
2025シーズン限りで数年続いたF1のレギュレーションが一区切りとなり、2026年は新規定で新たな戦いがスタートする。
キャデラックが加わり全11チームに拡大し、パワーユニットはレッドブル・パワートレインズがフォードとタッグを組み、さらにはアウディが加わる形に。一方でアルピーヌが自社製PUではなく、メルセデスPUのカスタマーとして参戦。5メーカーがPUを供給する状況となっている。
2026年は当初、年間24レースで過去最多タイの戦いとなるはずだった。だが2026年3月14日、中東情勢が不安定化していることもあり、第4戦バーレーンGP、第5戦サウジアラビアGPが開催見送りと発表された。
しばらくは22レースで実施されるカレンダーとなっていたが、7月26日にFIAはバーレーンGPを、第16戦としてマレーシアにて代替開催すると正式発表した。これで第15戦アゼルバイジャン、第16戦バーレーンGP(マレーシア)、第17戦シンガポールGPはトリプルヘッダーとなる予定。そしてレース数も全23戦となる見通し。
初開催となった新設マドリンクでの激闘をもって、今季のF1は西ヨーロッパにおける戦いに幕を下ろした。戦いの舞台はいよいよ秋のアジアラウンドへと移り、その初陣として第15戦アゼルバイジャンGPがバクー市街地コースで開催される。
前戦のスペインGPでは、メルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリが今季8勝目をマークした。レース終盤、後方にいるマックス・フェルスタッペン、ランド・ノリスらを寄せ付けず、マドリンクの初代ウイナーとなった。これでアントネッリはチャンピオンシップのポイントを292点まで伸ばし、総合2位のチームメイト、ジョージ・ラッセルに81点の大差をつけて独走態勢をさらに固めている。
一方、マクラーレンのノリスにとっては悔しさの残る一戦となった。予選ではチーム代表が“傑作”と評した圧巻のアタックでポールポジションを獲得したものの、決勝では不運なタイミングでのバーチャルセーフティカー(VSC)導入により後退。それでも粘り強い走りで3位表彰台をもぎ取り、現王者としての意地を見せている。僚友オスカー・ピアストリも8位に入ったが、バクーでのバウンスバックを強く期しているはずだ。
次なる舞台となるバクー市街地コースは、マドリンクから続く市街地戦とはいえ、その特性は大きく異なる。全長約6キロのコースは、旧市街を縫って走る超低速の極細セクションと、全開区間が長く続く超高速ストレートが極端に混在する特異なレイアウトだ。ダウンフォースを削ってストレートスピードを稼ぐか、コーナーでの安定性を重視するか。各チームは相反する要素の妥協点を見出すシビアなセットアップ作業を強いられる。
メルセデスの優位が続くなか、空力効率とトップスピードに自信を持つチームにとっては、バクーのロングストレートは反撃の絶好のチャンスとなる。前戦で早々のブレーキトラブルによりリタイアを喫したルイス・ハミルトン(フェラーリ)の戦いぶりにも注目が集まる。
また、中団グループの争いも熾烈だ。アルピーヌはフランコ・コラピントが前戦で7位、ピエール・ガスリーが12位に入った。対するレーシングブルズはアーヴィッド・リンドブラッドが9位に入るなど、わずかなポイントを巡る攻防が毎戦繰り広げられている。過去に幾度となく劇的な展開を生んできたバクーでは、セーフティカー導入のタイミングひとつで彼らに表彰台のチャンスが転がり込む可能性も十分にあり得る。
ヨーロッパラウンドを終え、ここからは少しのミスも許されない終盤戦の領域へと足を踏み入れていく。カレンダー屈指の波乱を呼ぶバクー市街地コースで、アジア・中東ラウンドの初戦を制するのは果たして誰か。
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アゼルバイジャンにF1が初上陸したのは2016年。ロシアとカスピ海に接するこの小国は、産油国として急激な経済発展を遂げ、近代的なビル群と古い城壁都市の建築物が並び立っている。
ヨーロッパからは地理的に近く、新しい国での開催を希望するF1側と、ヨーロッパをはじめ外国からの観光客誘致に取り組む現地の主催者の利害が一致して、グランプリ開催が決定した。初年度は「ヨーロッパGP」の名称で行われ、翌年から「アゼルバイジャンGP」として現在に至っている。
