ロシア・ワールドカップ、日本 vs セネガル戦のゴール裏。観客席に飛んできたボールをヘディングする映像が世界的に話題になり、一躍時の人に――。
あれから7年。お笑いコンビ「カカロニ」のすがやさんは、変わらずサッカーを愛している。1泊4日、滞在時間およそ30時間という弾丸日程でアメリカに渡り、浦和レッズのFIFAクラブワールドカップ2025初戦を見届けた。
帰国間もないすがやさんに、浦和レッズについて、FIFAクラブワールドカップという大会について話を聞いた。
取材=関口 剛 写真=野口岳彦
――まずは、すがやさんとサッカーの関係みたいなところからお聞きできればと思います。サッカーとの出会いは?
親が浦和の出身だったので、物心がついた頃にはサッカーを見ている、みたいな環境でした。3、4歳の頃から親に「サッカーやりたい」と言っていて、幼稚園の年長になったタイミングでスクールに。その後も小学校では少年団で、中学、高校、大学ではサッカー部でプレーしていました。
――「見る」ほうは? 親御さんの影響で浦和レッズのファンに?
小さい頃から浦和を見てはいるんですけど、当時は駒場(浦和駒場スタジアム)のチケットがなかなか取れなかったらしく、あまりスタジアムに連れていってもらった記憶はないですね。ただ、浦和がナビスコカップで初優勝したとき(2003年)は、国立競技場で試合を見ました。本格的にスタジアムで観戦するようになったのは、大学を卒業した頃……2012、13年くらいからですね。
――そんな浦和サポのすがやさんからすれば、今回のFIFAクラブワールドカップ2025は現地観戦するっきゃない、という感じだった?
もちろん行きたかったんですけど、子供が小さいし、奥さんの仕事が朝早くて。僕がいなくなると、子供を保育園に送るのがけっこう大変で、奥さんが「ダメ」と。もっと言うと、奥さんもレッズサポーターなんですけど、「そもそも今のチーム状態で見にいってどうするの?」っていう。
――意外な反対理由(笑)。
当時は「まあそうだよな……」っていう感じだったんですけど、シーズン途中で松尾(佑介)選手をFWで起用するようになったらドハマりして。「これ、ワンチャンあるんじゃない?」と。奥さんも「これなら戦える」となって、行けることになりました。とはいえ3試合は厳しいから、1試合だけに。
――1試合だけ見るにしても、もっと余裕のある旅程を組むこともできたと思うんですが、なぜこんなにも弾丸な日程になったんですか?
試合以外のもの、観光みたいなものは必要ないっていうか。ただスタジアムでの2時間を楽しみたくて行くので、なるべく早く帰ってくるためのスケジュールを組んだんです。
Photo by Takehiko Noguchi
――実際、出発日の流れはどんなだったんですか?
子供を保育園に送って、そのまま天王洲のグラウンドに行って「もりちゃんずユナイテッド」の練習に参加して30分くらいボールを蹴って。そのまま成田空港に行って、台湾経由でシアトルへ。トランジットも含めて18時間くらいかかりました。外に出られたのが、現地時間で試合前日の夕方17時くらい。
――そこから宿へ?
シアトルで一番安い宿へ。1部屋に4つベッドがあるドミトリーです。フリースペースに旗がかけられていたりと、中はレッズ仕様になってましたね。前夜祭みたいな感じでサポーターの皆さんが談笑していたので、ちょっと参加して乾杯したり。その後、リーベル・プレートのサポーターを探しに街に出ました。「リーベルの選手たちが宿泊するホテルの周りにサポーターが集まっている」という情報が流れてきたので、そこへ。ただ、僕が着いたときには選手の出迎えは終わっていたみたいで、サポーターは近くの駐車場でビールをガバガバ飲んでいました。
――そこで一緒にボールを蹴ったり。
ですね。その後、リーベルの配信者みたいな人に捕まって。なんとなく意地悪な笑顔というか、何かを企んでいるような笑顔だったから、「絶対に迷惑系YouTuberか何かだろ」と。「スラングとかを言わされる」と思って、最終的には逃げたんですけど、翌日その人に会ったら首に公式のパスを下げていて。ああ、ちゃんとした人だったんだと。しかも、動画を見せられて「お前、バズってるよ」と。
――いわゆるインフルエンサーのような感じだった?
