2024シーズンのF1は24戦で行われ、同一シーズンにおける過去最多のレース数となった。
現行レギュレーション最終シーズンとなる2025年は各チーム、及びパワーユニットメーカーは早くも新規定の2026年に向けて注力している。
前年に続き、2025年も過去最多タイの全24戦となる。
2025年のF1は第24戦アブダビGPを残すのみとなった。
終盤トリプルヘッダーの2レース目、第23戦カタールGPでは土曜日のスプリントレースを制したオスカー・ピアストリが8ポイントを獲得し、タイトルレースの2番手としてランド・ノリスに一歩近づいた。
日曜の決勝でもポールスタートとなり、優勝に最も近い存在がオーストラリア人ドライバーかと思われた。
このカタールGP決勝では、タイヤの安全面を配慮し、各タイヤは25ラップまでしか使えないという特別ルールが設けられていた。そのため57周のレースは2度のタイヤ交換、第3スティント突入が不可避となる。
決勝では序盤の7周目に突入し、ターン1立ち上がりでピエール・ガスリーとニコ・ヒュルケンベルグが接触すると、ヒュルケンベルグはその場でマシンストップ。
これで7周目の途中からセーフティーカー導入となった。この時点でマクラーレン勢はチーム内で作戦を分けることができず、かつトラックポジションを失うわけにもいかず2台そろってステイ戦略へ。一方でマックス・フェルスタッペンを始め、マクラーレン勢以外のドライバーが全員ピットインを敢行し、タイヤ交換を終えた。
これでレースは残り1度のピットストップ(25周+25周)で最後まで走りきれる計算となる。一方のマクラーレン勢2台はまだ2度のタイヤ交換が必要となった。そのうえ、タイヤ交換を終えてピットアウトした際、トラフィックに引っかかる可能性が高いという懸念も。
7周目のセーフティーカー発動時、迷わずピットに入ったことでストラテジー的に追い風となったのはフェルスタッペンだった。完走を逆算すると残り25ラップの32周目に再度ピットインする必要はあるが、他のドライバーも軒並み同じタイミングでタイヤ交換をする必要があり、トップを走行するフェルスタッペンとしては同一周回のライバルに前を塞がれる心配がなくなる。
結局フェルスタッペンはトップ独走でペースコントロールしながら57周のトップチェッカーを受け、今季7勝目をマーク。勝利数でもノリス、ピアストリと並び、3人が今季7勝となった。
P2ピアストリ、P3カルロス・サインツと続き、ノリスはP4でのフィニッシュ。これであと1レースを残してドライバーズポイントは総合首位ノリス(408点)、2位フェルスタッペン(396点)、3位ピアストリ(392点)となり、ワールドチャンピオンはアブダビGPで決することになった。
3人以上のドライバーにチャンピオンの可能性を残して最終戦を迎えるのは、2010年以来15年ぶりのこと。この時はセバスチャン・ベッテル、フェルナンド・アロンソ、マーク・ウェバー、ルイス・ハミルトンら4人による争いだった。このように、近年ここまで王座がもつれる状況は極めて珍しいと言える。
ルサイルでは角田裕毅も存在感を示した。金曜日のスプリント予選では、僚友フェルスタッペンのP6を上回る5番手でセッションを終える。スプリント予選及び予選でフェルスタッペンがチームメイトに敗れたのは440日ぶり(2024年アゼルバイジャンGP予選|セルジオ・ペレスP4/フェルスタッペンP6)のこと。
土曜日のスプリントレースで角田は5番手でレースを終え、4ポイントを奪取。だが同日夜の予選では振るわず16番手。他車のグリッド降格により15番グリッドからレース開始となった決勝では、10位まで順位を押し上げ、1ポイントを奪取している。
だがそれから2日後の12月2日、レッドブルF1チームは来季の陣容についてフェルスタッペン&イザック・アジャーのセットで臨むことを正式発表した。レーシングブルズはリアム・ローソン&アービッド・リンドブラッドのドライバーセットで確定。
角田はレギュラーシートを失い、新規定の2026年はレッドブルのリザーブ兼テストドライバーとして尽力することになった。
