松下信治氏が因縁の相手マゼピンに言及「悪童。礼儀やリスペクトもない感じ」一方でバカンスに誘われた逸話も｜F1

レーシングドライバーの松下信治氏が、かつてF2で戦った因縁の相手ニキータ・マゼピンについてエピソードを語った。

2020年のシーズン途中までF2での戦いに身を投じていた松下氏は、2019年、2020年と2シーズンにわたりマゼピンと同一カテゴリーで戦った。

現在ハースF1チームに籍を置き、今季F1デビューを果たしたマゼピン。ロシア人ドライバーは大富豪の息子ということもあり、奔放な性格、素行の悪さなどで大きく注目を集めている。また、レースにおいても危険なシーンを創出することから、その実力については懐疑的な見方をする専門家も少なくない。

そのマゼピンについて松下氏は「ニキータに関してはもう悪童ですよね。ドライビングもすごい荒いですし、礼儀とかリスペクトもあまりない感じ」と間近に見てきた経験を踏まえて述べている。「WEDNESDAY F1 TIME#22」で語った。

「だいぶ危なかったですよね。僕はロシアで59Gのクラッシュがあったんですけど、あのときはニキータが完全にコース外から飛んできて。バーン！とぶつかったんです。怒りはもちろんあるんですけど、ゴメンな、とかその後一切ないんです。それが一切ないのは、彼の育ってきた環境がそうさせているのかなと」

松下氏が語ったこのクラッシュは、2019年F2ロシア・ソチでのスプリントレースのこと。オーバーランしたマゼピンがコース復帰を図るも、レースライン上にいる松下のマシンに突っ込むという危険なシーンを創出した。59Gの大クラッシュで松下は一時意識を失い、病院へと緊急搬送されることに。前述のとおり、松下氏は大クラッシュを誘発したマゼピンから、謝罪されることがなかった模様だ。なお、マゼピンのこの危険行為についてはスチュワード裁定で次戦ヤス・マリーナでの15グリッドペナルティが科されている。

松下氏はマゼピンについて“悪童”と言明した一方で、バカンスに誘われるなど、必ずしも関係性が悪くはなかったとも明かした。

「日本でもレースをやってきた相手の中にお金持ちはいますけど、ニキータは次元が違った。スケールも大きいし、一緒にレースをしていても楽しかったですよ」

「一回サマーブレイクの時に“明日からイビサに行くから一緒に来るか？”って誘われたんですよ。で、どうやって行くの？飛行機？って聞いたら“いやいや、俺の飛行機で行くんだよ”って話を受けて。もうレベルが違うなって思いましたね」

「彼は自分で島も持っていて、その半分を（セレブに）貸しているらしいです。僕は結局マゼピンと一緒に行かなかったんですけどね」

ロシア最大級の化学薬品会社会長を父に持つニキータ・マゼピン。大富豪の家に育ったロシア人ドライバーはサーキット内外問わず、ライバルも驚くような奔放ぶりを見せていたようだ。

なお、松下氏がエピソードを語った「WEDNESDAY F1 TIME #22」は『DAZN』で配信されており、8月25日夜まで視聴可能となっている。

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