浦和レッズは6月22日、FIFAクラブワールドカップ2025のグループステージ第2戦でインテルと対戦した。先制点を奪いながらも、終盤の2失点で1-2の惜敗。UEFAチャンピオンズリーグ準優勝チームとの戦いを経て、選手たちが感じた差とは? 開催地アメリカで取材を行う記者によるコラムをお届けする。
文=木本新也(スポーツニッポン)
臆することなく、やれることはやった。だからこそ、見えたものがある。世界との距離は近いようで遠かった。
日本勢で唯一出場している浦和レッズがグループステージ第2戦でインテル(イタリア)と対戦し、1-2で逆転負け。2連敗となり25日のモンテレイ(メキシコ)との最終戦を待たずに敗退が決まった。
スタジアムをホームのような雰囲気に変えた約2500人の浦和サポーターが沈黙する劇的な幕切れ。4分と表示された後半アディショナルタイムの2分に決勝弾を決められた。マチェイ・スコルジャ監督は「世界のベストチームにこのような戦いができたことを誇りに思う」と選手を称えた上で「もう少し高い位置で守備をしたかったが、インテルがそれをさせてくれなかった」と力の差を認めた。
GK西川周作はピッチで号泣し「サッカーは残酷。心の底から悔しい。結果が全て。相手はケガ人が多くてベスト布陣ではなかったと思うし、そこを考えるとまだ差はあると感じる」と現実を受け入れた。
UEFAチャンピオンズリーグ準優勝の格上を相手に序盤に先制する理想の展開。前半11分に右サイドを突破したMF金子拓郎のパスを受けたMF渡邊凌磨が右足で決めた。その後は一方的に押し込まれながら全員が体を張って耐えたが、後半33分に右CKから失点。引き分けでも決勝トーナメント進出に望みがつながる状況で、終了間際に力尽きた。
シュート数は5対26、ボール支配率は20%対80%。トリノ、ペルージャ、ヴェローナなどセリエBを中心にイタリアで5シーズンに渡りプレーしたMFサミュエル・グスタフソンは「こういう試合展開になることは想定していた。ローブロックを作って守備の形は構築できていたが、90分押されると何かが起きてしまう。引き気味の状態からボールをキープして押し上げることがカギだと思っていたが、そのカギを握ることができなかった。引きすぎた部分はある。ボールを持った時に勇気が足りなかった」と振り返った。
インテルは5月31日にUEFAチャンピオンズリーグ決勝を戦い、欧州クラブで最も長い2024/25シーズンを過ごした。その代償は大きく、故障者が続出。この試合もFWマルキュス・テュラム、MFハカン・チャルハノールら主力6人を欠いた。加えてクリスティアン・キヴ監督の就任は今大会の開幕1週間前の9日に発表されたばかりで、戦術を浸透させる時間もなかった。
対する浦和レッズはJリーグのシーズンまっただ中。5日に米国入りして事前合宿を張り万全の準備を整えてきた。アドバンテージを生かして健闘したものの、最後は力負け。ボランチで奮闘したMF安居海渡の言葉が両クラブの自力の差を物語った。
「相手の切り替えが早く、自分がゆっくりボールを持つ時間がなかった。このスピード感に慣れていないというのもある。点も取れたし、守れたし、自分たちはやれるなという感覚もあったが、やはりまだ差があると感じた。負けたことはネガティブだけど、こういう大会に出て感じることができたことはポジティブにとらえたい」
FIFAクラブワールドカップで日本勢が欧州勢と対戦するのは今回が6度目で、全て敗れている。浦和は2007年準決勝のミラン戦(●0-1)、2023年準決勝のマンチェスター・シティ戦(●0-3)に続く3度目の挑戦で、またも分厚い壁にはね返された。
次戦は中3日。会場をシアトルからロサンゼルスに移して、モンテレイと対戦する。元スペイン代表DFセルヒオ・ラモスらを擁するメキシコの強豪だ。西川は「このままでは日本に帰れない。最後は自分たちの好きなサッカーを思う存分にして勝利だけを目指したい。失うものはない」と視線を上げ、渡邊も「自分たちが成長したいと思ったらモチベーションは落ちない。ここまでの2試合でやってきたことを続けたい」と力を込めた。
出場クラブが従来の7チームから32チームに拡大し、これまで以上に熱い戦いが繰り広げられているFIFAクラブワールドカップ。グループステージは1試合で勝利ごとに200万ドル(約2億9200万円)、引き分けごとに100万ドル(約1億4600万円)を手にできる。1試合1試合、1プレー1プレーが何事にも代え難い経験になる浦和レッズにとって消化試合は存在しない。
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