そんな状況下、角田にとって2025年最終戦アブダビGPはモチベーションの維持が難しいところかもしれないが、できる限りのことをしてチームに貢献しなくてはならないシチュエーションでもある。現状、レギュラードライバーとしては一区切りのレースとなるだけに、良い形で2025年を締めくくることができるのか焦点になる。F1初年度の2021年アブダビGPはフェルスタッペンvsルイス・ハミルトンの直接対決が語り草となっているレースながら、この一戦は角田にとってF1キャリア最上位の4位という結果だった。5年目のラストレースはそれを上回る躍進を期待したい。
2025年最終戦アブダビGPはどのような結末が待っているのか。現行レギュレーションのピリオドをしっかり見届けよう。
| 日時 | 配信内容 | 解説・実況 |
|---|---|---|
| 12月5日(金)18:30~ | フリー走行1回目 | コメンテーター:浅木泰昭 実況:サッシャ |
| 12月5日(金)22:00~ | フリー走行2回目 | 解説:柴田久仁夫 実況:笹川裕昭 |
| 12月6日(土)19:30~ | フリー走行3回目 | 解説:笹原右京 実況:笹川裕昭 |
| 12月6日(土)23:00~ | 予選 | 解説:中野信治 実況:サッシャ |
| 12月7日(日)22:00~(配信開始21:00~) | 決勝 | 解説:中野信治 実況:サッシャ |
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アラブ首長国連邦のアブダビにあるヤス島に建設されたサーキット。市街地コースではなく、完全なパーマネントサーキットとして2009年に建設され、現在に至るまでアブダビGPの舞台として使用されている。
2020年までは高速コーナーから低速コーナーまでバラエティ豊かな21のターンがあるコースとなっていたが、2021年より複合カーブや一部シケインなどが統合されてターン数は16に減少。セクター2序盤にあったシケインからのヘアピンカープも構成が大きく変更され、ゆるかやなヘアピンへと変わっている。
その他、セクター3の複数コーナーも統合されるような形でターン数が減り、2021年から高速コース特性が強まることとなった。
オーバーテイクポイントはDRSとストレートエンドのターン6、ターン9となる。2021年の最終戦アブダビGPでは、ファイナルラップのターン5でマックス・フェルスタッペンがルイス・ハミルトンのインを突き、最後の1周で逆転したことも。同年のドライバーズタイトルはこれで決した。この区間も要注目の勝負どころとなる。
(C)DMM
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2024年のF1最終戦、第24戦アブダビGP決勝は現地時間2024年12月8日に行われた。
現地ヤス・マリーナ・サーキットは日没時間直前で気温27℃、路面温度33℃のドライコンディションでレース開始時刻を迎えた。
20名中19人がミディアムを第1スティントに選択。16番グリッドのルイス・ハミルトンのみがハードを選んだ。
58周のレースがブラックアウトとなりポールスタートのランド・ノリスがトップでターン1に入っていく。
すぐ背後のオスカー・ピアストリとマックス・フェルスタッペンが接触し、両者スピン。11番グリッドの角田裕毅はスタートで出遅れ、一時19番手までポジションを下げた。
ターン6~7ではバルテリ・ボッタスとの接触でセルジオ・ペレスがスピンし、最後尾まで下がっている。
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レースはノリス、カルロス・サインツ、ピエール・ガスリー、ジョージ・ラッセル、ニコ・ヒュルケンベルグ、フェルナンド・アロンソ、ケビン・マグヌッセン、チャールズ・ルクレール、ランス・ストロール、リアム・ローソンの順番で2周目に入った。角田は17番手となっている。
すると2周目の途中、セクター3のターン10でペレスがストップしたため、レースはここでバーチャルセーフティーカーとなる。ペレスはオープニングラップでレースを終えることとなった。
3周目のセクター2途中からVSC終了でレース再開となり、ここから各ポジションで接近戦が繰り広げられる。
