スペイン人審判がレアル・マドリードの公式TVチャンネル『レアル・マドリードTV』が行なっている審判批判について涙ながらに語り、大きな波紋を呼んでいる。
26日にコパ・デル・レイ決勝レアル・マドリード対バルセロナが行われるが、試合前日には伝統的に担当審判たちも記者会見に臨む。今回は主審のデ・ブルゴス・ベンゴエチェア氏、VAR担当のゴンサレス・フエルテ氏が会見に出席したが、そこではやはりというべきか、『レアル・マドリードTV』が展開する審判批判について話題に上った。
バルセロナの審判買収疑惑“ネグレイラ事件”もあって、スペインの審判制度の改革を求めるレアル・マドリードは、その運動の一環として地上波でも放送されている『レアル・マドリードTV』を通じ、自分たちの試合を担当した審判を痛烈に批判してきた。ベンゴエチェア氏は何度も批判を受けてきた審判であり、『レアル・マドリードTV』は今回のコパ決勝直前にも、同氏の能力や実績を疑問視しながら、これまでの判定を非難する映像を公開している。
このような『レアル・マドリードTV』からの批判について、今回の会見ではまずゴンサレス・フエルテ氏が発言。同氏は『レアル・マドリードTV』だけに限定せず、審判に憎悪が集まるような状況が存在していることを嘆き、それに対して何かしらのアクションが取られることも示唆している。
「問題は言葉そのものよりも、その言葉が生じさせる結果だ。私たちは現在、SNS上で匿名の人たちが、何の制限もなしに侮辱や脅迫を行っているのを目の当たりにしている。クラブの公式アカウントを担当している人たちでさえ、私たちに対して繰り返し攻撃的な発信をしている。選手たちの振る舞いやクラブの声明、私たちが責任を負わず決定を下していると人々に思わせているんだ」
「そしてその結果として、“(試合を)盗まれた”といった汚い言葉で審判を非難するような現象が起きる。そうしたフラストレーションは、子供の試合で審判をする少年少女たちにも向けられることになるんだ。それこそがフットボールファミリーの頭に銃の照準を合わせるという意味であり、生じている結果なんだよ。全員のために、より健全なフットボールの在り方に立ち返ることが必要だ」
「今、起きているようなことを許し続けるわけにはいかない。間もなく、何かしらのニュースがあなたたちのもとに届くはずだ。このまま黙って我慢し続けることはできない。そのために私たちは、新たな歴史をつくることになる」
そして『レアル・マドリードTV』からの批判について見解を求められたベンゴエチェア氏は、途中で涙を流して声を詰まらせながら、次のように語っている。
「私たちは道を間違えているのだと思う。この戦争のような雰囲気に対して、解決法を見つけなくてはいけない」
「息子が学校で、他の子たちから自分の父親が盗人だと言われるのは、たまらない。私にできるのは審判の仕事がどういうものかを教え、自分の父親が誠意を込めてその仕事をしていると伝えることだけだ。私たちがどこへ向かっていきたいのかは、それぞれが考えればいい。ただ知っていてほしいのは、非常に辛い現実があるということだ」
すると、この審判たちの会見に対してレアル・マドリードが反応。声明でもって、遺憾の意を表明した。
「本日、コパ・デル・レイ決勝を担当する審判たちが公で発言した内容は、レアル・マドリードにとって受け入れられるものではありません」
「彼らの発言は、表現の自由に保護された『レアル・マドリードTV』というメディアが公開した映像に対して、驚くべき形でフォーカスを当てていました。彼らは試合の24時間前、決勝に参加するクラブの一つに対して、予め考えていた言葉を口にしたのです。これにより、その審判たちがレアル・マドリードに対して反感や敵意を抱えていることが、改めて、明確な形で示されました」
「この深刻な事態を前に、レアル・マドリードはRFEF(スペインサッカー連盟)および審判組織(審判技術委員会、CTA)が、その威信を守るために適切な手段を講じることを期待しています」
レアル・マドリードはこの声明のほか、抗議によってカルロ・アンチェロッティ監督や主将ルカ・モドリッチの会見や、前日練習を中止するなどしている。
スペイン『マルカ』や『アス』によれば、レアル・マドリードは今回のコパ決勝の担当審判を変更することを求めており、もしRFEFおよびCTAがそれを受け入れない場合、試合をボイコットすることすら示唆しているという。現状RFEFらに変更する意思はなく、コパ決勝が開催されないのではないかと、スペイン全国のフットボールファンが成り行きを見守っている。
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