そうです。その後、とくにアナウンスもなくなぜか電車が動かず、仕方なくタクシーで宿に帰りました。近くのお店は全部閉まっちゃってたので、何も買えず……。日本から持ってきた唯一の食料であるパスタを茹でたかったんですけど、水がないと。それで水を求めてバーに向かったら、リーベルのサポーターがめちゃくちゃ歌ってたんです。そこに徐々にレッズサポーターも集まってきて、煽り合いみたいになって。
――Xに動画を上げていましたね。
結局、水の代わりにビールを手に入れて、パスタは無傷で日本に帰ることになりました。ただ旅行しただけ。部屋に戻ったのは、夜中の0時くらい。ようやく眠りに……と思った1時間後くらいに、同部屋のパウロが帰ってきたんです。僕の真上のベッドで、ゴロゴロしながらスマホを見ていて。通知音やら動画の音やらが鳴りまくってて、「ヤバ、こいつ」みたいな。
――大迷惑(笑)。
イビキもうるさかったうえに、朝5時半くらいに起きてきて……。今回の旅でリーベルのサポーターとユニフォーム交換をしようと思っていたんですが、もう、こいつでいいやと。そしたら、めっちゃ快く交換してくれて。なんだ、いいヤツじゃんって。その後、僕も眠れなくなってしまって、6時くらいに街へ出ました。
――リーベル戦のキックオフは現地の正午でしたよね? まだ6時間ありますね。
ドリブルしながら街を散歩して、マウントレーニア(レーニア山)を見たり、旧市街でリフティングをして映える写真を撮ったり、観光っぽいことを1、2時間して。一度部屋に戻ると、レッズのサポーターが「早めに行って盛り上がろう」みたいな感じだったので、8時半くらいにスタジアムへ向かいました。
――そこで、リーベルのサポーターとドリブル勝負をした、と。
僕からバンバン、ドリブルを仕掛けていったんですけど、みんなケガしたくないから勝負してくれなくて。苦労しながらやっていたら、最終的には「ヒールで抜いて、浮き球で相手の足の上を越して抜いて、最後に股を抜いて」と3連続で抜けちゃって。ドリブルは下手だし、普段あんなにキレイに抜けることなんてないんですけどね。その様子をアルゼンチンの人気番組が撮っていたらしく、あっちで大バズリしたみたいです(笑)。
Photo by Takehiko Noguchi
――前哨戦(?)に気持ちよく勝利したあとは、いよいよスタジアム内へ?
リーベルのサポーターと写真を撮ったりしながら、和やかな感じでスタジアムに入っていきました。結局、リベルタドーレス杯で見られるような、発煙筒をボンボン焚く「戦い」みたいな感じではなく、最後までお祭りムードでしたね。一緒に楽しもうぜ、みたいな。代表のW杯のときの南米のサポーターと同じような雰囲気。
――なるほど。対する浦和のサポーターは?
もう、「殺しに」来てました……というのは言い過ぎかもしれませんが、ゴール裏は「熱で倒す」みたいな感じで迫力ありましたね。あれはカッコよかった。
――南米の強豪であり、観客動員数が世界一とも言われるリーベルと対戦する浦和を見て、どんな気持ちになりましたか?
もうね、入場して並んでいる姿を見るだけで泣いちゃいそうになりました。この舞台でリーベルとやるんだっていうのが、めちゃくちゃうれしくて。僕自身が長い距離移動して疲労もあったし、メンタル的な不安もあったからかもしれませんが、すごい“来るもの”がありました。
――いざ試合が始まって感じたことは?