ユニークなコースレイアウトは、数多くのサーキットを手掛けるヘルマン・ティルケが、首都バクー市街地の公道を基に設計。2kmを超える特徴的なストレートを持つ「超高速・市街地サーキット」というこれまでにない、新しいタイプのサーキットを完成させた。
毎年リタイアが多いグランプリとして知られており、意外なドライバーが表彰台に上がるなど、波乱は必至。予想だにしない事象が起こる点も含め、スペクタクルなレースが見られることだろう。
また、2017年のアゼルバイジャンGPスタート以来、カレンダー上では第4戦~第8戦とこれまでは前半戦の一つに設定されていた。2024年には秋開催が慣例だった日本GPと入れ替わる形で、後半戦にスライドとなった。2024年、2025年とカレンダー上では、このアゼルバイジャンGPが欧州ラウンド最終戦という位置づけでもある。
2025年9月20日、アゼルバイジャンGPのFP3実施のタイミングで2030年まで契約延長が確定したとアナウンスされた。
| 日時 | 内容 |
|---|---|
| 9月24日(木)17:30~ | フリー走行1回目 |
| 9月24日(木)21:00~ | フリー走行2回目 |
| 9月25日(金)17:30~ | フリー走行3回目 |
| 9月25日(金)21:00~ | 予選 |
| 9月26日(土)20:00~ | 決勝 |
Formula 1
カスピ海沿いを猛スピードで駆け抜ける2キロ近い超ロングストレートなどの高速エリアと、世界遺産に登録された狭い旧市街地を周る低速エリアを併せ持つ、ユニークな市街地コースだ。レースは51周で決する。
セクター1はストレートと90度コーナーをつないだレイアウト。非常に狭いコース幅とアップダウンのあるテクニカルなセクター2を抜けると、セクター3は曲がりの小さいコーナーがあるものの、ほぼ全域をフルスロットルで走り抜ける。
オーバーテイクポイントはターン1。長いストレートの影響で、ある程度離れていてもスリップストリームが効くこともあり、追いつくことができれば抜き去ることは比較的容易と言える。しかし、ガードレールに囲まれた市街地コースのため、その他のポイントでのオーバーテイクはあまり見られない。
過去のレースを見ると、トップスピード重視のセッティングが有利とされており、やはりエンジンパワーがものをいう。各メーカーによる力比べが見られることだろう。
また、ウォールに囲まれた市街地コースであることから、セーフティーカー導入となる可能性も十分にある。2017年にはセーフティーカーのタイミングで、ルイス・ハミルトンのブレーキングにいら立ったセバスチャン・ベッテルが追突してしまうというアクシデント&心理戦も繰り広げられた。
2021年にはマックス・フェルスタッペンとランス・ストロールがタイヤバーストにより突如リタイアするという事態も。当時と現行規定でタイヤの規定こそ異なるが、タイヤの使い方も一つのポイントとして注目したい。
Red Bull Content Pool
2025年のF1第17戦、アゼルバイジャンGP決勝は2025年9月21日行われた。
現地バクーは晴天、ドライ路面でレース開始時刻を迎えた。気温21℃、路面温度27℃となっている。
今回は予選18番手だったエステバン・オコンがウイングのたわみに規定違反があったため、予選失格で最後尾スタートとなっている。
第1スティントにマックス・フェルスタッペンや角田裕毅のレッドブル勢含む9台がハードを選択。11台がミディアムと、使用コンパウンドは二分される状況となった。
51周のレースがシグナルライツアウトとなり、90度コーナーのターン1にマックス・フェルスタッペン、カルロス・サインツ、リアム・ローソン、アンドレア・キミ・アントネッリの順番で入っていった。
P6スタートの角田裕毅はターン2でジョージ・ラッセルをパスするも、ターン3で抜き返されラッセル5番手、角田6番手となる。
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すると1周目のターン6、スタートで出遅れたオスカー・ピアストリがブレーキに失敗してクラッシュ。ポイントリーダーがオープニングラップでまさかのリタイアとなり、レースはすぐさまセーフティーカーとなった。
また、ピアストリのノーポイント確定となったため、同レースでの今季コンストラクターズタイトル決定は持ち越しとなっている。
