2024シーズンのF1は24戦で行われ、同一シーズンにおける過去最多のレース数となった。
現行レギュレーション最終シーズンとなる2025年は各チーム、及びパワーユニットメーカーは早くも新規定の2026年に向けて注力している。
前年に続き、2025年も過去最多タイの全24戦となる見通し。
2025年のF1はサマーブレイク明けの2連戦オランダGPとイタリアGPを終え、中1週を経て欧州ラウンド最終戦となる第17戦アゼルバイジャンGPを迎える。
スピードの殿堂、モンツァでの一戦は予選からマックス・フェルスタッペンがコースレコードを更新する圧巻の走りを見せ、ポールポジションを獲得。決勝序盤は一度ランド・ノリスにトップの座を譲った状況こそあったものの、地力で抜き返すとあとはマクラーレン勢を寄せ付けず。
レース中盤にはミディアムからハードにつなぎ、さらにライバルたちを置き去りにして、最後は後続を19.2秒突き放す圧勝劇で今季3勝目を飾った。
2位はノリス、3位オスカー・ピアストリで決着。レース終盤にはマクラーレン2台が立て続けにピットへと入り、ノリスのピットストップが6秒弱かかるというミスもあったためピットアウト後P2ピアストリ、P3ノリスとなった。その順番はチームオーダー発動によって前後が元通りとなり、ノリス先着。両者のドライバーズポイント差は34点から31点に狭まった。今シーズンのタイトル争いは総合1位のピアストリが優勢であることに変わりはない。
角田裕毅はイタリア・ミラノ在住であり、このモンツァはミラノ近郊にあることから「第2のホームレース」と意気込んだ。予選ではQ3進出の10番手も、ルイス・ハミルトンのグリッド降格により9番手からレーススタート。
ハードの第2スティントに入った直後の28周目、角田はリアム・ローソンをターン1で抜いた後、ターン4シケインの飛び込みで接触があり、角田はこれでマシンにダメージを負った。レースペースがライバル勢に比べて上がらず、その後は入賞圏内の争いから遠ざかり、P13でのフィニッシュとなった。
続く第17戦アゼルバイジャンGPの舞台はバクー市街地コース。超高速特性のロングストレートがある一方で、セクター2の旧市街地は世界遺産の建造物の間を駆け抜ける低速セクションと、異なる特性が求められるトラックでもある。
また、24戦ある今季のカレンダーでアゼルバイジャンGPは欧州最終戦という位置づけでもある。ある程度各チームは新レギュレーションの来季に向けて力を入れている中、果たしてバクーで勢力図に動きはあるのか注目したい。
ウォールに囲まれたコースでもあるためクラッシュによりセーフティーカーや赤旗が出る可能性も十分に考えられる中、どのような決着となるのだろうか。
Getty Images
アゼルバイジャンにF1が初上陸したのは2016年。ロシアとカスピ海に接するこの小国は、産油国として急激な経済発展を遂げ、近代的なビル群と古い城壁都市の建築物が並び立っている。
ヨーロッパからは地理的に近く、新しい国での開催を希望するF1側と、ヨーロッパをはじめ外国からの観光客誘致に取り組む現地の主催者の利害が一致して、グランプリ開催が決定した。初年度は「ヨーロッパGP」の名称で行われ、翌年から「アゼルバイジャンGP」として現在に至っている。
ユニークなコースレイアウトは、数多くのサーキットを手掛けるヘルマン・ティルケが、首都バクー市街地の公道を基に設計。2kmを超える特徴的なストレートを持つ「超高速・市街地サーキット」というこれまでにない、新しいタイプのサーキットを完成させた。
毎年リタイアが多いグランプリとして知られており、意外なドライバーが表彰台に上がるなど、波乱は必至。予想だにしない事象が起こる点も含め、スペクタクルなレースが見られることだろう。
また、2017年のアゼルバイジャンGPスタート以来、カレンダー上では第4戦~第8戦とこれまでは前半戦の一つに設定されていた。2024年には秋開催が慣例だった日本GPと入れ替わる形で、後半戦にスライドとなった。2024年、2025年とカレンダー上では、このアゼルバイジャンGPが欧州ラウンド最終戦という位置づけでもある。
2025年9月20日、アゼルバイジャンGPのFP3実施のタイミングで2030年まで契約延長が確定したとアナウンスされた。
| 日時 | 配信内容 | 解説・実況 |
|---|---|---|
| 9月19日(金)17:30~ | フリー走行1回目 | 解説:田中健一 コメンテーター:浅木泰昭 |
| 9月19日(金)21:00~ | フリー走行2回目 | 解説:柴田久仁夫 実況:笹川裕昭 |
| 9月20日(土)17:30~ | フリー走行3回目 | 解説:田中健一 実況:笹川裕昭 |
| 9月20日(土)21:00~ | 予選 | 解説:中野信治 実況:笹川裕昭 |
| 9月21日(日)20:00~ | 決勝 | 解説:中野信治 実況:サッシャ |
DAZN/Getty Images
カスピ海沿いを猛スピードで駆け抜ける2キロ近い超ロングストレートなどの高速エリアと、世界遺産に登録された狭い旧市街地を周る低速エリアを併せ持つ、ユニークな市街地コースだ。レースは51周で決する。
