質が変化を見せていた。細川成也外野手、ジェイソン・ボスラー外野手、上林誠知外野手らが50%を超えるフライ割合を記録しており、山本泰寛内野手や石伊雄太捕手も高い数値を出していた。
一方でテラス席が設置されると投手の被本塁打が増えるという不安はある。だが、2025年はオリックス投手陣に次いで中日投手陣はフライ割合が43.1%と少なかった。データ上では、投手が不利になるよりも打者に有利に働く可能性が高そうだ。
ホームランウイングの設置で右中間の膨らみが小さくなる。バンテリンドームと同じ両翼100メートル、中堅122メートルだが、左・右中間は110メートルの東京ドームは、2025年の「本塁打パークファクター」が「1.09」と平均よりも本塁打が出やすかった。2015年に本拠地の福岡ヤフオクドーム(現みずほペイペイドーム)に「ホームランテラス」が新設されたソフトバンクも、前年の95本塁打から141本塁打に増えている。チームに暗黒時代脱出の兆しが見えてきた中、2026年は“強竜打線”のワードが復活することになるかもしれない。(Full-Count編集部)