この時点でトップはフェルスタッペン。2番手サインツ、以下ローソン、アントネッリ、ラッセル、角田、イザック・アジャー、ランド・ノリス、チャールズ・ルクレール、ルイス・ハミルトンという並びになった。
セーフティーカーにより、アレクサンダー・アルボンとオコンはタイヤ交換を行い、義務を消化。
5/51周目よりローリングスタートでレース再開となる。ラッセルがターン1立ち上がりでペースを失い、角田がパスして5番手に浮上している。
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ここから角田はP5を守り続けるも、10周目のターン3でラッセルにかわされ、P5ラッセル、P6角田となった。
13/51周目時点でレースリーダーはフェルスタッペン。3.4秒差でP2サインツ、その2.3秒後ろに3番手ローソン、そのすぐ背後に4番手アントネッリ、1秒差で5番手ラッセル、そこから1.9秒後方に6番手角田となっている。角田としては後ろからルクレール、ノリスが迫っていることもあり、前との差を詰めたいところ。
17周目のターン4ではアレクサンダー・アルボンとフランコ・コラピントが接触し、コラピントがスピン。アルボンも右フロントウイングのエンドプレートが落ち、ダメージを受けている。アルボンはこの接触で10秒ペナルティの対象となった。
19/51周目にP4走行中のアントネッリがピットに入り、ミディアムからハードにつなぐ。ルクレールは20周目、ローソンは21周目にタイヤ交換を行っている。
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折り返しの26周目時点でトップは一人旅状態のフェルスタッペン。2番手は9秒差でサインツ、その2.6秒後方に3番手ラッセル、そこから4.6秒差で4番手角田となっている。ハードの角田は、ミディアムの5番手ノリスとの差を2.2秒まで広げた。
2番手走行サインツは28周目にピットへと入り、ミディアムからハードに変更。アントネッリの前方でコースに復帰している。
ハードの第1スティントを続けている角田は3番手を走行。4番手ノリスとの差は一度1.4秒まで詰められたが、ペースを上げて角田は36/51周目には2秒まで広げた。あとはどこでピットストップをするのか、それともセーフティーカーやバーチャルセーフティーカーが入るような千載一遇のチャンスが生じるのかがカギに。
4番手ノリスは38/51周目にピットイン。ミディアムからハードにつなぐも、ピットストップで4.1秒と、2秒ほどロスする形に。これでピットアウトするとローソン、ルクレールの後方となっている。
これを受けて角田は次の39周目にピットへと入り、ハードからミディアムにチェンジ。2.2秒でピットアウトするとターン1では角田がローソンより前。だがターン3でローソンに抜かれ、5番手ローソン、6番手角田となった。角田はタイヤを温めながら、再度ローソンと戦うことになる。
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2番手走行のラッセルは40/51周目にタイヤ交換義務を消化。ピットアウトするとサインツの前、そのままP2となっている。
トップのフェルスタッペンは41周目にハードからミディアムに変更し、ピットアウトするとラッセルの12秒前。盤石のレースを見せている。6番手角田はタイヤが温まってくると、前方ローソンとの差を狭めていく。
ローソンから角田、ノリスとトレイン状態となり、ここからつば競り合いが続く。角田としては後ろのノリスに仕掛けられるよりも前に、ローソンを抜きたい展開。46/51周目には5番手争い、ローソンから続くトレインにP8ハミルトンも加わってくる。
ローソンはストレート重視のセットアップにしていることもあり、角田はDRSで迫るもなかなかストレートエンドで抜くことができない。
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トップのフェルスタッペンは50周目にファステストラップを更新し、51周目のトップチェッカーを受けポール・トゥ・ウィンで同年4勝目。全周ラップリーダー、そしてFLも手にするグランドスラムでバクーの一戦を制している。前レースのモンツァから続いて2連勝となった。
なお、フェルスタッペンのグランドスラムはキャリア6度目。これはハミルトンの6度と並んで歴代最多タイ。