セクター1はストレートと90度コーナーをつないだレイアウト。非常に狭いコース幅とアップダウンのあるテクニカルなセクター2を抜けると、セクター3は曲がりの小さいコーナーがあるものの、ほぼ全域をフルスロットルで走り抜ける。
オーバーテイクポイントはターン1。長いストレートの影響で、ある程度離れていてもスリップストリームが効くこともあり、追いつくことができれば抜き去ることは比較的容易と言える。しかし、ガードレールに囲まれた市街地コースのため、その他のポイントでのオーバーテイクはあまり見られない。
過去のレースを見ると、トップスピード重視のセッティングが有利とされており、やはりエンジンパワーがものをいう。各メーカーによる力比べが見られることだろう。
また、ウォールに囲まれた市街地コースであることから、セーフティーカー導入となる可能性も十分にある。2017年にはセーフティーカーのタイミングで、ルイス・ハミルトンのブレーキングにいら立ったセバスチャン・ベッテルが追突してしまうというアクシデント&心理戦も繰り広げられた。
2021年にはマックス・フェルスタッペンとランス・ストロールがタイヤバーストにより突如リタイアするという事態も。当時と2025年でタイヤの規定こそ異なるが、タイヤの使い方も一つのポイントとして注目したい。
(C)DMM
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Getty Images
2024年のF1第17戦アゼルバイジャンGP決勝は2024年9月15日に行われた。
現地バクーは晴天、ドライ路面で決勝開始時刻を迎えている。
多くのドライバーが第1スティントにミディアムを選択。角田裕毅もミディアムを装着している。
レースがブラックアウトとなり、大きな混乱はなく各車ターン1へと入っていく。チャールズ・ルクレール、オスカー・ピアストリ、セルジオ・ペレス、カルロス・サインツの順番で2周目に入った。
角田は序盤11番手にいたものの、ターン4でランス・ストロールに当てられてカウル右が損傷した状態となり、5/51周目には16番手までポジションを落としてしまった。
10/51周の時点でトップはルクレール。3.5秒差で2番手ピアストリ、そこから2秒差で3番手ペレス、その3秒後方にサインツ、その4秒後ろにマックス・フェルスタッペンと、上位勢も間隔が開く状況となった。
6番手ジョージ・ラッセル、7番手アレクサンダー・アルボン、8番手フェルナンド・アロンソ、9番手ランド・ノリスと続き、デグラデーションが大きいことから、10周目を過ぎたあたりからピットへと入るドライバーが出てくる。
Red Bull Content Pool
角田はミディアムからハードにつなぐも、ペースが上がらず18周目には無念のリタイアを選択。前レースのイタリアGPから連続でのDNFとなってしまった。
上位勢はほとんどがミディアムを選択したこともあり、折り返しとなる25/51周目にはハード勢を除いてピットインを一通り終えた形に。この時点でトップはピアストリ、僅差で2番手ルクレール、その争いを見ながら1秒後方で3番手ペレスがスキをうかがうという三つ巴の戦いに。4番手サインツはペレスから10秒後方とかなり開いた状況となった。
王者フェルスタッペンはペースが上がらず、7番手を走行。前の第1スティント組、アレクサンダー・アルボンとランド・ノリスにフタをされる形になっている。
バクーはクラッシュなどによりセーフティーカーの出る確率が多いトラックとして知られるも今回はそのようなアクシデントはなく、第1スティントのハード勢はロングスティントとなる。何も起こらないことから、ピットインのタイミングを見計らう手詰まり状態が続いた。
第1スティントのハードで粘り続けた後方スタートのノリスは37/51周目にようやくピットイン。ミディアムにつなぎ、フェルスタッペンの後方7番手でトラックに復帰した。
残り10ラップの42周目に入り、トップのピアストリと2番手ルクレールはDRS圏内の接近戦を続けたまま。3番手ペレスはタイヤを温存しながら、その1秒後方をキープ。4番手サインツもペレスとの差を3秒まで詰めてきた。
トップのピアストリはすぐ後ろのルクレールからあらゆるプレッシャーをかけられながら走行し、それでもノーミスでトップの座を譲らず。残り5周を切ると、ピアストリがペースを上げて2番手との差を広げる。
2番手ルクレールはタイヤを使ってきたこともあり、ピアストリについていけず。3番手ペレス、4番手サインツが迫り、2~4番手が終盤はトレイン状態となった。
Red Bull Content Pool
49周目のターン1ではノリスがフェルスタッペンをパスし、6番手に浮上。Q1敗退という状況から、ポイントリーダーであるフェルスタッペンよりも前へ出ることに成功した。
ここまでクリーンな展開が続いていたが、終盤に波乱が起こる。50/51周目のターン1~2で、ルクレールとペレスがやり合い、この争いにサインツも加わる。ターン2の立ち上がりでサインツとペレスのタイヤが接触し、これで両者はもつれながらウォールへとクラッシュ。2人ともリタイアとなってしまった。