フェルスタッペンにはスタート直後ピアストリとの接触を引き起こしたとして、10秒ペナルティが科されている。ボッタスにも10秒加算とのスチュワード裁定になった。
後方19番手スタートだったルクレールは7周目には7番手までポジションを押し上げている。10周目にはアロンソも抜いてP6に浮上。
レースはノリスが先導し、2番手サインツとの差は11周目には3.5秒まで広がった。ノリスはペースコントロールしながら、トップを快走する状況に。
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13/58周目あたりから、トラブルのない一部のドライバーたちが最初のピットインを行い始める。この早いタイミングのピットインは2ストップとなる見通し。
21周目にはP4まで浮上したルクレールがピットに入り、ハードに履き替えた。ここから1ストップ作戦組もタイヤ交換を行う流れに。
角田は23/58周目にピットへと入り、ミディアムからハードにつないだ。VCARB勢はミディアムとハードを1セットずつしか持っていないこともあり、角田は何もなければここから最後まで走り切る流れとなる。
その翌周にはリアム・ローソンがピットに入るも、ピットアウト後には左フロントのタイヤがハマっていないと無線で報告。その次の周には再度ピットに入り、ローソンは18番手まで順位を落としてしまった。さらにはアンセーフリリースでのペナルティも科される事態に。
折り返しの29/58周を終えた時点で、まだピットに入っていないのはハードスタートのハミルトンのみ。
この29周目時点でトップはノリスで2秒後方にサインツ、3番手に12秒差でハミルトン、その7秒後方に4番手ルクレールと続いた。
フェルスタッペンは30周目までミディアムで粘ったものの、10秒のピットストップを消化したうえでハードに履き替え、11番手でトラックに復帰した。
この30周目のターン6では、マグヌッセンがボッタスを抜こうとするも、ボッタスがタイヤをロックさせて、アウトから抜こうとしたマグヌッセンと接触し両者スピン。ボッタスはその後ピットまで戻ったが、右フロントアームが破損していることもあり、リタイアを余儀なくされた。
ハミルトンは35周目にピットへと入り、ハードからミディアムに変更。これで全車タイヤ交換義務を終えた。
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37周目時点でトップはノリス、2番手2.7秒後方にサインツ。その20秒後方に3番手ルクレール、その3秒後方に4番手ラッセルとなり、トップ2であるノリスvsサインツだけが別次元の周回を重ねていく。
角田は残り18周の41/58周時点でP10を走行。後方からは複数ピットストップ組のアロンソとピアストリが迫っているため、角田としては入賞圏内の当落線上で走り続ける状況となる。
46周目に入ると、角田はアロンソとピアストリが背後に付く。だが46周目アロンソに、49周目には粘り続けたもののピアストリにかわされ、角田はP12に下げてしまった。
ファイナルラップに入ったタイミングのターン5立ち上がり、ローソンはマシントラブルでストップするも、退避したこともありセクター2はイエローフラッグからグリーンフラッグに。
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結局ノリスがポールトゥフィニッシュで最終レースを制し、2024年の4勝目となった。マクラーレンが1998年以来、26年ぶりとなるコンストラクターズタイトルを奪取している。
2位には5.8秒差でサインツ、そこから26秒差で3位ルクレールとなった。ルクレールは19番手から表彰台圏内でフィニッシュしたこともあり、ドライバー・オブ・ザ・デイにも選出された。
メルセデスでのラストレースとなるハミルトンはファイナルラップのターン9立ち上がりで僚友ラッセルを抜き、4位フィニッシュ。ラッセルはP5でチェッカーを受けた。
6位フェルスタッペン、7位ガスリー、8位ヒュルケンベルグと続き、ガスリーが6ポイントを奪取したため、最後ヒュルケンベルグ(41点)をまくって42点のガスリーがドライバーズランキング10傑に入った。