2位は14.6秒差でラッセルが入り、そこから4.5秒差で3位サインツまでが表彰台となった。ウィリアムズの表彰台は2021年ベルギーGP(ラッセル)以来となる。
4位アントネッリとなり、5位はローソン。角田はDRS圏内で何度もローソンに迫るも、抜けずにP6となっている。それでもレッドブル加入後最多ポイントの1レース8点を手にした。ドライバーズランキングでもピエール・ガスリーと並ぶ20点になり、総合19位から17位に浮上している。
7位はノリス。ピアストリがリタイアとなったこともあり、両者のポイント差は31点から25点に狭まった。
8位ハミルトン、9位ルクレール、10位アジャーまでが入賞となった。
Red Bull Content Pool
1/マックス・フェルスタッペン/レッドブル
2/ジョージ・ラッセル/メルセデス
3/カルロス・サインツ/ウィリアムズ
4/アンドレア・キミ・アントネッリ/メルセデス
5/リアム・ローソン/レーシングブルズ
6/角田裕毅/レッドブル
7/ランド・ノリス/マクラーレン
8/ルイス・ハミルトン/フェラーリ
9/チャールズ・ルクレール/フェラーリ
10/イザック・アジャー/レーシングブルズ
11/ガブリエウ・ボルトレート/キックザウバー
12/オリヴァー・ベアマン/ハース
13/アレクサンダー・アルボン/ウィリアムズ
14/エステバン・オコン/ハース
15/フェルナンド・アロンソ/アストンマーティン
16/ニコ・ヒュルケンベルグ/キックザウバー
17/ランス・ストロール/アストンマーティン
18/ピエール・ガスリー/アルピーヌ
19/フランコ・コラピント/アルピーヌ
-/オスカー・ピアストリ/マクラーレン
| レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
|---|---|---|---|
| 第1戦 | オーストラリアGP | 3月6日(金) ~7日(土) | 3月8日(日) |
| 第2戦 | 中国GP | 3月13日(金) ~14日(土) | 3月15日(日) |
| 第3戦 | 日本GP | 3月27日(金) ~ 28日(土) | 3月29日(日) |
| 第4戦 | マイアミGP | 5月1日(金) ~ 2日(土) | 5月3日(日) |
| 第5戦 | カナダGP | 5月22日(金) ~ 23日(土) | 5月24日(日) |
| 第6戦 | モナコGP | 6月5日(金) ~ 6日(土) | 6月7日(日) |
| 第7戦 | バルセロナ・カタルーニャGP | 6月12日(金) ~ 13日(土) | 6月14日(日) |
| 第8戦 | オーストリアGP | 6月26日(金) ~ 27日(土) | 6月28日(日) |
| 第9戦 | イギリスGP | 7月3日(金) ~ 4日(土) | 7月5日(日) |
| 第10戦 | ベルギーGP | 7月17日(金) ~ 18日(土) | 7月19日(日) |
| 第11戦 | ハンガリーGP | 7月24日(金) ~ 25日(土) | 7月26日(日) |
| 第12戦 | オランダGP | 8月21日(金) ~ 22日(土) | 8月23日(日) |
| 第13戦 | イタリアGP | 9月4日(金) ~ 5日(土) | 9月6日(日) |
| 第14戦 | スペインGP | 9月11日(金) ~ 12日(土) | 9月13日(日) |
| 第15戦 | アゼルバイジャンGP | 9月24日(木) ~ 25日(金) | 9月26日(土) |
| 第16戦 | バーレーンGP | 10月2日(金) ~ 3日(土) | 10月4日(日) |
| 第17戦 | シンガポールGP | 10月9日(金) ~ 10日(土) | 10月11日(日) |
| 第18戦 | アメリカGP | 10月23日(金) ~ 24日(土) | 10月25日(日) |
| 第19戦 | メキシコGP | 10月30日(金) ~ 31日(土) | 11月1日(日) |
| 第20戦 | サンパウロGP | 11月6日(金) ~ 7日(土) | 11月8日(日) |
| 第21戦 | ラスベガスGP | 11月19日(木) ~ 20日(金) | 11月21日(土) |
| 第22戦 | カタールGP | 11月27日(金) ~ 28日(土) | 11月29日(日) |
| 第23戦 | アブダビGP | 12月4日(金) ~ 5日(土) | 12月6日(日) |