レースはバーチャルセーフティーカーとなり、そのまま51周目のフィニッシュチェッカーを受けることに。ピアストリが同年&キャリア2勝目(当時)となった。2位ルクレールはバクーで4年連続PPだったが、4度立て続けに優勝を逸する形になっている。3位ラッセルまでが表彰台となった。
4位ノリスはファステストラップの1ポイントも加えた。5位フェルスタッペン、6位フェルナンド・アロンソ、7位アルボン、8位フランコ・コラピントと、ウィリアムズ勢がW入賞となり、コラピントは初のポイントを手にした。
9位はルイス・ハミルトンで、10位はケビン・マグヌッセンの代役としてスポット参戦したオリヴァー・ベアマンとなった。ベアマンはフェラーリ、ハースと、キャリア初の2レースを異なるチームから参戦し、続けてポイントを手にした史上初のドライバーとなっている。
また、今回ピアストリ&ノリスがポイントを大きく加え、ペレスがリタイアしたこともあり、コンストラクターズランキングはマクラーレンがトップ(476点)に浮上。レッドブルが2位(456点)に転落している(当時)。
Getty Images
1/オスカー・ピアストリ/マクラーレン
2/チャールズ・ルクレール/フェラーリ
3/ジョージ・ラッセル/メルセデス
4/ランド・ノリス/マクラーレン
5/マックス・フェルスタッペン/レッドブル
6/フェルナンド・アロンソ/アストンマーティン
7/アレクサンダー・アルボン/ウィリアムズ
8/フランコ・コラピント/ウィリアムズ
9/ルイス・ハミルトン/メルセデス
10/オリヴァー・ベアマン/ハース
11/ニコ・ヒュルケンベルグ/ハース
12/ピエール・ガスリー/アルピーヌ
13/ダニエル・リカルド/VCARB
14/チョウ・グァンユ/キックザウバー
15/エステバン・オコン/アルピーヌ
16/バルテリ・ボッタス/キックザウバー
17/セルジオ・ペレス/レッドブル
18/カルロス・サインツ/フェラーリ
19/ランス・ストロール/アストンマーティン
-/角田裕毅/VCARB
| レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
|---|---|---|---|
| 第1戦 | オーストラリアGP | 3月14日(金) ~15日(土) | 3月16日(日) |
| 第2戦 | 中国GP | 3月21日(金) ~22日(土) | 3月23日(日) |
| 第3戦 | 日本GP | 4月4日(金) ~ 5日(土) | 4月6日(日) |
| 第4戦 | バーレーンGP | 4月11日(金) ~ 12日(土) | 4月13日(日) |
| 第5戦 | サウジアラビアGP | 4月18日(金) ~ 19日(土) | 4月20日(日) |
| 第6戦 | マイアミGP | 5月2日(金) ~ 3日(土) | 5月4日(日) |
| 第7戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5月16日(金) ~ 17日(土) | 5月18日(日) |
| 第8戦 | モナコGP | 5月23日(金) ~ 24日(土) | 5月25日(日) |
| 第9戦 | スペインGP | 5月30日(金) ~ 31日(土) | 6月1日(日) |
| 第10戦 | カナダGP | 6月13日(金) ~ 14日(土) | 6月15日(日) |
| 第11戦 | オーストリアGP | 6月27日(金) ~ 28日(土) | 6月29日(日) |
| 第12戦 | イギリスGP | 7月4日(金) ~ 5日(土) | 7月6日(日) |
| 第13戦 | ベルギーGP | 7月25日(金) ~ 26日(土) | 7月27日(日) |
| 第14戦 | ハンガリーGP | 8月1日(金) ~ 2日(土) | 8月3日(日) |
| 第15戦 | オランダGP | 8月29日(金) ~ 30日(土) | 8月31日(日) |
| 第16戦 | イタリアGP | 9月5日(金) ~ 6日(土) | 9月7日(日) |
| 第17戦 | アゼルバイジャンGP | 9月19日(金) ~ 20日(土) | 9月21日(日) |
| 第18戦 | シンガポールGP | 10月3日(金) ~ 4日(土) | 10月5日(日) |
| 第19戦 | アメリカGP | 10月17日(金) ~ 18日(土) | 10月19日(日) |
| 第20戦 | メキシコGP | 10月24日(金) ~ 25日(土) | 10月26日(日) |
| 第21戦 | サンパウロGP | 11月7日(金) ~ 8日(土) | 11月9日(日) |
| 第22戦 | ラスベガスGP | 11月20日(木) ~ 21日(金) | 11月22日(土) |
| 第23戦 | カタールGP | 11月28日(金) ~ 29日(土) | 11月30日(日) |
| 第24戦 | アブダビGP | 12月5日(金) ~ 6日(土) | 12月7日(日) |