9位アロンソ、10位ピアストリまでが入賞となっている。
角田は結局P12でのフィニッシュ。スタートの出遅れが大きく響いたものの、粘りの走りを見せて2024年の最終戦を終えた。
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1/ランド・ノリス/マクラーレン
2/カルロス・サインツ/フェラーリ
3/チャールズ・ルクレール/フェラーリ
4/ルイス・ハミルトン/メルセデス
5/ジョージ・ラッセル/メルセデス
6/マックス・フェルスタッペン/レッドブル
7/ピエール・ガスリー/アルピーヌ
8/ニコ・ヒュルケンベルグ/ハース
9/フェルナンド・アロンソ/アストンマーティン
10/オスカー・ピアストリ/マクラーレン
11/アレクサンダー・アルボン/ウィリアムズ
12/角田裕毅/VCARB
13/チョウ・グァンユ/キックザウバー
14/ランス・ストロール/アストンマーティン
15/ジャック・ドゥーハン/アルピーヌ
16/ケビン・マグヌッセン/ハース
17/リアム・ローソン/VCARB
-/バルテリ・ボッタス/キックザウバー
-/フランコ・コラピント/ウィリアムズ
-/セルジオ・ペレス/レッドブル
| レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
|---|---|---|---|
| 第1戦 | オーストラリアGP | 3月14日(金) ~15日(土) | 3月16日(日) |
| 第2戦 | 中国GP | 3月21日(金) ~22日(土) | 3月23日(日) |
| 第3戦 | 日本GP | 4月4日(金) ~ 5日(土) | 4月6日(日) |
| 第4戦 | バーレーンGP | 4月11日(金) ~ 12日(土) | 4月13日(日) |
| 第5戦 | サウジアラビアGP | 4月18日(金) ~ 19日(土) | 4月20日(日) |
| 第6戦 | マイアミGP | 5月2日(金) ~ 3日(土) | 5月4日(日) |
| 第7戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5月16日(金) ~ 17日(土) | 5月18日(日) |
| 第8戦 | モナコGP | 5月23日(金) ~ 24日(土) | 5月25日(日) |
| 第9戦 | スペインGP | 5月30日(金) ~ 31日(土) | 6月1日(日) |
| 第10戦 | カナダGP | 6月13日(金) ~ 14日(土) | 6月15日(日) |
| 第11戦 | オーストリアGP | 6月27日(金) ~ 28日(土) | 6月29日(日) |
| 第12戦 | イギリスGP | 7月4日(金) ~ 5日(土) | 7月6日(日) |
| 第13戦 | ベルギーGP | 7月25日(金) ~ 26日(土) | 7月27日(日) |
| 第14戦 | ハンガリーGP | 8月1日(金) ~ 2日(土) | 8月3日(日) |
| 第15戦 | オランダGP | 8月29日(金) ~ 30日(土) | 8月31日(日) |
| 第16戦 | イタリアGP | 9月5日(金) ~ 6日(土) | 9月7日(日) |
| 第17戦 | アゼルバイジャンGP | 9月19日(金) ~ 20日(土) | 9月21日(日) |
| 第18戦 | シンガポールGP | 10月3日(金) ~ 4日(土) | 10月5日(日) |
| 第19戦 | アメリカGP | 10月17日(金) ~ 18日(土) | 10月19日(日) |
| 第20戦 | メキシコGP | 10月24日(金) ~ 25日(土) | 10月26日(日) |
| 第21戦 | サンパウロGP | 11月7日(金) ~ 8日(土) | 11月9日(日) |
| 第22戦 | ラスベガスGP | 11月20日(木) ~ 21日(金) | 11月22日(土) |
| 第23戦 | カタールGP | 11月28日(金) ~ 29日(土) | 11月30日(日) |
| 第24戦 | アブダビGP | 12月5日(金) ~ 6日(土) | 12月7日(日) |