浦和レッズは6月18日、FIFAクラブワールドカップ2025のグループステージ第1戦でリーベル・プレート対戦し、1-3で敗れた。南米の強豪に力の差を感じさせられた上に、グループステージ突破へ手痛い敗戦。それでも選手たちは前を向き、次のインテル戦に照準を合わせる。開催地アメリカで取材を行う記者が、試合後の選手たちのリアクションをお届けする。
文=木本新也(スポーツニッポン)
ルーメン・フィールドのピッチには、Jリーグでは体感できない日常の差があった。クロスの精度、セカンドボールへの反応、クリアボールをつなぐ意識、ヘディングの技術。一つひとつの違いはそれほど大きくないかもしれない。局面ごとに生まれるわずかな差の積み重ねが、スコアに表れた。
日本勢で唯一出場している浦和レッズがグループステージ初戦でアルゼンチンの名門リーベル・プレートに1-3で完敗した。日本勢の対リーベル・プレートの通算成績はこれで5戦全敗。試合直後のMF渡邊凌磨の言葉が現実を浮き彫りにした。
「力の差というよりも、ピッチに立った瞬間に負けている部分があった。それがすごく悔しい。クリアボール一つにしても味方につなぐとか、意図を持ったプレーがすごく大事だと感じた。Jリーグではピンチにならないシーンもクリア一つでピンチになってしまう。そういうところを、もっと突き詰めないといけない。技術というよりも“基準の差”を見せつけられた」
前半12分に食らった先制弾も日常の上を行かれていた。ゴールの起点はレアル・マドリード移籍が決まっている17歳のMFフランコ・マスタントゥオノのサイドチェンジ。左サイドでボールを受けたDFマルコス・アクーニャが正確なトラップから間髪入れずにクロスを送ると、ニアサイドに走り込んだFWファクンド・コリディオに頭で決められた。
GK西川周作は「サイドチェンジのスピードが速かった。そこの質はJリーグと違う。スライドが遅くなり、ツーセンター(2人のセンターバック)が開いた間を狙われた。速く(スライド)する意識を持たないといけない。クロスの質も非常に素晴らしかった」と振り返った。
今季Jリーグでは21試合消化時点で20失点。1試合平均0.95失点と堅守を誇るが、南米の強豪を相手には通用しなかった。DFマリウス・ホイブラーテンの不用意なバックヘッドでGKへのバックパスを突かれた2失点目、1点差に詰め寄り流れをつかみかけた矢先にCKからゴールを奪われた3失点目は、南米勢らしいしたたかな戦いぶりを際立たせた。
もちろん、すべてが通用しなかったわけではない。ボール支配率42%対58%、シュート数は11対13。高い位置を取る両サイドバックの背後を突き、好機をつくる場面もあった。後半13分にPKを決めたMF松尾佑介は「徐々に良くなって、特に後半はゲームをコントロールできてチャンスもつくれた。あまり相手をリスペクトする必要はない。いつも試合でやっていることをしっかりやれば、僕たちはもっとできると思う」と手応えを口にした。
リーベル・プレートは強かった。だが、それでも世界基準ではない。アルゼンチンも日本と同様にトップ選手の大半は欧州でプレーする。本当の世界基準を体感できるのは中3日で迎える次戦。21日(日本時間22日午前4時開始)のグループステージ第2戦でUEFAチャンピオンズリーグ準優勝のインテル(イタリア)と対戦する。
黒星発進で目標のグループステージ突破は極めて厳しい状況になったが、誰も諦めてはいない。MF金子拓郎は「ボールを持たれる時間は長くなると思う。チームとして我慢強く戦って、ゼロで抑えればチャンスは回ってくる。そこを仕留められるかどうか。自分たちのすべてを出して勝利だけを考えたい」と視線を上げ、西川も「切り替えることが大事。下を向く必要はない」とチームを鼓舞した。
今大会からFIFAクラブワールドカップのフォーマットが変わり、参加チームが7から32に拡大。世界との真剣勝負が増えることは、クラブの視座を高める貴重な機会となる。マチェイ・スコルジャ監督は「残念な結果となったが、言い訳を探すつもりはない。この経験が報われることを望んでいる」と大会を通してのチームの成長に期待した。セリエAで20度の優勝を誇る世界的ビッグクラブを相手に、失うものはない。
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