めちゃくちゃ強いなと。浦和の選手たちがちょっと固いなとも思ったんですけど、僕が見た感じでは緊張で固いのではなく、普段だったら取られないところで相手が飛び出してきてインターセプトされたり、普段だったら抜けるようなところで、相手の下半身が強くて弾き飛ばされたり。そういう感覚が違うから、ミスが出て、リズムが崩れていったように見えました。ただ、その中で松尾選手のようにブレない選手だったり、(ダニーロ)ボザや(マテウス)サヴィオのように、南米の相手にも慣れている選手がいて落ち着く時間を作ってくれた。7対3で向こうが強いけど、3くらい可能性はあるな、という感覚でした。
――実際、2失点目以降は浦和がペースを握り、PKで1点差にまで詰め寄りました。
あのPKのときに、サポーターが誰もスマホを構えていない、っていうのが海外のメディアに取り上げられて話題になったそうなんです。でも、レッズサポーターからすると当たり前というか。そもそもPKをもらった瞬間、飛び跳ねて喜んでたの僕だけだったんですよ。他のサポーターの皆さんは、「まだ決まってないから」と。周りを静かにさせて、キッカーが集中できる空気を作っていて。すごいなと思いましたね。
――あらためて浦和サポーターのすごみを感じた。
いや、心強いなって思いましたよ。現地でいろいろなサポーターの方と話しましたが、「一度帰ってモンテレイ戦にまた来る」とか「決勝トーナメントに進出したら、職場にお願いしてここに残る」とか「1試合で帰る予定だったけど、急遽、延泊してインテル戦も見ることにした」みたいな人がたくさんいて。リーベル戦にしても、2点差で残り時間わずかになって敗戦濃厚になっても、飛び跳ね続けながら『赤き血のイレブン』を歌っていて。選手が次の試合にモチベーション高く臨めるように、「あと2試合ある。3試合で1つのゲームだぞ」、「まだまだだぞ。終わんなよ」っていうメッセージを送っていたんです。
――結果、浦和はリーベルに1-3で敗れてしまいましたが、試合後はどんな流れだったんですか?
もう軽くご飯を食べて、すぐに帰路です。で、家に帰ってきたのが(取材日から見て)昨日。
――すいません、そんなハードスケジュールのなかで……。
いえいえ(笑)。
――今回、FIFAクラブワールドカップという大会に生で触れて、どんな感想を抱きましたか?
端的に「挑み続けていれば勝てるぞ! 可能性あるぞ!」とは感じました。あとは何か、アル・ヒラルが強いのがうれしかったり。やっぱり3回(計6試合)も対戦していると、シンパシーを感じるというか、かつての敵が今は仲間、みたいな。リーベルにしても、殺伐としたものは全然なくて、むしろ浦和と似ているなとも思ったり。
――似ている?
バーで煽り合っていたときも、向こうは(リーベルのライバルである)ボカ・ジュニアーズをけなす歌を歌っているし、こちらも「埼玉には浦和だけ」って歌っていたり。それもお祭りのような感じで仲良く肩を組んで。共通の目標としてヨーロッパのクラブを倒そう!という思いもあったり。
――なるほど。
あとは大会を見ていてわかると思うんですけど、知名度イコール強さではないっていう。強いチームにいる全員がスーパーな選手じゃないし、格下とされているチームにも怪物はいる。それを探す楽しさはありますよね。浦和で言えば渡邊凌磨選手もそうですし、過去で言えばガンバ大阪の遠藤保仁選手もそうですが、「その国に残ることを選んだバケモノ」もいるんだよと。
――今大会で、すがやさんが見つけたバケモノは?
いや、今のところほとんど移動していて試合が見られる環境じゃなかったんですよ。これからしっかり見ようと思います!
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